転 男転がし
「あ、あ、」
「聞いてるの? 上の空なのかしらぁ?」
もはや、肉体のたるみ、贅肉でしかない欲望の塊にミサトは、無情にも、力を加えた。
「あ! グ、グゥ!」
赤く炎症になりかかった部分には、刺激が強すぎた。
浩一は思わず、後ろに跳びずさり、壁にはりついた。
「たまらない? フフフ、じゃ、自分で触ってご覧なさいな」
ミサトは浩一に迫り、手首を掴んで無理矢理、触らせる。
「ほら? どう?」
「スベスベで、柔らかいじゃない?」抗おうとする、浩一の手首をミサトが強引に動かす。
「フフフ、」浩一の手に自分の手を重ね、股間を包み込むようにし、その上からもみし抱いた。
「・・・あ、」
ミサトの言うとおり、自分の股間なのに、メイドの肉びらに触れているような淫らな触り心地だった。
ミサトがグルグルと手首を回し、リズミカルにもみしだく。
「ク・・・」目眩にも似た疼きがこみ上げてきた。
全身の血液が、ここでかき回されているような感触だった。
「可愛い子・・・」
「どう?」
「メイドの下着の感触は?」
「スベスベで、気持ちいいでしょう?」ミサトが「スベスベ」と歌うように、艶のある声色で口にすると、一層、淫らな気分にさせられた。
「こんな肌触り今までなかったでしょう?」指先がとろけるような、魔性の手触りだった。
今、浩一の股間を嫐っているのは、自分の手である。
しかし、ミサトの言いなりになると、それさえ気にならない。
自分の手にミサトの手が取り憑いたような不思議な現象を体験していた。
「気持ちいい?」
「う、う・・・」
「殿方の下着と違って、スベスベしていて、たまらないでしょう?」
シンボルは柔らかいままである。
しかし、ミサトの言うとおりたまらない肌触りだった。
「この、滑らかな絹の、感触! 」
「たっぷり、絞っててあげたから、キチンと収まっているわ」
「とってもお似合いよ」
「まるで、妹にお下がりを譲った気分」
「メイドのお姉さまから、」
「妹分のぼっちゃまにお下がりのプレゼントよ」
妹・・・お下がり・・・頭が朦朧させられる。
「ミサトお姉さまからのアドバイス・・・」
ミサトは膝で浩一の股間を嫐り、ウットリと弛緩させながら、二本の指で耳をつまむと、いきなり下に引っぱった。
「あ、イィィィ、痛い!」
「フフフッ」
意地悪くひねりをまじえ、そのまま、浩一を無理矢理跪かせた。 すかさず、ミサトは浩一の股間に脚を差し入れ、今度は、すねを使って、股間を嫐ってやる。
そして、体を折って、浩一の耳にゾッとくるような息を吹き込み、内緒話を持ちかけるように低く囁いた。
「これを履いているときは、オッ起てたりするとはみだしちゃうからね」
「いつも柔らかいままにしておかなきゃ」
「小さいから、オッ起ててると、はみだしちゃうわよ」
「あ、それから、」
と、一端、言葉を切って、
「くれぐれも、お漏らししないようにね」
もう一度、言葉を句切って、
「おっ立ちそうになったり、お漏らししたいときはすぐに言うのよ? 」
「ミサトお姉さまが優しく処理してあげますからね? 」
下半身をさらし、跪いて、股間を裸のメイドに嫐られた姿で、浩一は目の前に覆い被さるようにして立つ、女の裸身に圧倒されていた。
浩一の目の前には、二つの丸い果実のような乳房がユラユラとなびいている。
更に、その先は、ツルツルに剃られた股間が迫っている。 潤いのある、肌に石鹸の香りが香しい。
「わかった? 」
見上げると、ミサトの髪が一束垂れ、その先が濡れて、浩一の頬を撫でた。その向こうにミサトの蠱惑の瞳が光る。
「お返事は? 」淫らな笑みで迫る。
「お返事は? お・へ・ん・じ?」魅入られたように見上げる浩一に、ミサトがすねの堅い部分で、グイグイと浩一の股間を突き上げてくる。
「アいっ!ハイ!わかっ!わかりましたっ!」
「よろしい、フフフ、」
ミサトはうれしそうに笑うと、浩一の頬にキスをした。
ときどき、ゾッとするほど、威圧してくるが、この表情の豊かさが男を翻弄してゆく。
ミサトは手際良く、制服を身につけると、表情まで変わってしまう。
浩一を淫らに責め嫐った口元は、軽く閉じられている。
少し微笑をたたえ、上品にすましている。
全てが演技であるかのように、スィッチの切り替えが早い。
怒っていたかと思うと、笑っている。男を震え上がらせたり、とろけさせて、意のままにする。
ミサトの常套手段である。