転 男転がし
もう少し前に来て・・・
メイドは浩一を手招きする。
「手がいい? 脚?」
「て、手でしごいてください」
「じゃあ、お待ちになってください」
そう言ってメイドはデザートをつまむ。
「ああ、先にイカせて・・・」
「脚でご辛抱くださいな」
メイドは食べることが楽しくて仕方がない。
男を喰らうことも含めて。
「どお? こんなの初めてでしょう? 」勃起したシンボルを妖しく弄びながらメイドが囁く。
「・・・ハイ・・・」腰をもぞつかせながら浩一はじっと耐える。
「興奮してくるでしょう・・・」少し語尾を強めてくる。
「ア、アァ、こ、興奮します」テーブルの上から聞こえるメイドの声まで性感を刺激してくるようだ。気が遠くなるような陶酔感がわき上がる。
「・・・でしょう・・・」クスクスとメイドはうれしそうに笑う。
浩一は肩で息をしながら必死に正気を保とうとした。
「メイドの脚はいいでしょう? 」
艶をもたせた声が遠くから聞こえてくる。
「ハイ・・・ハァ、ハァ・・・」
「柔らかくて・・・」
今度は近い、どこからか聞こえてくる。
「ハイ、や、柔らかいです・・・ウッ」
「エッチで・・・」
遠近感がまったく感じられなくなっていく。
「エッチで、す・・・ウ、 」
「変態っぽいところが刺激的なんじゃな〜い? 」
もう、声がどこから聞こえてくるのかわからない。頭の中で声がしているような非現実的な感覚である。
脳みそをグラグラと揺すられている、そんな気がしていた。
「は、ハイ、へ、へん、変態で、す、ウゥ・・・」口にしたとたん、カッと全身が熱く疼く。
とてもいけないことをしているような罪悪感と、メイドに変態呼ばわりされる羞恥心が官能をますます、甘く、濃厚にしてゆく。
過剰な甘い倒錯感にさらに苦みをくわえた、苦みのある甘い味わいが浩一を魅了してやまない。
先程まで美しいと見とれていた脚が、今は自分の勃起した淫らなシンボルを、いやらしく弄んでいる。
白く、薄い膜のような鱗に覆われた、男を堕落させる蛇がチロチロと舌を覗かせながら、浩一を禁断の園へと誘ってゆく。
アダムとイブの話しでは、イブが蛇に誘惑されて、禁断の果実を食してしまうが、メイドに潜んでいる蛇は、アダムを挑発し、誘い、絡みついてとろけさせ、禁断の猥褻な行為の虜にしてしまう。今、浩一に絡みついているのはメイドの美脚。さながら、白い大蛇が、浩一を締め上げて、丸飲みにしようとしている。
フフフ、ぼっちゃま?
メイドの脚はいいでしょう?
・・・柔らかくて・・・
・・・エッチで・・・
・・・変態ッポイトコロガ刺激的ナンデショウ?
フフフ、フフフフ・・・・・・
この会話はいつかしたような気がした。
気のせいだろうか。そんなことを感じながら浩一は催眠術にかけられたように、無心に返事を繰り返していた。
まるで、官能の迷路に迷い込んだように、いつまでも同じ所をグルグルとまわっているような、精神の方向感覚の喪失。
長く回っていればそれだけ精神が犯されてゆく魔法の迷路。
メイドはさながら、魔女。迷路にはまった浩一を迷路の上から覗いて弄んでいるのだ。
甘い濃厚な蜜のような倒錯感がネットリと精神をとろけさせてゆくのだ。
美しいと見とれていた脚が今は男を堕落へと誘う。
倒錯の洗礼を与え、さらなる堕落へとさらってゆく。
美しい脚は邪悪な蛇の化身。
「もう少しですから・・・ 」
メイドは浩一を焦らすようにわざとゆっくり食事を続けた。
艶のある優しい声が聞こえるたびに、浩一の精神は目覚めたり、眠ったりと、浮き沈みを繰り返した。
沈んでいる間は何も考えていない。ただ、海中を漂うクラゲのように快楽の中を漂うだけである。
「もう満タンになってるみたい」フニャフニャになっている袋を足の甲に載せて優しく揺すってくる。
タプンタプンと頭の中の官能を揺さぶられているような刺激に浩一は熱い吐息を漏らす。
浩一の目の前には、メイドの長い脚と、それを覆うスカートから奧の暗がりが丸見えになっていた。
ナイロンに包まれた脚は、汗と香水の匂いをまき散らし、テーブルの下は、女の淫臭でムッと空気が重く感じられ、クラクラした。
メイドが脚を微妙に動かすたびに衣擦れの音が微かに鼓膜を愛撫し、スカートの奧からふいごで送られるように、メイドの匂いが鼻先を弄ぶ。
その香りの源は暗く、蒸れた闇で、三角の薄布がボンヤリと見える。もっと広く、明るいところなら、浩一が見ているストッキングが腿までしかないガーターストッキングであることが見て取れただろう。
浩一がストッキング越しに見ていると思っているパンティは、実は、ストッキングのように薄いことも。
両腕でこの太股に抱きついて、テーブルの下に引きずり込んでやりたい。押さえがたい欲望がこみ上げてくるが、両手はブルブルと震えるばかりで、鍵がかかったように動かない。
メイドのつま先は、ナイロンの肌触りを浩一の勃起したシンボルに、たっぷりとご馳走してやった。
(フフフ、ヌルヌルによだれ流して〜、そんなにおいしいの? たっぷり味わって、この味を覚えるのよ! )
亀頭の先からトロトロと噴き出している先走り汁がメイドのつま先にじっとりと染みこんでゆく。
ヌルヌルになったメイドのつま先の感触は、ザラリとした猫の舌がシンボルを舐めしゃぶっているような卑猥な感触だった。
「ここにきてから、マラがずっと堅いままなんじゃありませんか?」
罪なほど、柔らかいメイドの足の裏がしっとりと吸い付く。
つま先の指一本、一本が、巧みに性感帯に貼りついてくる。
浩一は手の指に固執しているが、足でサれる事にハマりつつあった。
本来自分たちに仕えるはずの身分の低いメイドに脚でいたぶられるのも、今までにない興奮を教えてくれる。
メイドは小さく切ったオレンジをつまみ始めた。
始めは唇を吸い付かせチューッと、汁を吸い、下品ともとれる音を聞かせてやる。
テーブルの下の浩一は、なんの音かと耳をすます。
何かに吸い付く、しゃぶるような音。
その音がやけに大きく鼓膜に感じられ、浩一のシンボルは一層激しく痙攣を繰り返し始めた。
音は股間を弄ぶ爪先の動きと同調し、自分の勃起したシンボルをしゃぶり尽くされているような幻惑を感じた。
聴覚が敏感にされ、メイドが舌がネットリと這う音さえ聞こえるような気がするのだ。
メイドが手でイカせてくれる前に気が狂ってしまうかもしれない。
メイドの爪先がシンボルに触れるたびに痙攣する。
キュン、と一回痙攣するたびに快感が強まり、亀頭の先からプツッと先走り汁が噴き出す。
プツッ、プツッ、と吹きこぼれてくる。
ああ、くそ!
メイドの美脚の支配によって、浩一の意志とは裏腹に、迸りのバルブが、ゆっくりと開かれてゆく。 じわりと。
先走り汁が流れ出してきている。
じわじわと垂れ始める・・・
「あ、あああ、」泣きの混じった哀れな声だった。
浩一の陰毛は自分の先走り汁を吸って海草のようにヌルヌルとヌメリを帯び、猥褻な水々しさをかもしだしていた。
そして、メイドは上から浩一を覗き込むと、目があったまま、唇をOの字に開いて皮の付いたオレンジを、そのままほおばってゆく。
黙々と子どもが飴玉をしゃぶるように口の中で舌を使って転がし、右の頬、左の頬へと、ポコポコと行き来させている。
その眼差しは涼しげで、浩一をあざ笑うかのごとく、うっすらと笑みを含んでいた。
「あ、み、ミサトさん、は、早く・・・」
「申し訳ないんですが、あとしばらくお待ちになってくださいな」
(何度も同じ事を言わせないでちょうだい、フフフ)
そう言いながらもメイドは巧みに脚で浩一の勃起を弄ぶ。