(!!!まだ下書き状態ですが、やむを得ず公開中です
屋敷の外で
ここ数ヶ月、大和泉家の様子をじっと注視している者がいた。
千堂邦彦。数年前までは、大手出版社の契約記者をしていたが、今は独立して活動している。
学生時代から続けている柔道で鍛え上げられた根性は、今、こうして暑さにも堪え、じわじわと、
目標を捕らえつつある。
スクープである。しかも、掘り起こせば、大事件の可能性もある。
不動産業界の裏で噂される人物の正体を突き止めただけでなく、その人物の弱みを掴んだ
もっと証拠が必要だ。
もっと、あの女どもの正体を突き止める必要がある。
スクープになれば、自分も立場があぶない。
確固たる証拠を抑えておかなくては、この件はむつかしい。
まずは、あのミサトと呼ばれる、風俗上がりの愛人だ。
そして、医者の谷川、看護婦も怪しい。
そして、あの奇妙な白づくめの奴ら。女のようだが、ミサトの仲間だろう。
千堂邦彦は早くからミサトのスタッフにも気づいていた。
それぞれが自分の役割を完璧にこなしているようだった。
それは、アクション映画で観た特殊部隊のようだった。
議論はなく、命令に従って動いていた。
あのメイドはただの愛人ではないな・・・
単なる財産目当てではない。そんなものは生ぬるい、もっと何かでかい事を企んでいる。
あの仲間どもの人数といい、手際の良さといい。
千堂は浩一の父、大和泉家の当主、菊次郎が、メイドの手によってみるかげもない、奴隷に墜ちてゆく様子をつぶさに見ていた。
その手慣れた調教ともとれる、プレイの様子も盗聴していた。
次々と資産を差し出させ、それを偽装して海外に流している。
どこに送っているのか。これをつきとめなくては。
また、あのメイドの過去がプッツリとつかめない。
どうやらあの医者も、ミサトに隷属しているようだが、ただの一般人だ。
弱みを握られて、今回の件も手伝わされているのだろう。
こいつと、あの若い看護婦をつついてみるか。
それにしても。
千堂は、股間に目をやった。
固いジーンズのパンツを突き上げるおのれの怒張に困惑した。
あの女、たまらねぇ良い躰してやがる。
たまらねぇ。
ボンヤリと妄想に我を忘れて、うかつに股間に指を這わせていた。
バカか、俺は。
だが、事件を晒す前にあの女とたっぷりと・・・・
そうだ、油断なく、楽しめばいい。
油断するから、心を許すから、嵌められるのだ。
俺は、他の変態どもとは、違う。
あの女がどんだけ良い具合をしていたとしても、俺は違う。
骨の髄までしゃぶりつくしてから、記事にすればいい。
俺くらいになると、それぐらいできる。
最後は、クールに冷徹に仕事をこなしてやる。
まずはあのメイドと夢のようなオマンコを味わってからだ。
さて、どう話しをもちかけるかだが・・・
まずは看護婦だ。
このとき千堂は気づいていなかった。
どうして、犠牲者が、罠に嵌ってゆくのか。
表面に見える手管をまったく甘くみていたのだ。
罠というのは、本質を見抜かれないように仕掛けられるということを。
本質を見抜かれては罠ではないのだ。
罠は、罠に嵌った者には、罠ではないのだ。
手段であり、目的は別のところにある。
戻る 進む2010年1月1日