こうして父もこのメイドにとりこまれてしまったのであろうか。
メイドは普通の女性とは遙かにかけ離れた、男を魅了する以上の力を備えていた。
男は、執拗に追い詰められ、焦らされたあげく、異常ともいえる状況でイカされる。
全てが解放される夢の世界で、淫魔か夢魔に犯されているような幻想的な体験。
今や浩一は、メイドから妖しげな魔法をかけられることに興奮を覚えていた。
浩一は、メイドの熟した臀部の奥深くに取り込まれる妄想に溺れていた。
「フゥゥ・・・」さらにハーブティの効き目が強まるにつれ、後頭部が熱くなり、その妄想が一層色濃くはっきりとしてきた。
浩一の目は潤み、真っ赤に充血していた。
頬は赤味がさし、口元はだらしなくよだれをこぼしていた。
メイドは、浩一の手から落ちそうになっているゴールドストライプのカップを受け取った。
カチャリ、と皿に戻されたカップの音に、浩一はピクンと反応した。
「今、頭の中はどんな風かしらね・・・」
ミサトは浩一の頭を、ゆっくりと揺らしてやる。
すると、浩一の頭の中の妄想は、ユラユラとかき消されてゆく。
「ウ〜ウウ・・・」
チャプチャプと、水の入った壺を揺らすようにしてやると、浩一は薄目になって身を任せていた。
「ほーら、ユ〜ラ、ユ〜ラ、フフフ・・・」ヒソヒソと囁やくような声だった。
浩一の聴覚にツーンとした圧迫感があり、今まで聞こえていた雑音が遠くなる。
かわってメイドの声だけが、一段と耳に響くようになった。
「失礼しまーす、フフフ・・・」しばし揺らしてやった後、両肩に手をのせ、首から肩、胸と愛撫してやる。
そして、スベスベとした女の指が、浩一の乳首を、軽くなぞる。
「痛っ・・・あ?、う・・・」
昨日の傷は、とろけるような、甘美な痛みを思い出させてくれる。
「ああ・・・」クスクスと忍び笑いが浩一の耳をくすぐる。
そっと手を離すと、浩一はうつろな目でミサトを見上げた。その目は完全に墜ちていた。
メイドはにんまりと唇を歪め、ほくそ笑んだ。
「ん〜〜〜?」ミサトは上から覆い被さるように浩一に顔を寄せると、唇を浩一の口に寄せ、息をかけた。
フゥゥッ、と甘い吐息が浩一の嗅覚と味覚を幻惑する。
「フ〜ン?い・か・が?ぼっちゃま?」一瞬、唇と唇が触れるが、ミサトはそこでとどまった。
「アゥアアァ・・・」浩一の両手が、咎められるのを恐れるように、おずおずとメイドの肩に触れようとした。
その手に力をこめようとしても、メイドの術中にある浩一は、できなかった。
ワナワナと震える両手が、宙で行き場を失っていた。
「なぁに?したいの?キス、し・た・い・の?フフフ・・・」ミサトは軽く唇を触れさせ、甘い声で囁いた。
今、蕩けるようなキスを与えても、浩一にはあまり意味がない。
舌でチロリと唇を舐めてやると、フッ、とイキを吹き込んでやった。
それだけで、浩一は、惚けた。
痴呆のように、うつろになった浩一に満足すると、にんまりと笑みを浮かべ、顔を離した。
浩一が自分の動きを目で追いやすいように、ゆっくりと、テーブルの向かいに移動した。
浩一の目は、ゆっくりと移動するメイドを、夢の中の出来事のように追いかけた。
「ぼっちゃま・・・」メイドは、昨日と同じように向かいに座った。
メイドは美しいクリスタルカットを施された水差しからグラスに水を注いだ。
浩一の目には、キラキラとまぶしい水差しからグラスに注がれる水が、ミサトが使うトロトロの媚薬に思えた。
それは、美しい指がそえられたグラスにゆっくりと注がれる。
浩一はメイドがグラスに水を注いでいる間、チョロチョロと、鳥がさえずるような音色にうっとりと聞き惚れ、その様に見とれていた。
メイドはグラスを両手に包むように持つと、縁を指先で弄びながら、妖しい眼差しを、グラス越しに投げかけてきた。
浩一には、昨日以上にミサトがまぶしく、神がかって見えた。
浩一は昨日の、ミサトがスパイスの入った容器を弄ぶ指使いを思い出していた。
そして、実際に浩一のシンボルを弄ぶかのごとく、何度も浩一の精気を搾り取った指使いを。
更に、テーブルの下での痴態も。
「何か思い出しました?」ミサトがニヤリと笑う。グラスを包む白い指が、クネクネと意味ありげに蠢く。
その様は、見ているだけで気が変になりそうだった。
浩一は昨日のテーブルの下で起こった痴態で頭がいっぱいになった。
グラスはミサトの手の中でキラキラと輝き、水はユラユラと揺らめいている。
そのゆらめきと、キラキラと光る光の反射、ミサトの指、目、唇が、心地よいハーモニーを奏でているようだった。
浩一が淫らな思いにとらわれている間、メイドはテーブルの下で上履きを脱ぐと、そっと椅子から腰をずらし、足を伸ばした。
浩一の下半身への悪戯が始まる。
「は!」ズボンの裾から、妖しい感覚が脛をなぞり、膝をくすぐる。
「フフフ、何の話だったかしら・・・」 テーブルの下を見たいが、ミサトから目をそらせなかった。
しかし、浩一には、テーブルの下で起こっていることをよくわかっていた。
そしてこれを期待していたのかもしれない。ミサトの脚がいたずらを始めたことに喜びを感じていたからだ。
「何の、話・・・どうでもいいですわね・・・(今は、それどころじゃありませんものね・・・)」
「ホラホラホラ」ミサトはつぶやくように魔法の呪文を唱えだした。
浩一をはじめ、ミサトの術中にはまった者を快楽の夢想世界に誘う、時には地獄に転落させる言葉だ。
クネクネとミサトの足の指は器用に動き、浩一の股間を嬲りだした。
「ホラホラホラ」小さな声でも、浩一には効果絶大だった。闇の中を蠢く見えない手に、かがりを奪われてゆくようだった。
足の先にクイクイと手招きされるように、浩一は椅子から腰がずり落ち、ミサトの足を求めて股間がテーブルの下に吸い込まれてゆく。
「ああぁ、み、ミサトさん・・・」浩一の目は、テーブルの下のミサトの脚と、テーブルの上を彷徨っていた。
「ところで、ぼっちゃま?、今日のご予定はおきまりでしょうか?」
きょ、今日は・・・
浩一はアイとここを離れるつもりだった。
昨晩、ミサトに白状させられたはずだが、今また、ミサトが質問する真意がつかめなかった。
ミサトのあやかしに意志がグラグラと定まらない。
考えるのも、答えるのも、この先どうするのかも、今、味わっている興奮の前には、後回しになった。
興奮が、理性を奪い、もう少し、もう少しだけこのまま、これが終わったら・・・と、男を優柔不断にさせる。
フラフラと目が彷徨う浩一にミサトがたたみかけた。
「なんでしたら、もう二、三日ゆっくりされたほうが・・・」
メイドは何食わぬ口調で話しながら、伸ばしたつま先は、テーブルの下で浩一の堅くなったシンボルの感触を楽しんでいた。
「アアッ・・・!」浩一の喉からゴロゴロとあえぎ声があがってくる。
「フフフ・・・よろしいんじゃありませんか」器用に指がシンボルを弄ぶ様は、数え切れないほどの犠牲者の数を物語っていたが、今、ここにいる浩一には関係のないことだった。浩一だけでなく、過去の男たちも、皆そのときは思いもよらない事実だった。
「たまらないみたいね・・・」ボウッとさせられる低い声だった。
ミサトは切なさそうに歪む浩一の額をじっとみすえていた。
その鳶色の目は瞳孔が開き、どす黒い闇が爛々としていた。
「看護婦さんとも仲良くなれたことですし、お祭りの本番も今日からですよ?」
「ね?」ミサトに上目遣いで促されると、浩一は何も考えられず、いいなりだった。
「はい・・・」もはや快楽のいいなり、になっていた。
「よかった!」ミサトは満面の笑みを浮かべていた。
股間に新しい刺激が加わった。分かっているが、見ずにはいられなかった。
もう片方の脚がテーブルの下で股間を嬲っていた。
「ああっ!」 浩一は、そのまま引きずり込まれるようにテーブルの下に尻餅をついた格好になった。 ミサトが嬌声を上げて笑った。
「ああっ!アアッ!ミサトさん!」両足を使われると、ミサトの引き締まった脚が下品な格好になり、そのスカートの奥があらわになる。
黒い、ピッタリと食い込んだ薄い下着が見え隠れしていた。
「ひっ!あああっ!」 太股にガーターベルトがあり、白い太股と異様なコントラストを表していた。
ミサトはスカートをチラリチラリとゆらして、浩一の視線も弄んでいた。
その扇情的な光景に、
「あうぅ!」浩一の全身は、テーブルの下に完全に沈んでいた。
「あ、ぼっちゃま!」浩一はゴツンと、頭を床にしたたか打ちながらも、メイドの脚の事だけしか感じなくなっていた。
「フフフ・・・大丈夫ですか?」テーブルのクロスをまくって、ミサトがクスクスと笑いながらのぞき込む。
浩一は、朦朧として、うなずくだけだった。
「フフフ・・・」 綺麗なストッキングのようなソックスに包まれた足が、べったりと浩一の股間に吸い付く。
ミサトの足の臭いが、女のフェロモンが、うっすらと立ちのぼったような気がした。。
きっと匂いがするに違いない。しないわけがない。 それは自分を快楽の地獄に堕としてくれる。
「なぁんでしょう? まさか嗅ごうとしている? 嗅ぎたいんですかぁ?」
ミサトは楽しそうにクスクスと笑いながら、「はい!どうぞ!」と、浩一が答えるのも待たず、その足を浩一の鼻に押しつけた。
快楽の地獄からきた悪魔のメイドが、享楽の笑い声をあげながら、その足で浩一を地獄にたたき落としてくれる。
ミサトが連れて行ってくれる世界なら、喜んで墜ちてゆく気分だった。
「い・か・が?」 クスクスと淫靡にあざ笑うミサトに、浩一は鼻を鳴らして応えた。
「アアッ!フガッ!ウブッ!」 浩一は、自身の端正な鼻が、メイドの足の裏でグイグイと踏みにじられるのもかまわず匂いを求めた。
ミサトの足の下で、浩一は豚のように、鼻を鳴らしていた。
「ぼっちゃま、良い感じよ・・・」そんな浩一を、ミサトは足の裏で鼻の軟骨が転がる感触で楽しんだ。
まだ若い浩一の鼻は格別の感触だった。 じんわりと、メイドの股間に甘い痺れが拡がる。
「匂い・・・わかります?」(ほ〜ら、これは、おまえを勃起させる匂いよ、よ〜っく嗅いで覚えておきなさい!)
「ハッ!ハッ!」 匂いがする。ミサトの足の匂い。ムッとむせるような雌の匂い。 浩一にとっては、興奮剤、惚れ薬、媚薬だった。
浩一は息をするのも忘れ匂いをむさぼった。
「フフフ・・・お口でも味わってみます?」ミサトは太ももからスルスルとストッキングをおろし、つま先からプツンと脱いだ。
ふわりと弧を描き、フワフワと浩一の顔を覆う。
「フフフ・・・さあ、召し上がれ」ミサトはそのまま、浩一の口にスルスルと押し込んでやった。
浩一はさして抵抗も見せず、ミサトのストッキングを受け入れた。
「ハッ、ハフッ」(たまらない!)、気が遠くなる。
甘酸っぱいが、恐ろしく淫らで罪深い匂いだ。
みずからを貶める淫らな行為が興奮を煽り、ミサトの足は、汗腺から分泌が活発になり、匂いは更に濃くなる。
「ハゥ、ハァッ、ウウウッ!」 浩一は悔しさと、まどろっこしさに唸った。
「まるで、ワンちゃんみたいね〜」 クスクスとメイドは笑いながら、浩一の股間を再び嬲りだした。
「ウウゥ!ウウウウゥゥッ!」 しっとりと吸い付いてくるつま先は柔らかく、浩一の憤りをほぐしてくる。
(直に、直に!)
心の叫びが届いたのか、股間をクネクネとまさぐっているミサトの指先が、ウェストのボタンをプツリと外した。
ファスナーをつま先で器用に下げると、つま先は中に進入してきた。
浩一は両手を使って、自分でもズボンをずりおろし、ミサトの足を受け入れやすいようにした。
手が震え、うまくズボンを脱げない。気も狂わんばかりのもどかしさに、浩一は犬のように唸った。
早く下着もとってしまいたかったが、ミサトの足のじゃまをしたくなかった。 ミサトの足は浩一のシミのできた下着をまさぐっている。 下着の上から、固く突きだしたシンボルを、足裏でほぐしている。
ピッタリと吸い付くようなメイドの柔らかい足の裏が、じわりじわりと、焦らすように、踏みつけてくる。
かと思えばつま先の爪が、メスのように、切っ先を走らせてくる。
汗が、背筋をはい上がってゆくような感覚だった。
ぼっちゃま?
「もう一度、御返事をきかせてくださいますか?」ゾクゾクと下半身に注がれる快楽に震えが止まらなかった。。
「はひっ!はひっ!はい!なんでもしますっ!」
ミサトはグラスに注いだ水をツッと、口に含んでほくそ笑んだ。
そう、イイ子ね・・・
「じゃ、もっと気持ちよくなりましょうね・・・」
ミサトは例の媚薬をコップの水に混ぜた。
それは、すぐに水をヌルヌルとさせ、淡いピンクに変色させた。
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