ミサトは琥珀色の結晶をみせた。

 「これはサエドラドラゴ、前に申し上げたましたように特殊な香です」
 氷砂糖のようなそれを、ミサトは一粒口にすると、かみ砕いた。
 ミサトは、フン、と浩一のあごをつかむと、その唇を乱暴に奪った。
 その甘い女の舌の侵入を、浩一は阻めなかった。
 甘い舌は、浩一の口中にブツブツの結晶を運びこんだ。

 「こうして口にしても、オイルに混ぜても、熱で成分を気化させても、とにかく体内にとりこまれれば、どこからでも同じ効果を発揮します」甘い。浩一はその味わいに、うっとりとした。

 「この辺も麻薬と同じね」甘く、艶めかしい息が耳をくすぐる。
 
 「ぼっちゃまには、こ〜んなことや?」ミサトは、浩一を乱暴に裏返したり、押さえつけてみたり、手慣れたベッドメークをこなすように、シーツにもつれる浩一を弄んだ。
 媚薬の効果は、揺すったり、たたくだけでも、格段に高まる。
 ミサトに手首を強く掴まれたり、軽く叩かれると、そこに、甘い疼きが生まれた。
 弄ばれるうちに、体中のあちこちが、ジーンと甘い疼きに覆われてゆく。
 
 「フフフ・・・」ミサトは、再び仰向けにさせた浩一を、馬乗りになって跨ぐと、スカートをひらひらと仰いで、匂いを送る。
 スカートの中から、ねっとりとむせるような甘い香りにまじって、ミサト自身の女の匂いが感じられた。
 チラリ、チラリとスカートの奥から、ミサトの淫花がうかがえた。
 肉の花びらの奥から、樹液のような分泌物が、うち腿を伝っている。

 「こんなふうに」 ミサトは再び、唇を浩一の唇に重ねた。
 舌で唾液とからませた媚薬を、たっぷりと、くちうつしする。
 媚薬は、最初のうちは、与える量が多くても効果は変わらない。
 だが、一度、体内に受け皿ができてしまえば、その効果は量に比例する。
 どんどん量がふえ、得る快楽も加速する。

 「それに・・・」潤滑剤のボトルを取りあげてみせる。
 パチンと、キャップをずらすと、トロリ、と水飴のようなローションをたらしてみせる。
 ピタ、と、浩一の肉柱に命中すると、ミサトはクチャクチャと指でなじませた。
 ミサトの指がぬめりながら、肉柱をしごきあげる。
 たちまち、快楽が下半身を支配する。
 「あ、あああ!」
 亀頭はミサトの快楽を受信するアンテナだ。
 気が狂いそうなじれったい指使いに浩一は悶絶させられた。

 
 「たまらないでしょう? 今、こうやって媚薬を、直接チンポに塗りたくられるてるのよ」
 それは、磨き上げるような手つきで、ほの暗い部屋の中にあって、浩一の肉柱をテラテラと光らせる。
 ミサトの指先が奏でる快楽が、シンボルで増幅され、痺れるような恍惚感が、股間から、腰へと拡がってゆく。
 
 
 「わたしは、これを使って殿方だけでなく、女性の快楽も意のままに操ることができます」

 「当然よね? この快楽に雄も雌もないわ。みな、この快楽の奴隷よ」
 クチャ、クチャ、とミサトの指筒がシンボルを咥え、何かを吸い上げる。
 浩一は声をあげようにも、声がでない。喉の奥よりももっと深いところから、吸い取られてしまう。
 浩一の頭の中は、イキたい、それだけだった。
 ミサトに、自由自在に快楽を支配され、ほとばしりを何度も止められている。
 頭の中に白いもやが立ちこめ、股間は鉛を詰められたように、ずっしり重い。
 気持ちいいが、苦しかった。焦らされる快楽は拷問だった。早くほとばしり、気持ちよくなって果てたかった。
この快楽への欲求が、奴隷を狂気の服従に走らせる。
 
 「これを使って味わう快楽は、普通のセックスとは比べようもないほどで、同時に強烈な暗示を与えることが出来ます」
 「ほ〜ら、こんなふうに」ミサトが息を吹き込んでやると、浩一の頭の中で快楽の風車が勢いよく回る。
 「うぐふぅ〜」その一吹きで、男根はヒクヒクとわななき、浩一は白目を剥いて悶絶した。
 「もっと気持ちいい、もっと苦しい」ミサトの言葉で、シンボルは苦しみを伴う快感を味わっていた。

 「どう?セックスと比べて? こっちの方がいいでしょう? もう逃れられないわ。この快楽から」
ポロン、ポロンと、ピアノの引き語りのような心地よい口調だった。
 「あああ!」
 ミサトは浩一に教えていないことがある。
 言いたくて、しかたがないのだが、かろうじてこらえている。
 
 それは、ミサトの性器で味わうそれは、もっとすさまじい快楽だということを。
 最期は、ミサトの凶器で後ろから貫かれるときは、死ぬほどの快楽だということ。
 ミサトの性器は淫らな欲求に、先ほどから太腿を伝うほどの淫液をしたたらせていた。
 その分泌物は浩一の身体にまで垂れ、浩一の肉体を侵していた。
 
 「これを使って味わう快楽を知ってしまうと、もう、これなしではいられません」
 浩一は聞いていない。

 「それは、麻薬のそのものです」
 言葉を理解出来ない状態だった。

 「みな、この快楽の亡者と成り果てて、行く末は私の奴隷に墜ちます」
 ミサトの指が、はりつめた肉柱を巧みにしごきあげていた。
 
 「わたし? わたしは、毒に対して耐性があります」
 媚薬をたっぷりと、にじませたミサトの指に、ヌルヌルと亀頭をこねくり回される感触は、天国で地獄を味わっているようだった。

 「あなたがたが味わう快楽を、体験することはかないませんが」
 ミサトは、かつて、その快楽に溺れたころがあった。
 
 「わたくし、それに負けないくらいの快楽を知っています」
 その快楽地獄には、今も強烈な飢餓感を憶えるが、それを唯一抑えられる手段を発見した。

 そ・
 れ・
 は、
 ミサトの淫花がヒクヒクと震えていた。欲情よりも激しい興奮で、全身の体毛が逆立つ。

 「こうやって?あなたがた変態を、この媚薬で捕らえて!」乱暴に浩一の髪の毛をつかみ、くしゃくしゃにかき回し、その頭を揺さぶって枕に何度も押しつけた。

 「虜にして!」ミサトは牙を剥いて笑っていた。

 「奴隷にすることっ」浩一は激しいミサトの暴力的な責めに、なすがままだった。

 「精神を犯し、」ベッドがせわしく軋む。

 「全てを破壊するような快楽で、」スポン、と、しごいていた手を離す。
 「醜く歪ませて差し上げることっ」絶頂を奪われた浩一の顔に、理性は残されていない。
 浩一の中でセミの声が大きくなる。
 「ああっ!」ミサトが乱暴に、浩一を扱えば、扱うほど、媚薬の効果は強くなる。

 「わたくしにっ」浩一はミサトに揺さぶられるまま、グラグラと頭をゆらしていた。
 「フフフ、ひざまづかせ、」浩一を俯せに伏せると、背中にまたがり、枕に押しつけられた浩一の耳元に毒づいた。
 「全てをささげさせることっ!」息をつがせてやっては、再び頭を枕に押しつけてやる。
 ミサトの息は、甘く生々しい臭いがした。
 いつも、それは興奮したときに表れる。

 「ひぃっ〜〜!」浩一は、背後から、股間に滑り込むミサトの手を感じた。
 その指は、あっという間に浩一のリンパを刺激し、袋を爪でくすぐり、更に前にくぐらせた手を竿に滑り込ませた。

 「あなががたは、全て私のいいなりよ。絶対に逆らえない。従順な奴隷。わたしが与える滴程の快楽の虜」
 ミサトの息がアナルにパクパクとかかる。
 ミサトは、浩一の股間に無数の舌を這わすように指先を使った。
 浩一が腰を持ち上げると、ミサトはすかさず腰に両手を巻き付けて、腰を更に持ち上げると、浩一を四つんばいにさせた。

無防備になった下半身は前も後ろもなく、浩一を翻弄するがごとく、指が這い回る。
 浩一は、ミサトが舌を使って浩一の臀部をねぶっていることに気づいた。
 時折、吸い付いたり、歯を立てられると、その刺激が浩一を、絶頂へと駆り立てる。 

 「ぐぁっ!」ミサトは浩一のほとばしりを絶対に許さなかった。まだまだ焦らし抜くつもりだった。
 アイの呪縛が無効になるくらいの悶絶快楽を味わわせてやるために。

 「一滴の滴がおまえを数百回の射精に導き、おまえは随喜の涙をこぼしながら失神するの。だんだんそうなるわ。ぼっちゃまもね」失神を味わった犠牲者達はその後、ミサトの奴隷として再生する。

 浩一の父も、何度も失神を味わわされ、その後ミサトの、完全な奴隷人形に成り果てた。

 「ぐぁ〜〜っ!」浩一はなんとか爆ぜようともがくが、ミサトはそんな獲物の抵抗には慣れっこだった。
 押しつけ、組み伏せ、動きを封じ、言葉で翻弄する。そのさまは、猫類の動物が獲物を弄ぶ様にそっくりだった。 どう猛な笑みを浮かべる口は、肉食動物の口を連想させた。

 「その一滴を得るために全てを差し出し、わずかに残された自我で悔し涙をこぼしたとき、その涙を味わうこと」ミサトは涙が大好物だった。
 悔恨の涙を流しながら、同時に苦痛に近い快楽に翻弄される顔は、たまらないご馳走だった。

 「あなたがたの大きく、強大で、なんの障害もない人生に大きな通せんぼをして、わたしの脚の間をくぐらせてあげること」ミサトの両足は、何人もの犠牲者がその間をくぐり抜けてきた関門である。ひとたび、くぐると、その瞬間から人生が変わってしまう。

 奴隷として、完全なる服従を胸に刻みつけながら、犬のように床を這い、淫らな興奮を覚えながらくぐってゆく。
 そして、ロバのように、鞭を打たれ、ミサトのおもちゃにされる。
 動物のような犯されかたを好み、調教される喜びにひたるミサトの奴隷だ。
 それ以外では、何からも快楽を得られず、機械のように、そこに存在する。
 
 「うぐぐっうぐっ!」
 ミサトは、浩一の股間に両膝をくぐらせると、浩一のいちもつを膝の間に挟み、亀頭をなぶるように、膝をグルグルとまわした。
 同時に浩一の後ろのすぼまりに、爪が這い回り、軽くノックされると、ミサトの指が再び侵入してきた。
 ズルズルと内側の粘膜を滑るしなやかな指の感触と、ズキズキと脈打っている前立腺が押される感触に狂喜する。
 
 「女に組み伏せられ、犯され、全身を貫く快楽を徹底的に焼き付け、四つんばいになってヒーヒー悶絶するのを見下ろしてあげること!」
 二本にたばねられた、ミサトの指が指揮棒のように浩一の中で快楽曲を指揮する。

 「あなたもそうなるのよ。みずから進んで、わたしの前で、あられもない姿で、嬲られるのを臨む、マゾにね」
 「んぐぐぐ」浩一がイキそうになると、乳首をひっぱたり、ふとももに爪をたててはぐらかした。

 「ウフフ、想像できませんか? でも、あなたのお父様であられる旦那様は、やすやすと墜ちましたよ」
 浩一の父は強烈な自我をもっていたが、それすら、ミサトにかかると問題ではなかった。
 ときおり自我をとりもどすこともあるが、もうじきそれも完全に失う。
 
 浩一という一人息子が、嬲られ、肉奴隷に落ちる様を見せつけられて正気ではいられまい。
 浩一の崩落が、その父親の崩落でもあるのだ。
 親子いっぺんにミサトによって奴隷におとされるのだ。

 「私の肉奴隷に」
 (えぇ、えぇ、もちろんあっちのほうも)
 クチャクチャクチャ、肉棒が蕩けるような快感に包み込まれる 

 「あああ〜」目を閉じると、さまざまな色のリングがめまぐるしく頭の中をゆきかう。
 ズーン、ズーンと、後ろからミサトの指が前立腺を突いてくる。

 「いかがです? 肉奴隷。イイ響きじゃありませんか」
 なんて甘美な響きだろう、浩一はなんの抵抗も感じなかった。

 その姿は、快楽の地獄で、悶え、苦しみ、涙を流してのたうつ哀れな亡者そのものだった。
 浩一は、よだれが垂れるに任せ、まぶたはヒクヒクと痙攣する


 「わたしからの快楽が全て。生きることの全てを、わたしに捧げて得る快楽」
 クチャクチャと淫らなリズムが順調にテンポを速め、浩一はほとばしりを予感した。

 「ぼっちゃまも、わたしの、奴隷になってそのような世界に生きるのです」
 イカされる。浩一は死んでもいい、と思った。

 「恨みはございませんが、それが、ぼっちゃまの運命と思ってあきらめてください」
 何の不満もなかった。 ミサトの指さばきは、浩一をじゃらすように、性感を刺激する。

 ミサトは浩一をおとなしくさせると、刺激を続けたまま、仰向けにする。
 両足を大きく万歳させ、肩にかつぐような体勢で、後ろと前を嫐り倒す。
 薄く開かれた視界に、キラキラとラメのような浮遊物が舞う中に、ミサトが微笑んでいた。

 「さ、運命を受け入れましょう」
 ニッコリとミサトが微笑み、片方の手には竿を包まれ、もう片方には、すぼまりを貫かれた。
 (き、きもっちいいぃぃ!)何も逆らえない快感だった。淫らなリズムがどんどん早まってゆく。
 浩一の期待は、どんどんふくらむ。
 どんどん吸い上げられる。吸い上げられる快感に惚けていた。
 (おおおっ!)

 「さすれば、めくるめく、快楽の万華鏡を味わえますわ」
 (ああっ!いぐぅ! いぐっ! いぐいぐいぐっ!)
 まさしく、快楽の万華鏡に迷い込んだようだった。
 まぶたの裏に、極彩色の光がめまぐるしく踊る。

 「ぼっちゃまは、何も努力しなくても、わたしから快楽をもらえるようになるんです」
 ミサトは浩一のシンボルを固定すると、亀頭にねらいをつけて唇をすぼめ、銀色の滴を垂らした。
 それは、とろりと亀頭に達すると、白い指によってまんべんなく塗り込められてゆく。
 「ああ!」
 チャクチャクと扇情的な性感に訴える音がひびく。

 「フフフ・・・いかが?」ミサトの瞳は夜になると、漆黒の闇を湛えていた。その闇が浩一を惹きつけて放さない。 

「ご自分では無理でしょう?こんなに気持ちのいい手コキは?んん?」
 ミサトは、パッと指を離しては、再び指のたばに包み込み、ねっとりと愛撫する。
 パッと刺激が中断されると、ジーンと痺れるような刺激が、あとから、あとからとついてくる。

 「き、気持ちいい、キモチイイッ、イキタイッ!」それは、亀頭の先から始まり、股間全体に拡がり、内臓を伝わり、腕、脚の先に向かって伝わってゆく。
 くすぐったいようなシビレに、手足が小刻みに震え出す。

 「あああああ!」それは自分の意志とは関係なく、手足が笑い出す。
 カクカクと、膝が笑うような感覚が全身に拡がる。
 その発生の源は、ヒクヒクと透明な液をあふれさせている。
 鈴口を大きく拡げ、ポッコリと透明な玉をのぞかせている。

 ヒク、とシンボルがのけぞると、その透明な玉は、ポタリ、と幹を伝ってゆく。
 己の滴が、幹を伝う程度の刺激でも、ミサトに焦らされているような感覚になる。
 (イカセテッ!イカサセテッ!イキャセッ!)浩一の心の中はそれでいっぱいだった。 

 「フフン・・・」ミサトが浩一の乳首に唾を垂らした。銀色の長い滴は水飴のように、浩一の乳首にネットリと重なった。
 ミサトは、それを、ヌルリ、ヌルリと、指で転がしたかと思えば、爪で軽く掻くように弄んだ。

 「ふ・・・」思わぬ刺激に、意識が薄らいでゆく。
 カリカリと爪を使われると、グングンと意識がそこに集まり、他は考えられなくなってきた。
 浩一のシンボルが、ダラダラと涎をながしているのを、ミサトは思い通りに進んでいることとして満足気に見詰めていた。

 ミサトは、再びシンボルに指を絡ませると、両方の手で「永遠の挿入感覚」を作り出した。
 シンボルを、片手でこしらえた肉筒にゆっくりとくわえ込ませ、根本までくわえさせたところで、頭を出した亀頭をもう片方の手でこしらえた肉筒にくわえ込ませてゆく。

「あああっ!」 
 繰り返すと、浩一のシンボルに、延々と肉筒の中を突き進む快感を与える。
 浩一は、前進だけの挿入の快楽を味わわされていた。
 「明日から、あなたも旦那様のように、あなたのお父様のようにねっ!」グググッ、と奥底から白い蛇が鎌首を持ち上げる。
 
 シュルシュルと、永遠に吸い込まれる快感から、手は亀頭のかりを指でつくったリングで責めながら、片方の手が浩一の股間をくぐって、尻の割れ目をなぞってゆく。

 「お!」
 後ろのすぼまりに、更に一本侵入してくる。それが、捻るような動きと、前立腺をはじくような小技を駆使する。
 「ひゃっ!」ミサトは、指の腹に感じるコリコリとした器官を丁寧に刺激してやる。
 浩一の中で、射精の断続的な快感とは異質の快感、それが、じわり、と拡がる。

 「あああっ!い、イグッ!イグッ!」頭の中で、ブチブチと、なにかがちぎられる音がする。
 淫靡なテンポが、後ろで、前でも、激しくなる。
 「いぐ!」浩一の大きな声に、快楽は四散した。
 
 寸前だった。浩一の頭の中で何かがはじけた。

 「なんです?」残忍な笑みでとぼけながら、ミサトの精緻極まりない指先の動きが、白い蛇の頭とらえ、押しつぶした。
 「ぐわぁぁ〜!(ああっ!あああっ!死ぬ!死ぬ!)」白い蛇は浩一の下腹部で激しくのたくって悶絶した。 

 「なんでしょう?ぼっちゃま?」ミサトは肩を震わせながら、含み笑いしていた。

 「あぁ〜」 浩一はまだ知らない。父がミサトの毒でどのような有様になっているのかを。
 浩一も、父も、今までの犠牲になった者達も、知っていればまた変わっていただろう。
 快楽と引き替えに財産だけでなく、肉体、魂さえ代償として差し出す羽目には、ならなかったかもしれない。

 しかし、ミサトに教える義務はない。
 やがて浩一も、自分の変わり果てた姿に、驚愕の表情で後悔する様が見物なのだから。
 そしてその表情も、ミサトの意のままに快楽の波にかき消され、
 やがては弛緩しただらしない顔つきが素顔となる。
 表情もミサトによって奪われるのだ。
「おぅ、おぅ、」浩一は涙も枯れ果てていた。

 「わかっておりますわ(ククク・・・)苦しいのでしょう?」ミサトが解放してやると、白い蛇はおとなしく奥に引っ込んでゆく。浩一の快楽は、ミサトの意のままだった。

 「気が狂うほどイキたくて、たまらなくなってきた。どうかしら?」再び指が巧みな蠢きを始める。
 「くぅ〜〜〜」浩一は懇願の呻きを漏らした。
 その呻きをよそに、ミサトの指は、猫をじゃらすように、亀頭のかりを指でくすぐる。

 「いえ、イカされたくて、かしら?」
 (焦らすな!焦らすな!焦らさないでください!)頭の中はそれだけだった。

 「メイドの指先の動き、フフフ、これが忘れられないんでしょう?」
 クルクルと亀頭の回りを指が踊る。
 (イカセテ!イカセテ!イカセテください!) 

 「ほーら、ほらほら、どんどん、もっと、もっと、よくなりますよ!」
 気が遠くなる巧みな竿さばきだった。
 「あああっ!き、気持ちいい!気持ちいいッ!」

 「フフフッ、気持ちいいでしょう? わたしの指。たまらないでしょう? メイドのテコキは」
 どんな男も悦楽の声をあげ、快楽の桃源郷のなかで、永遠の迷い子となり果てる。

 「フフフ、どこが、ズクズクするのか存じておりますよ」
 再び、後ろのすぼまりを指がタップする。

 「その前に看護婦と何があったのか・・・」指は、スゥッ、と浅く挿入された。
 (あふ・・・)
 奥のスイッチも感じるが、焦らすように浅く挿入されるのも、今の浩一にはたまらなかった。
 腰をくねらせる浩一を嘲笑うように、ミサトは指の先を震わせ、振動で刺激した。
 「ア・ア・ア・ア」
 
 「看護婦が何を喋り、ぼっちゃまは何を知り得たのか、歌っていただきましょうかね」
 クチュ、後ろが淫らな音を漏らす。
 ズ、ズズッっと、指が深く侵入してくる。
(あふぅ・・・)

 ミサトの指先が、その悦楽のスイッチをさぐりあてた。
 「はぁぁあ!」射精とは異なる快楽に、ゾクリと悪寒が走る。

 「フフフ、実は、どうでもいいことですけど。言いなりになった証しに、言っていただきましょうか。聞いてあげますから。いちおうですけどね。ククク・・・」
 クチュ、クチュ、前も後ろも、淫らなリズムを奏でる。
 「おおおっ!おおおぉっ!」後頭部を熱い火柱が突き抜けてくる。

 「おたのしみは、そのあとで」テンポに合わせて、浩一は震え出す。
(あ・・・あ・・・)

「フフフ・・・」後ろをノックしてやると、前のほうを嬲る手の中で、浩一のシンボルは大きく反り返る。
 その竿を、何本も絡みついてきたミサトの指が、ねじるようにしごきあげる。
 「おおおっ!」ヌルヌルとぬめりながら、指が皮膚表面を滑る、それは、発狂させられそうな刺激だった。
 更に前後同時責めは、目の前が真っ白になる快感だった。
 「おおおっ!」

 「御自分がどこまで私のいいなりか、軽く教えて差し上げます、ホラホラ・・・」
 (イクッ、イクッ、イク、イク、イッチャウ、イ、イカセテッ!)
 ミサトは、シンボルをスポンと離しては、ねっとりと指を絡ませて嬲るのを繰り返した。
 (ひゃっああ!)

 「それからスッキリさせてさしあげましょうか。フフフッ、気を失うくらいに・・・」
 (イカセテッ!イカセテッ、イマスグッ!)

 「では。始めます」
 (イカセテッ!)浩一が勝手に爆ぜようとすると、指はスポンと愛撫を中断した。

 「あああぅ!」嘆きのうめきを漏らす浩一を、ミサトはやさしく肩をさすり、偽り慰めの言葉をかけてやる。
 「あらあら、苦しそうね?」髪の毛に指を絡めると、やさしく梳いてやる。
 「もうすぐ、もうすぐですから、後、もう少しのご辛抱ですよ?」

 「フフフ・・・」
 メイドは浩一の頭を抱え、髪の中に指を潜らせた。ミサトの指が髪をかき回すと、頭の中まで優しくもみほぐされているようだった。
 「ううぅ〜」どんなに苦しめられても、優しくされると、何をされても許せてしまう。ミサトのテクニックに
 犠牲者は翻弄される。
 
 「もう、この体は私のもの・・・」
 呪文のような言葉が、スーッ、と、なんの摩擦も起こさずに深いところに到達する。

 「あなたは、私のこの指で触れられただけで、ほら、これだけで・・・」
 ミサトの言葉通り、その鋭い爪の先が、浩一の胸の皮膚を切り開き、むき出しになった快感の琴線をかき鳴らすようにバラバラと刺激する。
 浩一の下腹部で、シンボルはビタビタと跳ねていた。

 「これだけで・・・」
 それだけだった。わずかな指先の刺激が、今の浩一にとって電気ショックのような快感の火花を散らす。

 「こんなに?」
 ぷっくりと水飴のような大粒の先走り汁が、メイドの指先によって鈴口から摘まれ、その指先でヌラヌラと転がされる。

 「ほら?ほら、ほ〜ら?」自分は、ミサトの手のひらで踊らされている、一枚の花びらのようだった。
 しかも、ミサトが手のひらで弄んだ花びらは、一枚どころではない。
 「どうして? フフフ、こんなになってますよ」

 「指一本でこんなに」ツツーッ、と、人差し指の爪が、竿をなぞりあげてゆく。
 気が狂いそうな、甘く苦しい刺激が根本から先端に向かって肉を切り裂いてゆく。
亀頭の先で、鈴口をカリカリと刺激されると、脚がブルブルと震えた。
 メイドの指先でかろうじて丸くなった水飴状の滴が、亀頭全体に引き延ばされてゆく

 「フフフ、恥ずかしい汁が?」それは、グングンと、指先と亀頭の間で、透明なアーチを伸ばしてゆく。
 「ほら、トロトロに流れ出してますよぼっちゃま?」

 「今日一日、お疲れでしょう?」浩一の傷を指で順番になぞってゆく。
 (アイに、こんなこと許したことを)

 「た〜っぷりと、ほぐしてさしあげませんとね」ミサトがリングのあとをつねりあげた。
 「あいいいっ!痛い!」止まっていた血がじんわりと、にじみ出す。
 (後悔させてあげる・・・)ミサトは浩一に嗅がせていた下着を手にしていた。


 「さ〜、たっぷりマッサージしてさしあげます」ミサトは、媚薬入りのローションを再度手にとった。
トロリと下着に垂らすと、それをよく揉んで指の間に含ませてゆく。

 「フフフ・・・・たっぷり・・・」
 ゆっくりと、指がからみつき、下着の感触でネチネチと、しごく上下運動を開始する。

 「この指で・・・」
 「アアアッ!」
 いきそうになる男根を強烈に締め上げ、寸止めを味わわせてやる。

 「しんぼうのない子・・・こうですよ?」ミサトはショーツをねじって、浩一の男根の根本を縛ってしまった。
 
 「フフフ・・・これなら、しばらくは辛抱できましょう? もっといいことしてあげましょうね〜?」 
 そう言ってミサトは、浩一の寝間着を無理矢理はいでゆく。
 「イカセテッ!」淫らなメイドの意地の悪さに、浩一は悶絶した。

 ミサトは汗をかき、髪の毛は額にはりつき、目はギラギラとどん欲に輝いていた。

 「あら、なんですの?」縛られたシンボルを解放しようと、浩一はむずがり、ミサトの手をはねのけようとした。

 「困りましたね〜、それでは両手足、縛ってしまいますよ?」ミサトの力は強い、が、それ以外に何かしていた。浩一は手首を掴まれると、力が入らなくなり、それ以上は逆らえなくなった。

 「よろしいんですか?」スーッとシンボルの先をくすぐられると、痺れるような快感に包まれる。

 「それとも縛られると聞いて、ぼっちゃまのアソコ、ぴく〜んってなりましたかしら?」ミサトの指がシンボルに絡みつくと、亀頭から全身に蕩けるような快感が全身に逆流してゆく。

 「フフフ、ようございますよ。どちらでも」浩一にはイクことしか頭になかった。自分のことなど、どうでもよかった。
 ミサトがイカせてくれるのが望みだった。

 「わたくし縛るのもお手の物ですから。旦那様もよく縛ってさしあげますのよ」あの父が縛られる、浩一にとっては、それだけで異常な光景だった。

 「それは、もう、たいそうお喜びになられて、フフフアッハハハ」自分もそうされたい、そしてイカされたい、そのほうがもっと気持ちいいに違いない。

 「 いいわ、ぼっちゃま、縛ってあげる」ミサトの鳶色の瞳は、浩一の潜在願望を見透かしていた。
 
 「フフッ、遠慮はご無用よ。さ?」
 ミサトはぐったりと抵抗できない浩一を裏返すと、両手を後ろで束ねた。

 「そのままよ」浩一は、じっとして従った。
 
 「ハイ、そ〜う、そ〜うそうそう、ぼっちゃまはそのまま。動かない」催眠術にかかったように、浩一は動かなくなった。

 「う・・・」ミサトのいいつけを守り、浩一は縛られる前から、両手を後ろに束ねたまま、ミサトを待った。
 ギュッと、紐が食い込むたび、痺れるような陶酔感に背後から包まれてゆく。

 「フフフ、いい子。この次は自分から縛ってくださいっていえるようになるのよ?」
 グゥ、と浩一は悦楽の呻きをあげた。ミサトは、ガチョウの頭を撫でるような手つきで、浩一のシンボルを撫でていた。

 「いいこと」ミサトは声を絡めるように、浩一に耳打ちするように、囁いた。

 「縛られる前からもう、ぼっちゃまはわたしのいいなり・・・」
 クルクルと手際よく浩一をしばりあげてゆく。
 縛りが完成に近づくにつれ、肉を分かつ縄の食い込み、関節を痛めつける締め付けがかえって犠牲者を甘い陶酔感に酔わせてゆく。 
 今の浩一には、全身をバラバラにされてもかまわない、ミサトにますます支配されている感覚の虜になっていた。

 「そうよね?」それは、蜘蛛が捕らえた獲物を糸巻き状態にしてゆくようだった。
 浩一は脚をたたまれ、あぐらをかいたように両膝を開いた状態で手は後ろでに縛られた。
 ミサトは縛るにしても、辱める格好に折りたたんで縛るのを好んだ。
 このほうが、縛られる側の崩壊も早い。

 起きあがることはおろか、逃げることもかなわない状態である。
 着ているものは、パジャマの上だけ、しかも、前は開かれ、かろうじて、袖に手が通っている状態である。
 下は全て抜き取られ、パックリと開いた股間からは、何も隠せるものがなく、ミサトに全てをさらしていた。
 ほのくらい照明の下だが、浩一の頬は赤面しているのだろう。熱のせいではなく、ミサトに辱められ高揚している。

 「これはオマケ・・・」ミサトは仕上げとばかり、集めてきた下着類を、一枚一枚幾重にも、浩一の顔にかぶせてゆく。
 顔を覆う下着の肌触り、幾重にも重ねられたミサトの臭いに包まれ、肉体はおろか、精神そのものも、逃れられないミサトの呪縛にかけられてしまう。
 それを証明するかのように、真っ赤に充血した男性自身は、下腹部にコバンザメのように張り付き、性奴に貶められた悲哀の滴を流していた。
 

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