「だんだんわかってきたようですね〜」
股間をくねくねと踏みほぐすつま先に、浩一はゾクゾクした。
あ、あぁ・・・そ、そうだ。従えば従うほど快感は高まってゆく。ミサトの足によって。
「そうしなくちゃ・・・」ミサトの足に従っていればいいのだ。
(そうですとも・・・)ミサトはあやかしにかけてゆく。
「ぼっちゃま?」浩一は目を閉じていた。
「ぼっちゃまは・・・2,3日といわず、何日でもいてくださるんですよね?」
アイとの画策が脳裏をチラッとよぎるも、それは快楽の中にあって、かげろうのように揺らいでいた。
「あ、アァァ・・・」メイドのつま先は、猫をじゃらすように、浩一の分身を巧みに刺激してゆく。
「ここは、ぼっちゃまの実家ですから、当たり前。ですよね?」邪悪なメイドは、返事を促す間、主人の分身に物足りない刺激でおあずけを味わわせ、浩一の返答を望むままに引き出した。
「う・・・ん」トロトロと透明な液がシンボルから分泌される。
股間がジワジワと自らの粘液にまみれてゆく。
「よかった・・・」水を得た魚のようなミサトのつま先が、浩一の泣き所を捉え、いっそう優雅な動きで弄ぶ。
「アア・・・」 紊乱なメイドのつま先が主を調教する。
「本当に、よかった(フフフ)・・・」何も考えず、メイドの望むことをすれば、快楽が与えられる。
しかし、その逆は・・・今まで誰も考えたものはいない。
「ふ〜ん?(あらあら・・・・)」メイドは小さく声を漏らした。
下着の下で、浩一の堅くなったシンボルが、つま先をはじき返すように反発する。
それはつま先を引っかけると強く反発した。
「まぁ〜〜ビンビン・・・」じっと浩一に注がれるメイドの妖しい視線が、浩一自身を突き刺す。
自分が小さくされたような、いたたまれない羞恥心を感じると、いっそう反発は強くなる。
またテーブルの下でイカされる、浩一は昨日と同じ展開を予感した。
「ぼっちゃま・・・」 ミサトは夢の中にいるような甘い声で語りかける。
「こっちらを見て・・・ほら・・・」薄めを開けて見ると、ミサトの手が妖しくヒラヒラと空気をたぐる。暗いテーブルの下で白い蛾のように舞うミサトの手。
白い蛾は、ミサトの奥深い場所に浩一を誘うかのごとく、露わになったメイドの足の間を舞っていた。ミサトの足は、片方だけストッキングを脱いだ生々しい足とは対照的に、片方はガーターベルトを使い、妖しい質感を保っていた。
その光景は、地下世界のように、非日常からかけ離れていた。
まくりあげられたスカートの奥で、蛾が淫靡な闇の手先となって、卑猥に開いたメイドの足の間で、ヒラヒラと舞っている、浩一を更なる深みへと誘う為に。
その動きに、浩一は妖しい興奮を覚えた。
あの妖しげに蠢く手。 あの、くねくねと蠢く指が、自分に快楽をもたらしてくれる。
業深い快楽を紡ぎ出してくれる魔界の蜘蛛。
その手が黒い下着の中に潜り込み、匂いたつ股間を妖しげになぞり、浩一を挑発する。
暗がりに妖しく浮かび上がるミサトの股間は、いらっしゃい、とばかりに浩一を誘っていた。
うっとりと見とれていると、ミサトは甘い声色で問いかけた。
「手と足、どちら?」恍惚とさせられている時に限って、突然に選択を迫る。
「アァ?」浩一は何も考えられなかった。
「手、でしょうか?」淫靡なしずくをすくっていた指がヌラヌラと光る。
その指先は、オーラを放っているように見えた。
「アァァ・・・」全てを味わってみたい、浩一は父親と同じ軌跡をたどりつつあった。
ミサトもそれを承知していた。 親子ならやりやすい。
「それとも足?フフフ」ゆっくりと、股間を踏みつけてくる。
「ウゥゥ・・・」グニャリと、下半身が変形するような感覚にめまいすら感じた。
ミサトは声色を使い分けることによって、浩一を陶酔させたり、意識を覚醒させることを試していた。
ミサトは奴隷にした人間に、都合のいいときは、はっきりとした自我で考えさせ、そうでないときは、痴呆のように陶酔状態にして自分に従わせる。
声ひとつで意のままに操れるようになるまで、媚薬、快楽、苦痛、催眠、洗脳など、によって徹底的に調教する。
きっかけは、快楽。 非日常的な快楽に溺れさせる。
いったん嵌ればば、あとはじわじわと中毒に追い込んでゆく。
「このままでは、どちらも、中途半端なままですよ〜」足の裏全体で、寄せるように挟んで前後に動かした。
「ああっ、クッ!」早く、直接刺激されたい、そう焦れる浩一を、ミサトは弄んでいた。
(脚に出すのよ!脚にひれ伏しなさい!)ミサトは小さく低く早口に呟いた。
「苦しいだけ・・・」土踏まずにビクビクと浩一の脈動を感じた。
「(脚・・・ワタシノ脚・・・)」低く、小さい声でミサトは呟き続けた。
「苦しいだけでしょう?それだけでよろしいのですか?」
「(脚ニダシナサイ!)」
「アアゥ!」浩一は時折強くなる刺激に身もだえた。
「気持ちよくなりたいのでしょう?」ミサトは手は見せるだけにとどめ、足は直接刺激で焦らした。手は視覚だけの刺激にとどめ、足は感触も刺激した。
「足・・・」ゆっくりと、踏みつけてくる。
「手・・・」白いタップリと肥えた蛾のようにヒラヒラと踊る。
「ど・ち・ら?」ミサトはこの時点で、ほとんど確信していた。
「あ、足・・・・・・」浩一はミサトの足にそっと手を添えた。 浩一は選択した。
というよりも、ミサトの足によって足を選択させられた。
「フ、」ミサトは鼻で笑った。
思い通りだった。
狡猾なメイドは、浩一自身を足で責めなぶるつもりだった。
今、哀れな犠牲者が、足しか選択できなくなるように、仕向けたのだ。
手は夜のお楽しみよ・・・今はたっぷりと・・・
「そう・・・」冷たい、見下ろすような視線が、今の浩一には心地よかった。
「足、ですね〜、わかりました」その口調には明らかな蔑みが含まれていた。
既に、手よりも強烈なオーラを放つメイドの脚に、浩一の心は完全に蹂躙されていた。
「足でね〜、フフフ・・・」ミサトはつま先を下着の中に差し込んできた。
つま先が直接触れてくる。
「アフ・・・」たちまち陶酔が浩一の中で広がる。
「足で気持ちよくなるなんてヘンタイよ〜?困ったぼっちゃまね!」ミサトは歯をむき出して笑う。
「わたしの下着の匂いを嗅いだり!」メイドの蔑むような口調にゾクゾクした。
「それをはいて興奮したり!」さらにメイドは興奮をあらわにしている、浩一自身を乱暴に突いてやった。
「フ、痛みに勃起したり!」踏みつけにされても、浩一自身は堅いままだった。
「ああっ!」ジワジワと股間がジットリとしてくる。
「手でしごかれただけでは飽きたらず、今はこうやって足だけで!」浩一自身をしごくように足の拇趾と第2趾で挟みこする。。
「いっ、イクッ!」ドクン、と下半身に鼓動が響いた。
「ハイ?」しかし、ミサトは、寸前でほとばしりのスイッチをとりあげた。
「あっぁ〜〜〜!」ミサトはフフンと鼻で笑った。 浩一は悶絶した。その苦痛の声は喜びをはらんでいた。
浩一はもう、この感覚の虜だった。
「お金持ちってどうして、こう、ヘンタイが多いんでしょう?」浩一は下半身がグネグネと骨のない生き物になったような気がした。ミサトの足から恍惚の波動が広がり、肉が快感に波打っている。
「ああっ!あああっ!」 (お金持ちに限って墜ちやすいのよね〜)足の下で下半身を弄ばれる浩一を、ミサトは冷たい目で見下ろしていた。
「こ〜んなにカチンカチンになさってますが、もうすこし我慢なさっててくださいね? フフフ!」
ミサトのつま先は、アイによってつけられた傷に気を配りつつも、傷の痛みも上手に利用してやった。
親指と人差し指でズボンの生地をつまんだり踏みにじったりもした。
「アアッ!イ、イイ!」ミサトの足によって、腰がグネグネとほぐされてゆく。
多少は血がにじんでも、気にしない。今の浩一には快楽なのだ。
傷口に媚薬を擦り込んでやるのもいいだろう、ミサトにはそのほうが都合がよかった。
浩一の父にも、鞭の洗礼をくれてやった痕に媚薬を擦り込んでやると、その相乗効果は絶大だった。
口から摂取するよりも、直接患部に投与してやったほうが、刺激は強い。
同時に視覚、嗅覚も刺激しながら、言葉で嫐ってやれば、快楽も天井知らずに上がる。
テーブルの上には、既に、いつでも使える状態の媚薬の粘液が、グラスの中に満たされていた。
浩一はそのテーブルの下、でメイドの足下で身をよじって、快楽に溺れていた。
ミサトの足に蹂躙される快楽の虜となり果て、テーブルの上の媚薬の粘液がまだ使われていないことを知らない。
今はただ、ミサトの足によって、躰の中心から骨がなくなったように、グニャグニャにほぐされてゆく。
「昨日みたいなことをご希望でしたら、ぐずぐずせずにおっしゃってくださればねぇ〜」
ときおり、ブルブルと振動を与えると、浩一は声にならない呻きでのどを鳴らした。
「先にどうしてほしいかおっしゃってくだれば・・・」
何度も焦らされ、絶頂の寸前を味わわされる、快楽に溺れるような、背筋をゾクゾクとさせるあの感覚。
「ほら、もっとご奉仕させてくださいな!(快楽奉仕を、麻薬のような快楽責めを!たっぷり味わわせてあげる!)」
「ああっ!」メイドのつま先は下着の脇から袋を直接刺激してきた。
「あーら、いやだ、わたしの足まで! メイドのこんなところまでヌルヌルになっているわ! いやらしい、ぼっちゃま、本当にいやらしい!(もっと、ハマりなさい)」ストッキングの生地のザラザラした感触と、女の足の指による刺激に、浩一は限界寸前だった。
(イ、イキタイッ! ミサトさんっ、は、早くイカせてっ!)
「こぉんなになられて〜(こんな程度では、もう、物足りなくなってきたんでしょう? もっと?、もっと、いじめて欲しいんでしょう?)」股間全体を足の裏で踏み付けにされ、グルグルと刺激されると、頭の中が真っ白になった。
「い、イカせて・・・出したい!」焦らしに耐えられず本能が欲望を告げる。
ミサトは、浩一の先走りでヌルヌルと光沢を放つ、つま先で、浩一のシンボルを一回なぞりあ
げると、片ひじをついて、のぞき込んだ。
「いいですよ」メイドはあっさりと、承諾した。
「じゃ、裸になってもらえますか?」上からのぞき込むメイドは、ゾッとするような残酷な笑みを浮かべていた。
浩一は、たとえようもない、異色の感情を味わっていた。
「さ? 裸に・・・」メイドは浩一のシンボルを弄ぶのをやめ、足をひっこめてしまった。
「うん・・・」浩一は朦朧とした意識で素直に従った。下半身は皺だらけの衣服が絡まった状態だった。
「ん、」ミサトが浩一の背後に視線を投げる。
浩一はすぐに再開されることを期待したが、沈黙があった。
ミサトは浩一の後ろに向かって笑みを投げかけていた。
ミサトの視線の先を追って振り返ると、ぼんやりとした視界に、女が二人立っていた。
食堂の入り口に立つ、白ずくめの二人は、そろいのパンツに、Tシャツ、頭にハンチングキャップを目深にかぶり、腕を組んでいる。
一人は金髪、がっしりとした体躯で、両手で銀色のトレイを持っている。小柄なもう一人のほうは、スタンドライトのようなものを持ち、ニヤニヤと笑みを浮かべていた。
先ほど見かけた二人組なのかもしれない。
浩一は隠れるところもなく、気まずい沈黙を味わいながら、テーブルの下で動けなくなった。
看護婦につけられた傷跡は見られたくなかった。突然現れた二人を前に、ミサトの言いなりになるのはためらわれた。
「ぼっちゃま? 裸にって意味、わかっていただけてます?」冷めた声でミサトが告げた。
浩一は飼い主の顔を伺うように、テーブルの下からミサトを見上げていた。
突然現れた二人の前にあっても、浩一はミサトの言葉に従おうとしていた、ミサトは浩一の変化にほくそ笑んだ。
順調に進行している。
調教はずっと前から始まっているのだ。
「・・・・」どうにも居心地が悪くなった。急速に自制心がよみがえってくる。
「お召し物が皺だらけ、それに汚れますから・・・おわかりでしょ、ぼっちゃまのザーメンで・・・」 意地悪なメイドは、下品な言葉をわざと言い足した。
そのとき、女二人から失笑が聞こえたような気がした。
浩一は羞恥心に気が遠くなりそうだった。しかし、同時に頭の中に甘いうずきを覚えた。
「お気になさらないで〜、ただのハウスキーパーですから」クスクス笑いがはっきりと聞き取れた。
浩一はときおり理性が戻ってくるのが苦痛だった。
いっそのこと狂ってしまいたかった。
浩一は気づいていないが、媚薬を使った調教の効果は、知らず知らずのうちに、ミサトの微妙な声色の変化で精神状態を支配する。うっとりと陶酔させたり、理性を戻してやったりと、様々に心のチャンネルを操作できるようになる。
「なんにも見聞きしませんよ。彼女達は心得ていますから・・・」ミサトがニヤニヤしながら、浩一を慰める。
嘘に決まっている・・・浩一はぼんやりと思った。
ただのハウスキーパーなど嘘だ。
二人組からは、ミサトと同じ、邪悪な企みを感じた。
間違いなくミサト側の人間だ。ミサトや、アイと同じ・・・自分を悶え苦しませる手管に長けた女達・・・
そう思うと、なぜか異様な展開に興奮が高まってきた。
理性は再びしぼみ、かわって下半身はムラムラと血潮がみなぎってきていた。
ミサトが二人を、招き入れる。
二人はトレイを届けに来たのだ。ステンレスの四角いトレイには、化粧品のような洒落た瓶に入った例の媚薬、何かの入れ物、ハンカチのような布きれ、ポケットラジオのようなもの。
そして、卓上式のスタンドライト。赤い薄い布製の覆いがかぶせられている。
それは、初日の夜、ミサトの指に翻弄されたとき、部屋にあったものだ。
浩一は呆然と二人を見ていることしかできなかった。
テーブルの下で浩一は、脱いだ衣服をかき寄せて、正座するような格好で二人を下から見上げる格好となっていた。二人の女は、浩一をチラリと見下ろしたが、すぐに視線を前に戻し、用事を済ませにかかる。
浩一に会釈もなく、前を通り過ぎるとテーブルに置いた。
もう一人は窓にいくと、分厚いカーテンを閉じた。
ミサトがエアコンのリモコンを操作する。
二人はミサトに目配せすると、一人が部屋の照明を少し暗くした。
もう一人がテーブルにセットしたスタンドを灯すと、二人は部屋を出て行った。
部屋の空気が一変した。
「・・・」沈黙があり、メイドが冷めた口調で言葉を継いだ。
「裸に、と申し上げましたが・・・」
浩一が躊躇していたのは2,3秒ほどで、瞬きを繰り返していた。
そんなわずかな葛藤もミサトは見逃さない。
(後押しが必要・・・もっと・・・)ミサトは目を細めた。
(ここからが、楽しいんですけどね・・・・)ミサトは先ほどテーブルに届けられた、ポケットラジオを操作した。
それは、小型のメトロノームのような機械で、電子音を一定の間隔で発信した。
ポトン、ポトンと低い雑音のような音色で、しばらく聞いていると、気にならなくなりだした。と、同時にスタンドの照明もわずかに揺らぎだした。
何かの仕掛けで、ゆっくりと明るさが変化するのだ。
メイドは椅子に深く座り直すと、大きく足を組み替えた。
長い脚がスカートをひるがえしながら、交差する。
そして、甘い優しい声色で、語りかけた。
裸になって・・・テーブルの下ですよ・・・今から、わたしの犬になれたら、・・・・いくらでも、イカせてあげられるんですけどぉ・・・
浩一が、ピクリと反応した。
「いくらでも・・・ね?」ミサトは繰り返した。
「え・・・」メイドは、浩一が、もっとも望んでいることを口にした。
しかし、そのあとに続く、メイドの話に、浩一は苦渋の選択を味わわされることになった。
わたし、坊ちゃまのような、若くて、お金持ち、毛並みのいい若い男をペットとして、飼ってみたいんです。
言いなりになるように、しつけをして、芸を仕込んで、よくできたら、ご褒美。
いっぱい可愛がってあげたいんです。
もちろん、お遊びですよ。 今、ここだけの話ですけど。
すっごく気持ちいいんですよ、わたしの犬になると。
きっと喜んでいただけるかと。
だったら、聞いてくださいますよね。
浩一はなんの話か理解できなかった。
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