転 男転がし
オシオキ・・・なんと甘美な言葉だろう。
浩一はゾクゾクとしながら、ミサトの言葉を呪文のように何度も復唱した。
ミサトは浩一の首筋に息を吹きかけるように話しかけた。
「イスになってくださいます?」
「え? 」思わず、耳を疑うような言葉を首筋に感じた。
「フフッ、ジョークよ」ミサトは間髪入れず、付け足した。
「ハァ・・・ジョーク・・・」浩一はミサトが擦りつけてくる女体の感触にじりじりと悶えながら、溜息をついた。
そんな浩一を、あざ笑うようにミサトは茶化した。
「あら? なりたかったのかしら〜」そう言って浩一の顔を仰いでくる。
浩一は本心を見透かされたように、真っ赤になって黙っていた。
(なりたいみたいね〜 フフフッ)
(そんな顔して。いいわよ〜、メイドのイスにしてあ・げ・る)
体を離すとミサトは、浩一に向き直って、両腕を胸の上で組んで立った。
腕を組んで胸を張ると、ブラウスははち切れんばかりになり、ミサトのバストは、組んだ腕に載せたように、その量感を誇示した。
「ぼっちゃま、あのイスを、ここに持ってきてごらん?」
目を、浩一の座っていたイスに、投げかけて笑った。
浩一にイスを持ってこさせると、先程、ミサトが立っていた場所に置くように示した。
浩一は、そこに座らされた。
キッチンのシンクの前に、向かって座る浩一の怪訝な表情をよそに、ミサトはスタスタと、浩一の座るイスとシンクの間に割って入り、浩一の 正面、間近に立った。
上から蔑むような眼差しを降らせ、ニヤリとほくそ笑む。
そこにいなさい、と、声には出さず、唇の動きだけで、浩一に身振りで示すと、クルリと背中を向けた。
シンク内に残った、食器を手にすると、片づけを再開した。
あれ? あの、ミサトさん?・・・
浩一に肩すかしを喰らわせて、ミサトは黙って片づけを続ける。
シンクに立つメイドの、すぐ真後ろに、若い男がイスに座っている・・・股間を膨らましながら。
これ程近いと、ミサトが大きくなって、自分は、こびとにでもなったような威圧感があった。
ミサトの豊満なヒップが浩一の鼻先にあった。
前にかがめば、顔とヒップがくっつく距離だった。
ピッタリとヒップのラインに吸い付くサテンのスカートがとても艶めかしかった。そして、浩一の嗅覚を刺激する匂いが、プンプンと鼻先にまとわりついてくる。
「ミサトさん・・・・・・」なぜここに座らせたのか、確信の持てないまま、口を開こうとした浩一だが、ミサトが肩越しにニヤリと笑みを浮かべ、浩一に流し目を降らせている。
浩一の淫らな期待が膨らむよりも早く、ミサトは行動した。
両手をじりじりともたげた浩一が、欲望に従うよりも早かった。
「フフ・・・」ミサトが笑いながら、後ろ向きのまま、浩一の腰に跨ってきた。
指先で軽くスカートの裾をつまみ上げて、艶めかしいガーターストッキングを履いた太股が、丸いヒップが浩一に迫ってきた。
スカートが捲れ、大胆に脚を開いて跨ってくる。
スカートの中でこもっていた女の匂いが、浩一の周囲をあっという間に包み込んだ。
量感のあるゴムまりのような臀部が浩一の股間に重くのしかかる。
後ろ向きのまま、ミサトが脇に向かってつぶやいた。
「ぼっちゃま? 触っていいの? 」
ミサトの肘がピクッと反応する。
「あ、 」浩一がまた、手を使おうとしたのだ。
(まだまだ、しつけが必要ね)
ミサトは前を向いて、揚げ物に使った食器を片づけながら、器用に浩一を刺激してくる。
「フ〜 」ミサトが頭を仰け反らせ、大きく、長いため息を漏らした。
浩一には、甘い吐息に感じた。
後ろ姿しかわからないが、おそらくその表情はとろけるような淫らな笑みを浮かべていることだろう。
ミサトのブドウのようなヒップの弾力、その重量感。
美しい艶やかな髪、女そのものを語る背中。
半袖から覗く、食らいつきたくなるような二の腕。
美しい、が、下半身は、イスに座った若い男に跨り、脚を開いたカエルのように、あられもない姿をさらけ出している。
スカートの裾がずり上がり、豊満なヒップの端が見えそうだった。
背中から匂い立つ、女の色香に浩一はクンクンと、息を荒げて、陶酔した。
その媚薬のような香りが、唾液の分泌腺を刺激した。
浩一の口中にヌルヌルと唾液が溢れてくる。
舌が唾液にまとわりつかれ、もつれる。
喋ろうとすれば、こぼしてしまいそうだった。
豊満なヒップがどっしりと浩一の腰を押しつぶしてくる。
そのまま、臼を挽くように、腰をグリグリと擦りつける。
「あ、あぁ!」
かと、思えば、ズイッと、腰を持ち上げ、浩一の下腹を擦って、グラインドする。
「フフフ、ビンビンに堅くなって・・・」
上体をひねって、肩越しに浩一を見下ろしてくる。
片づけをしていた手を休めると、腕を後ろに回してきた。
手を自分のヒップに当てて、指を這わせる。
艶めかしく愛撫するように、自身のヒップを撫で回し、浩一を挑発する。
スカートの裾を、ゆっくりとまくり上げると、女の丸いヒップが丸出しになった。
「あ、」
「フフッ」
ガーターベルトをまとった、卵のような、白いツルツルの肌があ露わになった。
黒い、三角形のTバックショーツが、エロティックである。
パラ、とスカートの裾を離した。
指が浩一の堅い股間をズボン越しに撫でる。
浩一を肩越しに見つめたまま、指がジッパーをつまみ、ジジジ、
と降ろしてゆく。
ミサトが、中に指を差し入れ、ひとしきり、撫でてやると、浩一は細い声で喘いだ。
「あ、ハァァ!」
指が下着を割って滑り込んできた。
ゾクゾクとする暖かい、スベスベの指先がシンボルに触れてきた。
指先は、灼熱のシンボルに火傷しないよう、そっと、軽やかに形をなぞってゆく。
「あ、」
「どうして欲しい?」
腰をゆらゆらと揺すって、浩一を見下ろしてくる。
(はい、どうどう、調教しちゃうわよ? フフフ)
「あ、し、扱いて、」
「ぼちゃまは、本当、手が好きみたいね」
(飽きない子ね〜、まだ、足りないの? )
勃起したシンボルを引き出してやり、指を絡みつかせ、二、三回軽く扱いてやる。
そのまま腰を軽く浮かせ、自分の股間をくぐらせる。
引き抜くようにひっぱると、浩一のシンボルは、股間に挟まれた。
「あ、あぁぁぁ!」
そのまま、太股を閉じて、ゴシゴシと擦り上げあられる。
「これは、オシオキよ?」
(フフフ、効くでしょう? )
「あ、ハァァァ!」
そして、再び浩一の腰に深く座り直し、全体重を預けてきた。
ミサトの股間からにょっきりと、シンボルが突きだした。
淫蕩な女を発情させるに充分な、長さと、力強さを備えた男根が、今は単なるアンテナにすぎない。
魔性の快楽を受信するただのロッド。
男の煩悩を受信するアンテナ。