承 挑発

 

深夜の淫らな奉仕

ミサトは獲物を寝室に連れて行ってやった。

 「ちょっと照明を暗くしますね。」
 そういってミサトはベッドスタンドのランプシェードに赤い半透明のスカーフのような物をかけた。部屋全体が薄暗く、赤い色に染まった。
 「このほうが、雰囲気があっていいでしょう? 」
 浩一の寝室の薄暗い部屋の中、メイドは妖しく瞳をキラキラさせながら、ベッドに腰掛けた。

 「ぼっちゃま私はこのままですけど、お召し物を脱いでいただけますか? 」にっこりと微笑んではいるが、浩一は、メイドのマニュアル通りに状況が進んでいくようで少し不安だった。
 メイドはセックスをさせてくれるつもりがあるのか・・・
 ここまで来た以上、後には戻れない状況にある浩一は、しっぽを捕まれたように従うより他ないようだ。

 「まず、全身からマッサージしてリラックスしていただきたいので。フフフ、大丈夫。あっという間に終わっちゃいますから。 あとは、すぐにスッキリしますよ。かる〜く撫でるところから始めます」

 もう一度できるだろうか・・・ 浩一は不安だった。
 更に不安になるのは、自分だけが裸で、メイドはローブを着たままだということだ。またしても焦らされるんではないか。
 メイドと一つに繋がる前に力尽きてしまっては、話にならない。 今度焦らされても決して出すまい。一滴たりとも漏らさない。
 三回目の迸りはメイドの中にぶちまけてやろう。
 いつまでも弄ばれてなるものか。
 二回も出たのだ。もう、少々のことではビクともすまい。
 中にぶち込んだら、この女をよがらせてみたい。経験は充分ある。
 二回も出したのだ。絶対こちらが優位だ。それまではなんとしてでも、焦らしに耐えなくては・・・
 浴室から寝室に向かう間に心の平静を取り戻した浩一は、股間の疼きを抱えながらも、思案をめぐらせていた。
 誓いさえなければ、今すぐにでもこの展開をひっくりかえせるのだ。 メイドからセックスに持ち込みたくなるようにしむければ、戒めも解けるかもしれない。
 着ているものを脱ぎながら、浩一の眼差しは強い決心を表し、一点を凝視していた。
 ミサトはそんな浩一の心の内はお見通しだとばかりに、余裕の笑みを浮かべ、浩一が脱ぐのを手伝ってやる。

 (なにか思案中のようだけど、あなたはわたしの手の中よ。どうせ、まともでいられるのは今のうち。せいぜいがんばるのね)


 「あらあら、やっぱりリラックスしたほうがいいわ」
 「緊張して、もう、汗がこんなに」
 そういいながらミサトは浩一の着ていたパジャマを畳みながらひとりごちた。
 「脇のところがこんなに汗で蒸れ蒸れになっています。あとで着替えをお持ちしましょうね」
 「・・・・・・」
 「全部です」パンツに手をかけたまま、躊躇している浩一をおかしそうに眺めながらミサトは先を促した。手にしたタルカムパウダーの容器をトントンと弄びながら、浩一に仰向けになるよう、語りかけてやった。

 「さぁ、メイドさんが気持ちいいマッサージをしてあげましょうねぇ」
 ミサトは手のひらをすり合わせるとシュッシュッ、とこすりあわせた。今度はタルカムパウダーを一さじ程度手のひらに開け、もう一度同じ動作を繰り返した。
 こうして手のひらの温度を高めると同時にパウダーをなじませているのだ。このような状況を何度も経験したような手慣れた仕草に見えた。
 「ドキドキします? 」
 ベッドに俯せになった浩一にニッコリと微笑みながら、ミサトは静かにベッドにあがってきた。
 浩一の腰に跨って膝で立って、体重をかけすぎないように気をくばりながら、メイドは淫らな作業に取り掛かった。
 
 はじめにパウダーを振りかけ、それを、ゆっくりと優しく手のひら全体で全身に塗り広げてゆく。肉体を快楽に導く魔法の粉が浩一の全身になじんでゆく。肩からパンをこねるようにやさしく、軽くもみながら、じょじょに両腕も同時に揉みほぐしてゆく。
 次は両足、ふわふわと軽くつままれるような感触が
途切れることなく外側から、内側に向かってゆっくりと進んでくる。
 一通り全身をほぐした後、メイドは再度パウダーを浩一に振りかけ、今度は指全体をハケのように軽くあてながらパウダーを掃くようにスッスッと、肌の上を滑らせてゆく。
 手の平と指の腹で掃いたかと思えば、手の甲と爪の背を使い分け、
巧みに浩一の性感を目覚めさせてゆく。こめかみ、うなじ、肩、背中、脇、腰、臀部、へと優しく、焦らす。特に臀部は円を描くように十本の指先、一本、一本その役割を感じさせるように巧みな指使いを披露してきた。その指先がゆるゆると、くすぐるように股に滑り込んでくると、浩一は息を乱した。
 「ぼっちゃま、少し脚を開いていただけますか」
 浩一の脚を割ってミサトはその間に腰を下ろした。
 
 蟻の戸渡りを優しくくすぐられるが、それ以上は何も仕掛けず、指先は太股、膝の裏、ふくらはぎ、足、と離れてゆく。

 足の裏を爪を使ってくすぐられると、思わず吹き出してしまいそうになる。
 「くすぐったい? 」浩一の反応をおもしろそうにうかがいながら、メイドは爪を少し強く立ててやった。 
 「あ、あ」くすぐったさが、突然、快感にすり替わってしまい、浩一は思わず声を漏らす。
 「フフッ・・・・・・」
小さくメイドが笑う。浩一の足を攻めていた指達は再び上に向かって進軍を始めた。今度は逆撫でるように指先を駆使した。
すると、先程とうってかわって、浩一の下半身を足先から快感がひたひたと、這い上がってくる。中心から遠ざかっていた性感が足音をたてながら、向かってきた。前にも増して、ゾクゾクと快感に脚の先から浸かってゆくようだった。

 「フフフ、ぼっちゃま? 」
 「んん〜? 」
 ミサトは全てお見通しだといわんばかりに俯せの浩一の股間に指を滑り込ませた。俯せになった自分の恥骨に圧迫されたシンボルを探ってやった。
 「あ?うっ、 」
 (フフフッ、少し堅さに欠けるわね〜)
 ミサトは浩一の反応を楽しむように指先をなめらかに蠢かした。
 (気合いをいれてあげるわ)
 「うっ、うっ、うっ、」
 「さっきよりも堅くなっていますよ」口とはうらはらに2回の射精で堅さに衰えが見え始めたシンボルをクイクイと操作する。
 それはレバーを起こしたり、倒したりする動作に見える。

 「あぐ、み、ミサトさん、や、いた、折れ、折れるよ!」
 「折れますか? フフフフッ」
 ミサトは浩一が腰を軽く持ち上げたすきをついて、浩一の勃起したシンボルをグイッと手前に引いた。
 俯せの浩一の股間から尻尾のように勃起したシンボルが引き出される。

 「フフフッ」メイドは楽しそうに笑うだけである。
 浩一は普段は上に向かってそそり立つ勃起を下向きにされて、苦渋の汗をかいていた。勃起力はなぜか先程より強くなり、痛い反面、異常な感覚に興奮した。折れそうな感覚がなぜか逆に勃起力を刺激するのだ。
 「折れませんよ。ぼっちゃま」
 浩一は勃起が折れないように腰を浮かせて背筋を可能な限り反らして耐えた。それはメイドに肛門をさらさざるを得ない恥ずかしい姿で、羞恥心がボウッと沸き立った。
 羞恥心は、今や浩一の体を熱く疼かせる媚薬である。
 媚薬の効果は即座にシンボルの堅さに反映した。

 「いやらしい尻尾だこと、フフフッ」
 ミサトが軽やかに絡みついていた指を解いてやると、パシン、とシンボルは弾かれて下腹部を打った。
 「ウ! 」
 「元気な坊やね」
 ミサトは再びシンボルに指を絡めクイイッと手前に引っぱりだしてやる。片手の指先を口に含んで、たっぷりと唾液をまぶすと、長くしなやかな、白い指先が一本づつ、男根をなぞってゆく。
 「あ、あぁ・・・」
 「こんなに堅くなって・・・」
 浩一は背骨が折れるほどに体を反らし、胸をシーツに付け、腰だけを軽く浮かしたまま、耐えた。思わず声が漏れそうになるが、必死に押しとどめる。腰がブルブルと勝手に震え、快感に心を奪われていると、力が抜けて勃起したシンボルが折れるかもしれない。
 快感と同時に背中の毛穴から汗が噴き出しチクチクする。
 折れそうな緊迫感と、メイドの妖しい指使いが、浩一をあっという間に支配してゆく。

 痛い程勃起したシンボルは苦痛と快楽にビクビクと悶絶し、先から涙を流して降参の意を表した。涙は糸を引きながら垂れ、ツツッとシーツに滲みを作ってゆく。
 女の白い指先はそのネットリとした涙を優しくすくってやると、ツルツルと亀頭から茎全体に丁寧に塗り拡げてやった。

 人差し指の爪で猫をじゃらすように、かり、裏筋、茎全体をくすぐる。
 ヌルヌルになったシンボルを爪の背でなぞられると、スベスベとした感触に気が狂いそうになる。

 浩一は網の上であぶられているようにのけ反って悶絶した。
 勃起したシンボルより先に、背骨が折れるかもしれない。

 必死で決心を貫こうと耐える浩一だが、メイドの指使いにはかなわなかった。浩一は引き結んだ口から唾を噴きこぼしながら、枕に顔を押しつけながらくぐもった喘ぎを漏らし始めた。
 
 「あ、ブフ!! アアァヴヴゥゥ・・・」

片手で肛門のある割れ目を優しくなぞり上げながら、片手は逆らうようにしなる勃起を釣り師のように巧みにクイクイと戻したり引いたりして、腰を振るわせて耐える浩一を嬲る。
 (ほら、ほら、腰が下がってきてるわよ。折れちゃうわよ〜)

 力を抜いてやるとクイッと勃起は奥へ逃げようとする。

 (何か心にあるようだけど、もう、なにも考えられなくなるわよ)
 堅く反発力のあるそれを、いやらしく扱いたりしながら、また手前に引っぱる。

(フフフッ、ほらほらほらほら、フフフフ)
 グイィィ、ゆっくりと指先の感覚に神経を集中しながら折れるギリギリまで引っぱり出す。浩一の腰がバネ板のようにメリメリと反り、必死にそれをカバーしようと反り返ってくる。

 「あ! あああ! ひぇ! ん、ミ、ミサトさん! 」
 グイッグイッとメイドが浩一の腰に下に太股を差しこんできた。

 「いいわよ、力を抜いても」
 恐る恐る、力を抜いてみる。ふわりとメイドの柔らかな太股が浩一の腰を支えてくれている。とたんに股関節の筋肉が緊張を解き、快感が何倍にもなって感じられるようになった。
 「あ? あぁ〜あ・・・ふんん・・・」ねっとりと股間をミサトの指が這い回る。

 「フフッ、楽になったでしょ? 」
 「ア、ハ・・・イ」
 口がだらしなく弛緩する。 下半身からみるみる力が抜け、快楽がウットリと拡がってゆく。
 浮き上がった股間をミサトに支えられ、負担から解放された精神は一層、魔性の指使いにどっぷりと浸かってゆく。
 ミサトの心遣いにとても感謝しているくらいである。
 夕方から今に至るまで、激しい精神の高揚と消沈の繰り返しで、浩一の精神は著しい倦怠感に陥っていた。

 ミサトはインターバルな責めと懐柔による二段構えで、精神の消耗を誘い、浩一をどんどん主体性を失った稚児に逆行させてゆく。
 
 ミサトの責めを永く受ければその分だけ、浩一は堕ちてゆくのだ。
 快感が股間から背筋を遡り、後頭部から脳内に迫ってくる。
 ゾクゾクとした刺激に悶絶するあまり、浩一はミサトの責めをかわそうと、腹這いのまま前に進もうとした。
 間髪入れずに片手がシンボルを強く掴み、片手で腰を抱えて、引き戻す。
 その力は骨抜きにされつつある男では、到底逆らえない力強さで有無をいわせない強引さが感じられた。
 「あ、はあぁ! 」
 浩一は犯される女のようなか弱い声でいなないた。

 「力を抜いてください」
 (フフ、逃げられるとでも思っているの? 無理よ、こうなったからには観念するのね)
 「あ、アフ、アフ、あ、アハ、ハァ〜」ミサトの指が円の動きで滑らかに股間を弄ぶ。カクン、と力が抜けてゆく。 
 まるで、磁力で引き寄せられるように、指先に快感が集まってくる。ミサトの指が肌に下に潜り込んで、直接神経を愛撫しているような錯覚にはまる。
 どんどん快感が浩一の心を染めてゆく。

 浩一は、海に漂う藻くずになったように何もせず、快楽に身をまかせてゆくのだった。

  

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メイド 魔性の快楽地獄