「このぼっちゃまも、もう少し見聞を広めてから、外にでるべきですよねぇ?」
 「ね?」ミサトは、のぞき込んで小首を傾げてみせた。 メイドの甘い仕草に、浩一の選択肢はない。脅迫感さえ感じられ、浩一はうなずいた。
 ミサトの冷たく細められた目は、浩一の瞳にリンクし、その手は浩一の肉棒をしごきあげていた。
 メイドに同意を求められれば、浩一はうなずくしかなかった。だんだん逆らえなくなるのだ。
 そんな浩一を、ミサトは歯をみせて嘲笑っていた。 

 「フフフ、わたしのぼっちゃまは、どうでしょう? あらあら?」
 浩一を操る肉欲のたかまりを、ミサトは自分の指もろとも脚の間でがっちりと挟みこんで拘束していた。ぬめるような肉の中で、メイドが前後に腰を振ってやれば、ミサトの下にある浩一は、どんなにもがいても、この肉と、媚薬のうねりから逃れるすべはない。

 肉感的な女体と重なって、押しつぶされそうな呻きは、苦痛から発せられたものではなかった。 「あ、ああぁ」うねりの中、浩一は、自身がどこかに吸い込まれているような感覚に、思わず声をあげる。

 「いかがです?」ミサトが亀頭の先にからませた指を、ほんの少し、妖しく蠢かすだけで、浩一はミサトの思うがままに返事を操られるようになってゆく。
 「あ、ああぁぁっ!」

 「いかが?ん?」キン、キン、とスプリングの軋む音。ミサとは前後から螺旋を描くように腰を旋回させ、根本から引き倒さんばかりに腰を使った。
 「ああっ!」自在にくりだされる狂乱の快楽のうねり、浩一は荒波に弄ばれる一艘の小舟にすぎなかった。
 「はひっ!はひっ!ですっ!そうですっ!」もはや、父と同じく、ミサトがグイグイと揺さぶってやれば、浩一もいいなりだった。
 だめ押しとばかり、メイドは主の息子を嬲った。
 亀頭の先から雁の下を刺激する指の蠢き、ヌルヌルと女の膣の中を錯覚させる、ミサトの柔らかい内ももの触感、ぬらついたメイドの太ももの間で、浩一の真っ赤なシンボルは発狂せんばかりに猛り狂わされていた。爆ぜようとしても、肉の呪縛はしなやかに浩一をとらえ、締め上げ、浩一が自身の意志で爆ぜることは絶対にゆるさない。
 「あ、あああっ!あああっ!」
 浩一はなりふり構わず声をあげた。真っ赤に充血した亀頭は、ミサトの指の間で張り裂けそうだった。

 「(クスクス)メイドにひぃーひぃーこかされて・・・」この状況でメイドが、主人の息子の痴態に、嗤いをこらえる理由などなくなっていた。ミサトはあからさまにせせら笑った。この侮蔑の笑いが浩一にとって甘い刺激になることを確信していた。さらには、それがミサトの虜となった浩一が切望するほとばしりのきっかけになることも承知していた。

 「アッハハ、この有様。メイドの虜。弄ばれてっ」ユッサ、ユッサと、ミサトが浩一の上で腰を揺すってやれば、浩一は別人のような裏声で喘いだ。
 「でっデチャッ!デチャッ!い、イグっ!」真っ赤に上気したシンボルを、ミサトは太股で強く挟み、手でも強く締め上げた。
 「ああ〜〜」何度も味わわされてきた寸止めだった。

 「フフフッ、こんなに乱れて、ほら、どうです?」ミサトは、浩一の脇から、腹にむかって熊手にした手でザックリと引っ掻いた。
 「アッ!」浩一の声があがると、暗い部屋に、高らかなメイドの嬌声があがる。
 「アッハハハ!」
 浩一の体に、赤いみみず腫れが浮かび上がる。それは、アイによって刻まれた傷と重なり、五線譜のようだった。
 悲鳴をあげられない真っ赤な肉棒が、弾力のある内股でもみくちゃに嬲られる。

 「ああああっ!」
 「フ〜〜〜ンン」 筋肉質な浩一の胸を、両手で寄せるようにもんでやると、メイドの下で、主の息子は女のようなあえぎ声を漏らした。

 「ほらっ! アッハハハ、メロメロになってますよ!、どう?もう、力も抜けて逃げることもできないのでしょう。考えることもできなくなった? ただ、ただ、悶え、よがるだけの、快楽の虜!」両手を寝間着にからめとられている浩一は、ただただ、ミサトの繰り出す快楽に敏感に応えるだけだった。
 堅く張りつめた怒張は、快楽の痛みを身ごもっていた。

 「ああっ、い、イキタイ!」浩一は涙をこぼしながら訴えた。
 「フフフツ、でしょうね〜〜」サラリといなすメイドの声が、頭の中にこだまする。ミサトの声だけが、意志を支配しつつあった。

 「どう?」ミサトは浩一の乳首をカリカリと爪の先につまんで転がした。浩一はその通りだと、うなずいた。
 「うぅぅ、い、イギャセテ・・・」理性などみじんも感じさせない言葉を口にする。
 「ん?」雄の小さな乳首をミサトは親指と中指でつまむと、ブドウを皮から押し出すように力を加えてゆく。
 「ハ!ァァア〜!」浩一はただミサトの言葉に翻弄され、その指先に弄ばれていた。

 「ほらほらっ? 真っ白になるでしょう? 頭の中が真っ白! アッハハ、いいのよ、みんなそうなるんですから!」ミサトには、浩一の表情に、今まで虜にした男達の、陶酔に惚けきった顔が重なって見えた。
 ミサトは浩一の真っ赤に熟した乳首を引っ張ってはパチンと解放し、また引っ張りパチンと弄んだ。
 「ハァァ〜〜!」浩一はミサトの言葉通り真っ白になってゆく。

 「アッハハハ、いい感じよ〜、歌い出すのかしら、ぼっちゃまは?ねぇ〜〜〜?、アッハハハ!(あっと!フフフ!)」どんな状況でも、めざとくミサトは浩一のほとばしりを察知した。
 「うぐっ!」きわどいところで、ミサトは浩一の望みを断ち切った。浩一のその瞬間は、文字通り手に取るようにわかった。
 きわどければ、きわどいほど、その効果は絶大である。
 男は、ミサトの手の中で転がされて、どんどん奴隷に造り替えられてゆく。

 「ん〜〜〜?フフフ!ぼっちゃま?」ミサトは鈴を転がしたように笑った。その声が、くすぐるように浩一の脳内を愛撫する。
 「ハァハァ・・・」 外は暑く、閉めきった部屋の室温はどんどん上昇する。真夜中でも赤い蝉は合唱をやめなかった。

 (誰がイカせてあげるもんですか!)「うううっ!」絶頂の寸前を延々と味わわされていると、男も女も狂い出す。そうなると止まらない。ひたすら、羞恥の限りを尽くし、ミサトのなすがままに、悶絶させられるのだ。
 (フフフ、アッハハハ)文字通り、ミサトの手で地獄の快楽に転げまわり続けることになるのだ。

 エアコンの止められた部屋で、ミサトも浩一も、汗か、媚薬かわからないほど、濡れていた。 
 ミサトの上半身は、玉のような汗が浮かび、下になった浩一に滴を降らせていた。
ミサトは大きくため息をついた。
 「ハ〜ァ、さあー、お話はまだ続きがありますが〜」ミサトは嫐りながら、醒めた口調になった。
ミサトのため息を、浩一は肌で感じ取った。その息は冷たく、雪女のようだった。
 あつく火照った身体には心地よいはずだが、ため息は浩一の不安を煽る木枯らしだった。
 「今晩はここまで」口調とは裏腹に、メイドの指はいまも浩一を嫐り尽くしている。
 「う?、うぅぅ!」終わってしまう。ミサトが(オワリ)を宣告している。 浩一は、わなわなと震えていた。 何か底知れない絶望感が心の中で膨張を始めた。

 「に、しましょうか〜?(フフフ)」まただ、焦らされて、嬲られながら、自分は発狂させられるのかもしれない、と浩一は思った。 豊かな乳房に汗をぬめらせているメイドが、顔をのぞき込むように小首を傾げている。
 汗がきれいだ。浩一は言葉にできないそれ以上の感動をおぼえた。
 もう、この限界をどうにかして欲しい、浩一は、唸ってメイドに訴えた。
 「うううぅ〜」ミサトの指が、浩一の性器を巧みに焦らす。

 「眠れそうですか?フフフ、おもしろかった?」芝居気たっぷりに、ゆっくりと、スローモーションをみせるように指先を遠ざけてゆく。浩一の瞳に暗い絶望の底が拡がってゆく。
 「ああっ、あああぅ」浩一は、お気に入りのおもちゃを取り上げられた子供のように、声をあげた。
 「フフフ・・・」ミサトは焦らし、嬲りつくした。 
 「フン・・・」首をふって髪をはらうと、汗の滴が浩一にかかる。
 艶やかなミサトの髪は、ひとふさ、ひとふさが、媚薬の滴をはらんだ蔓草のように妖しい光沢を放ちながらのたうっていた。
 暗闇に揺れるその髪の毛に溺れたい、と浩一は思った。  

 「ん?ぼっちゃま?」ミサトの目が細められる。妖艶なそのまなざしの前に、浩一は、スッ、と頭の中の何かが、吸い込まれてゆくような感覚が心地よかった。
 「うううっ・・・」浩一は、たちまち催眠状態にはいった。
 四肢が感覚から解放されたように軽い。
 傷口から、粘膜から、肺から血液に、全身からミサトの媚薬をとりこみ、それが、脳を侵していた。
 心の中の陽炎が激しくかき乱される。
 「ぼっちゃま、苦しそう。おつらいでしょ」メイドが嘲笑っているのはわかった。今は嘲笑われることすら快感だった。 淫らな笑みからこぼれる言葉が、ポロン、ポロンと、快楽の琴線をはじく。
 「?(ハッ、ハッ、ハッ、)?」
 ミサトに苦しそうだと、口にされると、浩一はどうにもたまらない息苦しさを感じだした。
 「ハッ、ハッ、ハッ(い、息がっ、く、苦しい?)」
 エアコンの止まった暑さも加わり、味わっている快楽とは反対に、熱病にかかったような苦しみを味わっていた。
 浩一の胸に、あばら骨が皮を突き破らんばかりにせわしく浮かび上がる。
 耳に蝉の鳴き声が狂ったように共鳴する。ときおり、何かのきっかけで蝉の鳴き声が大きくなるのだ。
 その意味するところは、今の浩一にはどうでもいいことだった。
 ただ、ミサトの声が、聞き取りにくくなることが不安だった。
 自分を快楽の絶頂に導いてくれる道しるべを見失うことを心底恐れた。
 浩一は聴覚に全神経を集中させて、ミサトの声を貪るようになっていた。


 (もうイッテもかまいませんよ)
 (そろそろイカせてさしあげましょう)
 その一言と、それに伴う淫らなとどめの一撃を渇望していた。
 
 「どうですか?」ミサトは浩一の上を降り、ベッド脇に腰掛けた。
 
 (どうですか〜)雪のように降り積もったミサトの言葉が、うっとりと細められたまなざしとともに、浩一の胸の奥に日の光のように降り注ぐ。
 ミサトから放射される光は、浩一の肉体、心を縛る蔓草をはぐくむ、暗い森に注がれる光だった。 
 浩一はワナワナと震えていた。それは、麻薬の禁断症状に苦しむ中毒患者のそれだった。
 ミサトは、もう、昔話を聞かせて待つ必要がなくなったのだ。

 「あらあら、女でいうところの愛液かしらね、これは?」浩一の苦しい事情をよそに、メイドは、主の息子を魔法の手の中で嫐っていた。
 ねっとりと、先走りの汁が、膿のように幹を伝い、メイドの白魚の指を汚す。
 メイドの手のひらはどんなに堅く張りつめた怒張も、トロトロに蕩けさせてしまう魔法をかける。
 ミサトにさんざん弄ばれ、話しを聞かされている内に意識が朦朧としてきた浩一は、ウンウンとうなるだけだった。

 破裂せんばかりに赤黒く張りつめた亀頭を、ミサトは団子をこねるように手のひらで弄んだ。
 「フフフ、このまま眠るのは無理みたいね〜? ん?」
 皮膚の上にアリが群れるような怖気が拡がる。ミサトが離れようとしているだけでこれだ。
 ミサトは、手についた浩一の先走りを嗅ぐ仕草をした。
 浩一に聞こえるように、クンクンと鼻をならした。

 「フ〜ン、雄の破廉恥で恥ずかしい匂いがしま〜す」浩一は顔に燃えるような羞恥を感じた。
 それは前日のミサトに責められた失態の時とはくらべもになならないほどの羞恥感だった。
 「かすかにつんとくる匂い。おしっこの匂いかしら〜?」ミサトがその手を、浩一の鼻の前で二度三度と左右に揺らしてやると、浩一は酸っぱそうに顔をしかめてむずがった。

 「ほら」ミサトは、こんな味よ、噛まないで、と手でたしなめると、浩一の口に乱暴に指をつっこみかき回した。

 「どう?」ミサトの指がグルグルと口の中を嫐り尽くす。
 「うううう・・・」それは今の浩一にとって、口の中という刺激にとどまらず、浩一の内側を犯し、かき回す魔法の指だった。

 「はずかしいわね〜、メイドに弄ばれて」まるで、浩一の後ろのすぼまりを嬲ったときのように指を前後に抜き差しする。
 「う、(あああっ!)」浩一の口腔の粘膜に、メイドの指がすりつけられる。
 なにかが、浩一の下半身の後ろ奥深いところからジンジンとこみ上げてくる。 
 ミサトに開拓された、覚えたばかり快感が蘇る。
 ズボズボとミサトの指が、出たり入ったりすると、もうたまらなかった。後ろの刺激を思い出したすぼまりは、ヒクヒクとわなないている。

 「何か思い出しませんか?」メイドの指は、歯をなぞり、舌をくすぐり、口の中隅々まで蹂躙した。

 「こんなに、ボッキしてぇ・・・」ミサトは指を三本に束ねて、浩一の口を犯した。口の中にミサトの指を感じていると、怒張をミサトのもう片方の手に包まれた。暖かく柔らかい感触は、浩一の勃起を幾度ものけぞらせ、その根っこの更に反対側、奥深いところを疼かせた。
 「あああっ!」 のけぞれば、なおさら根っこからのうずきに強烈な反動があった。

 「フフフ・・・」指が傘の下、雁の部分を執拗になぞる。 ジーンと痺れるような刺激が亀頭を狂おしく刺激する。
 しかし、その刺激は絶頂の引き金にはならず、ただただ、浩一の脳内に蓄積される快楽のダメージにすぎない。
 思考が真っ白にかすんでしまい、何も考えられない。
 ミサトの声だけが、聞き取れた。

 「またカチカチに勃起して・・・」
 (カチカチ・・・)ミサトのクスクス笑いが、頭の中にとても心地よかった。

 「ヒクヒクして・・・」
 (ヒクヒク・・・)ミサトの言葉のひとつひとつが、刺激となって真っ赤な皮膚をジリジリと焦がす。

 「こ〜んなに、よだれこぼして・・・」
 (こ〜んなに・・・)とろっと、先走りが押し出される。
 「あ・・・」
 「こ〜んなにぃ・・・」とろっと、絞り出されるときの、ズキンとしたしこりがひっかかる感触に、浩一は身震いした。

 「よだれこぼして・・・」
 (こぼれ・・・アァ・・・)メイドの指は、浩一の亀頭の先で媚薬と透明な先走りにまみれながら、淫靡なダンスを踊っているようだった。


 「我慢できます? ほら?」(アッ・・・アッ・・・)クチャクチャとテンポが速くなる。
(無理よねぇ・・・)淫靡に歪んだ唇から、真珠のような歯が光る。
 「ほら?、フフフッ、じっくりお話しましょうね。これについて、ね?」
 (アッ、アッ、アッ)
 浩一の絶頂を察知するとテンポがおとされ、刺激を与える場所も変わる。

 「ほら、わたしの言葉通りにぼっちゃまは、感じてきた、でしょ?」
 (アアッ!アアッ!)
 ねっとり糸引くような音が浩一の性感を翻弄する。
 「ハアッ!」まぶしい光が浩一の視覚を嬲る。
 「さきほどから勃起が一段と堅さを増しましたわ」いやらしいせせら笑いとともに、艶めかしいメイドの声が暗闇に響き渡る。

 「いやらしい、これ。ほら、パッツンパッツンに、反って!」(うぐぐっ!)ミサトがもう一扱きくらわそうとした刹那、浩一がほとばしりかけたが、ミサトはすばやく封じ込んだ。
 ミサトのもう一方の手が、浩一の股をかいくぐり、すぼまりと袋の間を、つぼ押しする。
 「フフフッ」(ひ〜〜っ!) 柔らかい層の下に感じられる、コリコリとした、筋肉の筋の堅さを、ミサトは指先で楽しんだ。
 この部分は、絶頂のおあずけを味わうと、ピクピクと痙攣を起こす。
 今の浩一もほとばしりの瞬間を奪ってやると、激しく痙攣を起こした。
 ミサトは強く指先を食い込ませた。すると、麻痺は膝まで達し、浩一を悶絶させた。
 「フフフ、」(ぐ、ぐぇへ〜〜)ほとばしりを、紙一重で巧みにかわし、快楽の地獄に苦悶する男の表情にミサトは魅入っていた。

 「あっ、とダメです(フフフ、まだまだ!)」ぐぇっ、と浩一はえづき、口をぽっかりと開けた。 
 「・・・」瞳の理性の証は、脳裏に裏返り、浩一は白眼をむいて悶絶する。
 
 「フフフッ、だ、め、」押し込んで沈め、沈めては引き上げ、ふたたび浩一を寸前まで釣り上げてゆく。
 「ンムッ」浩一は釣り上げられた魚のように口からつま先まで一直線になっていた。

 「フフフッ、おあずけですよ〜、ぼっちゃま」クチャクチャと淫猥な音は、浩一の肉体を単一の肉柱に変貌させ、それをミサトの指がしごきあげてゆく。

ミサトの命令には、 浩一だけではなく、浩一の中の白い蛇までが、調教師になだめられているように従った。

 「メイドさんのお話をもっと聞きたい?」浩一は逝きたかった。何度絶頂の寸前まで釣り上げられたことだろう。
 絶頂を味わったら最後、自分が壊されてしまうに違いない。しかし、快楽が弱まると、息ぐるしさがこみあげ、快楽を欲さずにはいられない。ミサトに頼むしかないのだ。
 「じゃ、イイ子にしていなくちゃいけませんよ?」殺してやりたいとさえ思う。
 浩一は今ミサトに弱みを握られている。文字通り、ミサトの掌中にあるのだ。
 しかも、ミサトの手の中は、浩一にとってもはや、不都合でも何でもない、むしろ、居心地のいい場所になっていた。
 ミサトの意のままが、浩一の望みとなりつつあり、快楽の絶頂を得る必定の条件になりつつあった。
 後ろがじんじんとうずく。 何かが必要な気がした。
 後ろに何かが必要だ。浩一はその答を知っていた。
 口にするのも、はばかられる言葉が、頭の中で何度も発せられる
 「イイ子になれます?」自分をここまで自在に支配している魔性に憾みがある反面、大きく見開かれた瞳は全てを受け入れようとしていた。 ミサトの望む「いい子」になって後ろを満たされたい。

 浩一は変わってきた。
 「ハイ」浩一は、はじめて自分の意志で選択することができた。
 「イイ子ね。じゃあ続きを聞かせてあげましょうか〜・・・と、」
 「と」ミサトはリズムをとるように左右の肩を上下させた。

 「言・い・た・い所なんですが〜、」自分の肩をトントンとたたく。 
 おどけた仕草だが、今の浩一には憎らしい態度以外になかった。浩一の顔に不安がよぎった。

 「フフ、メイドさんは疲れちゃったみたい」ミサトはゆっくりとベッドから足おろした。しかし、手は浩一の太ももの間におかれたままで、ゆっくり名残を楽しんでいるようだった。
 「え、」メイドを従わせる資格を失った浩一には、言葉はそれだけしかなかった。

 「疲れちゃったの・・・」足をぶらぶらさせながら、悪戯っぽい目で浩一を見つめ返す。
この目に殺されたい。イカされたい。そのうち、たぶん、浩一は感じた。

 「フフフ(もう、釣られちゃいなさい)」ミサトの手が再び浩一の肉柱をなぞりあげてゆく。
 「ああっ!」浩一は激しくうなずいて、ミサトの手の動きを促した。

 (こう?)声は聞こえないほど小さく、ミサトは唇で尋ねた。淫らな手指が、亀頭の先を手のひらにくるむと、意地悪くこね回しだした。
 「ああああああっ!」膝がひとりでに嗤いだす。

 (こう?)ミサトの唇の動きに、浩一は何度も、何度もうなずいて応えた。
 「フフフ・・・」ミサトのストロークが早くなる。それに呼応するように浩一も激しく喘ぎだした。

 「もう疲れちゃったの〜。それに本当は、ぼっちゃまが話しを聞いてもらいたいんじゃなかったかしら?」激しく刺激を与えては、やめ、また激しく刺激する。岩肌を浸食する波のように、ミサトは、繰り返し、繰り返し、浩一に快楽の波を送った。
 
 浩一は、歓喜でない絶頂と、喚悲のどん底の狭間で、激しく上下に叩きつけられていた。
 「ああ!」(そうだった)浩一はそのことだけが、頭の中ではっきりと理解できた。

 「さ、今度は、ぼっちゃまがメイドめにお話しを聞かせてくださいな。なんでもけっこう。私がよろこびそうな事ならなんでも」ミサトは浩一を嬲りながら、まばゆいばかりの作り笑顔で微笑んだ。
 (えっと、えっとぉ、)メイドの指さばきは気前よく浩一の快感を引き上げてゆく。
 このままなら、ほとばしらせてもらえるのだ、このままなら。
 ぐんぐんと悶絶地獄の深海を、放散の大気にむかって浮上している気分だ。 たとえ、大気と触れた瞬間、塵になる運命だとしても、上昇は止められなかった。
 浩一はどうかこの「このまま」がずっと続くようにと、願った。また「このまま」素晴らしく順調な上昇を描く曲線を維持させるのに、自分は何をすればいいのか考えていた。思考もミサトの思うままに操られているのだ。
 時間感覚も、ミサトと過ごすこの部屋では、メイドが針を動かしている異次元だった。
 限りなく長い。

 ミサトに従うことが、その唯一の答えなのを、ここまでの焦らしから身体で学んだ。
 ミサトは何かを聞きたがっていたのではなかったか。

 「ぼっちゃま?聞いてます?」
 クチャクチャと浩一を弄ぶ音が早くなる。

 (ああっ!な、なにか、なにかっ!)弄ぶ音に、脳みそがシェイクされている気分だった。
 ミサトは浩一が何を思っているのか手にとるようにわかっていた。
 ミサトの毒に犯されたものに理性的な思考などありえない。
 今、ここにあることが全てで、ミサトの指からつむぎだされる快感のみが黄金に値する。
 浩一は口をぱくぱくさせて快感と焦燥感に溺れていた。
 (ああ・・・)

 「ほら・・・(フフフ)」ミサトはときおり焦らし、わがままな快楽の亡者の、つかの間の癒しに水を差してやる。
 あくまで支配権はミサト側にあることを思い出させてやるためだ。


 「あああっ!」ミサトの思惑通り、浩一は、おのれが、ミサトの意のままにあることを思い出す。
 ミサトは幾度となく、焦らし、欲しがらせ、また焦らし、更に先に進ませる。こうやって全てを吸い尽くす刺激で男を奴隷にしてしまう。撒き餌で呼び寄せた獲物に、寸前までちらつかせ、期待させ、更に先に進ませる。

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メイド 魔性の快楽地獄