承 挑発
深夜の淫らな奉仕
「仰向けになってください」
ミサトはじれったいほどゆっくりと肩から胸、と手のひらを滑らせると、やっと片方の乳首を愛撫してきた。
ちくちくと爪の先でなぶるように転がした。ときおり親指と小指の先でつまむと、少しきつくひねってそのまま、更にじっくりと反応を楽しむようにゆっくり、ゆっくりとひねってゆく。
乳首に手のひらを当てているようにみえるが、その親指と小指のかすかな、じっくりと時間をかけた愛撫で快感がゆっくりと波紋をたてながら、広がってゆく。
ほんの指先の小さないたずらが、浩一の乳首を煎ったばかりの豆のように熱く、堅く変化させ、じわじわと快感に疼いて、切なくなってくる。それが浩一の眉に困ったような微妙な表情を刻んだ。
ミサトは妖しい笑みを浮かべながら、まんじりともせず、浩一の乳首を指先で弄びながら、片方の手をそろそろと進行させた。
熱く、淫らな高ぶりをみせる場所へと・・・
浩一の股間にひじをついて、片手で手のひらを浩一の袋にあてて、
指を大きくラインダンスを踊るように、まっすぐに伸ばしたまま、指の側面を男根に当てたまま、スウッと左下から、先へ、先から、右下へと輪郭にそってなぞってゆく。小さなろうそくの炎のようにユラユラとひっそりと、暖かく、なめらかな指先が性感帯をあぶり出してゆくようだ。それは、何か魔法の儀式のように
神秘的で耐え難い焦れったさをもたらした。
「・・・・・・」ミサトは無言でじっと、シンボルに熱い視線を送ってくる。
ヒリヒリと視線が感じられ、亀頭の先から芯が熱く疼く。
疼いて、疼いて仕方がない。
2本目の指、中指がゆっくりと亀頭から、カサの部分にさしかかったとき、不覚にも、尿道からは、水飴のような透明な分泌物がビーズのように吹き出していた。しかし、中指は無情にも尿道をさけて、下へと降りていった・・・
ビーズはポロリと一滴、流れた。薬指が巡礼し、小指がさしかかるころには、三つ目のビーズが吹き出し、先ほどの二つのビーズは樹液のように、幹をつたい、根元の草むらに吸い込まれていったようである。
ハァ、ハァと浩一の呼吸が大きく、速くなる。
「・・・・・・」ミサトは人差し指から、そっと、中指に、続けて薬指をそっと巻き付けながら、親指の腹を裏筋にあてると、 そぉーっと、ジョイスティックを操るようにペニスを包んだ。
「ハ、アァ!」
トリガボタンを親指でなぞるように愛撫しながら、
尿道のビーズをプチュっと押しつぶすとそのまま、クルクルと指の 腹で裏筋から亀頭全体にかけてヌルヌルにしてやる。
「ア〜アアア! 」
人差し指にも手伝わせて、浩一のペニスを優しく可愛がる。
「う、うう、ミサトさん! それ・・・だめ! アアァ! 」
ミサトは 浩一の声や表情から敏感な性感帯を探ってゆく。どこがどこよりも感じるのか、浩一の性感帯に順位を付けて、正確に積み上げてゆく。
「なぁに? 感じちゃう? これがいいの? 」
してやったり、の満足気な笑みを含んだミサトの表情は宝石を手にしたようにキラキラと輝いていた。
「まだイカないでくださいね。我慢すればするほど、気持ちよくなりますから・・・そのほうがうんとスッキリしますよ」
「我慢できなくなったら教えてくださいね」
(ア〜ン、ア〜ンしか言えなくなるんでしょうけどね)
尿道の奥から男根の芯にビンビンとくるような、快感に浩一は声を殺して、ヒクヒクと全身をねじって耐えた。
尿道口を親指の腹で押さえたまま、カリ溝に軽く指を巻き付け右、左に半回転してやる。
「ああっ、それ、感じる! 感じ過ぎちゃう! イッちゃう! 」
ミサトは浩一の反応を面白がるようにクリクリ、としつこく回してやった。
「ミ、ミサトさんってば! 感じ過ぎちゃう! いっじゃう! 」
「・・・・・・」ミサトは浩一の鳴きには答えず、ニヤリとほくそ笑み、浩一の反応におおいに満足している様子である。
(フフ〜ン、 なぁに? これぐらいでイカせてもらえるとでも? まだまだ、これからよ。もっと、もっと、よがり狂わせてあげるから)
(あなたの知らない快感をたっぷり教えてあげる。その体に焼き付けてあげるからね。麻薬のような快楽に悶えさせてあげる)
暗がりの中赤い明かりに照らし出されたメイドの顔は、興奮したようにウットリと陶酔したように目を細めている。
「フフフ、ぼっちゃまは、とても感じやすいお体をしているようですよ」「こんなに感じやすいお体に生まれた幸運に感謝しましょうね」
「う・・・・・・」メイドの指に翻弄され、何度も固く閉じられた目に涙がにじむ。
「フフ・・・」一呼吸おいてから、
「じゃあ、これは? 」グリグリと亀頭の先に手のひらを被せ、
指を軽くカサにあてたまま、片方の手で袋から肛門にかけて
優しく爪でくすぐるように引っ掻く。ついで、携帯電話を持つように男根を持ち変えると、なめらかに男根を引き抜くように愛撫する。
右手が亀頭の先から抜ける寸前に左手が根元から愛撫を開始する。流れるような手さばきで繰り返しスポスポと責めてくる。
「あっっ、それいい、いい、 」
「いいでしょう? フフフフ、 」
更に隠し味として、ひねりも加えてやる。
「あう! そんなにしたら、ィ、イっちゃう、 」
「まだ、大丈夫ですよ。フフ、これからなのに・・・」
ギュッと男根を強く握ると、先からもはや、透明なビーズとは呼べない性液がトロトロと溢れてきた。
トロリとしたたる粘液が、メイドの指を生々しくテカらせ、蛇の舌のようにシンボルをチロチロと舐め回しているようだ。
「アウゥゥンンン・・・」
「ぼっちゃまのチンポ、ヌルヌルになってますよ」
「いやらしいオチンポ! フフフ、 」
嬲りながら、ミサトは浩一が快感にどれだけ自我を保っていられるのか値踏みするように観察していた。優しい笑みとは裏腹に、その目は冷たい光を放っていた。どんな小さな反応も見逃さないよう、目を光らせているのだ。
どうやら、浩一は亀頭責めにはからきし弱いようである。
ミサトの手慣れたテクニックに夢うつつである。
(たわいないわねぇ〜〜もう、こっちの物ね。 そろそろ、この辺も可愛がってあげなようかな〜 )
「脚、もっと開いて・・・」ポツリと口にすると、浩一は無意識にそれに従う。ミサトが浩一の膝を下からすくうように手を這わせると、そのまま、両膝を持ち上げ、軽く立て膝をつかせた。
そのまま、ミサトは自分のふとももを下にくぐらせてきた。浩一の腰がグイと浮き、浩一は軽くあぐらをかいた、ミサトの柔らかい太股の上に腰を預けた格好になった。
「フフ、もっと気持ちよくしてあげるんだから」少し位置を調整すると、ミサトのしなやかな指の愛撫が再開される。
「ハァ〜ア〜」
今度は浮き上がった腰から内股、脇腹、臀部を、その指が這い回る。膝の裏、膝頭、太股、脚の付け根、触れるか触れないかの繊細な指使いで浩一の下半身全体をトロケさせてゆく。
それに反比例するかのごとく、男根はキチキチキチ、と堅く張りつめ、皮膚からは血が染み出さんばかりに充血し、真っ赤に勃起していた。スーッ、スーッと下半身を這い回る指先がウットリするような甘い旋律を奏でる。
「う〜〜〜ん、」
ミサトの指がときおり、闇をさぐるように滑り込んでくる箇所があった。浩一自身が直接見ることのない秘所に。あるときは蟻の戸渡りから、またあるときは脇腹をまわって尻の谷間に沿って、代わる代わる攻め入ってくるのだ。
ソロソロ、と秘所に指が這ってくると新鮮な快感がゾクゾクと走る。ミサトの指の腹が浩一の秘所をピタリと探り当てる。
そのまま、指のぬくもりをじっくりと伝染させ、しこりのあるその蕾をそっとほぐしてくる。ジ〜〜ンと訳の分からない快感のような感触が染みこんでくる。
「アフ、ウ、ウ、ハフ、 」(知らなかったこんなところが気持ちいいなんて・・・)
が、浩一の反応に何かを思いだしたように意地悪な指は離れてゆく。
(ア、モット・・・うぅぅ・・・)
ミサトは先ほどから浩一の男根を握ってこなくなった。
下半身全体の愛撫の通過に立ち寄った程度に撫でるぐらいである。「・・・・・・ンフフ」ミサトは何も言わないが、浩一の反応はお見通しである。
浩一は遠慮がちに腰をモジモジさせて指先を呼び戻そうとした。
しかし、指先は脚の付け根を爪の先でくすぐるだけで、もう戻ってくる気配はない。
(イァダ、モット! )浩一は腰をグッと突き上げ、更にクネクネと催促してみた。
ニヤッと笑みを浮かべ、ミサトは股間の周りを獲物に牽制をかけるようにグルグルと指先を泳がせた。
「ハァ、ハァンン」またしても焦らしである。浩一は切ない喘ぎを漏らす。
「ぼっちゃま? 」(何かしてもらいたいことがあるんでしょう? フフッ )
「気持ちよくないですか? 」
爪の先でツッーと内股をくすぐり、すぐ手の平でさすってやる。
ジワッとした暖かい心地よさが伝わってくる。
「」
これはこれで気持ちいいのだが、先程の性感ほどではない。
(あぁ、もう一度して欲しい・・・)
「気持ちいいところにきたら教えてくださいね」
(もちろん、たっぷりおあずけをかけてあげるんだけどね、)
さわさわと優しく指先を滑らせながら、メイドはニヤニヤしながら慰めるように囁く。
「教えてくれたら、ずっとしてあげますから」
(クスクス)
「言ってくださいな」
(まだ、無理でしょうねぇ〜、お尻が気持ちいいなんてねぇ〜)
「ね?」ミサトはニッコリ笑って浩一に小首を傾げて返事を促す。
「うう、あの・・・」(お尻の方、もっとお願い・・・)
言えるわけがない。お尻が気持ちいいなどと、口にすれば変態である。そう考えただけで、カッと全身に熱い羞恥心が色めきたち、体の芯が熱く疼く。
わずかに残った理性と膨れあがる一方の欲望が押しくらまんじゅうをやるように葛藤している。
浩一は口を金魚のようにパクパクさせながら、必死に無言で訴えようとした。
(フフフ、わかっているわよ。お尻がよかったんでしょう? 男はみんな、初めは認めたがらないけど、そのうち・・・ネ・・・)
「あの、もっと上・・・」羞恥心に悩まされながらも浩一はなんとか口にした。
「? 上? フフフッ、いいですよ」
ミサトの指がゾゾッと這い上がると、袋をかすりながらシンボルへと指先が向かってくる。
「こう? ここがいいんですよね? 」
再び、シンボルにゆっくりと指一本一本が絡みついてくる。
(あぁ、違・・・その、下・・・お、奥の・・・方・・・ )言えない。
「気持ちいいですか? 」
ゆっくり、ゆっくりと滑る指全体で扱いてやる。
「ウ、ウン、いい・・・で、でも・・・」ミサトのテクニックが浩一をゆっくりと忘我の境地へと誘ってゆく。
(これがして欲しかったんだ。よかった。分かってくれたんだ・・・)
「イイ、気持ちいいよぅ、アァ!」
もうお尻のことは頭になかった。ミサトの指がクネクネと責めるたび、浩一もクネクネと腰をよじる。 どん、どん想い出せなくなる。
今、が忘却のかなたへ矢のようにとんでゆく。
「ぼっちゃま、本当に気持ちよさそう・・・」
(ふふふ、言えなかったねぇ〜、忘れちゃったんでしょう〜? フフフ)
ミサトは両手の平を真ん中で合わせるとシンボルをゆっくりと合わせ目に差しこんでゆく。
女の手の隙間に亀頭がゆっくりと包まれてゆく。
まるで本当にセックスをしているような感触だった。
「ああ、それ、アアァ・・・」浩一はだんだんよく鳴くようになってきた。
「これもいいでしょう?」眉をクィッと片方だけ吊り上げて、ミサトが浩一の表情を伺う。
ズッズズッと掌中に収めると、そのままゆるやかに回転を交えながら上下に振りだした。
まるで手を合わせて祈りをあげているように、厳かにシンボルを責める。
「あ、あぁ、いい、いい、ひぇ・・・」
股間に突き刺さった欲望を刺したり、抜いたりされるような不思議な快楽に浩一は我知らず声をあげた。
股間から魂までも引き抜かれるような危うい感覚。
何から何まで、今まで体験したことのない快感の連続だった。