転 男転がし

 ハァハァと息を荒げ、浩一の父はミサトをじっと見つめた。
 抗えん! この女には抗えない!
 これがいないと、俺は・・・もう、生きていけない!

 ミサトの鳶色の瞳がみるみると、黒く染まってゆく。
 人外のネコ科の目のように、見ていると引き込まれる魔性の瞳だった。
 その目の奥から邪悪な小悪魔が心の中を覗き込んでくる。
 ミサトは浩一の父の目から、欲情の渇きを読みとると、唇の端を鋭くつり上げて微笑んだ。
 
 ジジジッ、と、ズボンのファスナーを弄んでいた指が、最後の悪戯を終えた。
 開いた窓から、忍び込むように、指が内側に滑り込む。
 焦らすように、ひどくゆっくりと、指が肉竿に絡みつく。
 幾本もの指がそれぞれ思うままにシンボルに巻き付き、締め付けを弱めたり、強めたりと、淫らに蠢く。
 「あ・・・」自分に逆らって欲望の高まりは、応答している。 まるで、ミサトの指に操られるように、ミサトの手の中で踊らされていた。
 「さぁ・・・おっしゃってくださいな。 どうして欲しいのか。 メイドにお願いしてくださいな」
 焦点の定まらない目を潤ませながら、浩一の父は小さな喘ぎを上げ始めていた。
 「さぁ・・・メイドが気持ちよくしてさしあげますわ」
 「あ、あぁ」ミサトの熱い指使いが情欲の炎となって、チロチロと浩一の父の欲望を炙り出してゆく。

 「タ、タノム・・・」 ミサトの魔力が、傲慢で屈服を好まない、この男に、ポツリ、と消え入りそうな言葉を呟かせた

 「フフッ、いつものアレ、ですね?」
 ミサトは下からゆっくりと立ち上がり、浩一の父の胸に顔を埋めた。 そのまま、重心を預け、浩一の父をベッドに座らせる。
 
 もう、この頃には、浩一の父は、完全にミサトの中毒にかかっていた。
 ミサトの魔性の快楽なしでは、何も手につかなかった。
 朝、昼、晩と、浩一の父は、ミサトを求めた。
 ミサトも、常に、浩一の父のそばを離れず、二人きりになれば、執拗に挑発的な行動をとって誘った。
 始めの頃こそ、従順で、優しかったミサトは、この頃から、浩一の父を巧みに嫐るようになってきた。

 「こうですか? フフフ、こうですよね」
 速く、強い刺激は絶対に与えてくれない。 ゆっくり、羽のような軽いタッチで、ゆっくりと男の欲情を弄んで焦らしに焦らす。
 男の泣き所は知り尽くしているくせに、わざと、おいしいポイントをとばし、すれすれの紙一重でその傍を執拗に刺激してくる。

 「旦那様は、これがお好きなんですよね?」
 ミサトが白々しく浩一の顔を覗き込んで、ニヤニヤしながら反応を伺っている。 何をどうされたいのか、言わせたいのだろう。
 男を歌わせたいのだ。 サビのきいた、悶絶のバラードを歌えと、促しているのだ。

 「これがよろしいんですよね」
 もっと、明確な刺激を欲して、浩一の父の腰が、ミサトの手に引き込まれてゆく。 思いのままに動く男の痴態に、ミサトはほくそ笑み、少しだけ望みを聞いてやる。
 「うう、そ、そう、もっと強く握ってくれ」

 「フフフ、はいはい、旦那様」子供をあやすように、優しい声色である。
 「はい、これでようございますか? 」ミサトは毎回、感じやすくなってゆく性感帯を、こってりとなぞり上げてやった。
 「ハ・ァ・ァ・ァ〜、いい、」浩一の父は、意のままに喘がされ、小刻みに震え出した。

 「フフフ、」ミサトは笑みを浮かべながら、唇をぺろりと舌なめずりした。 ピンクの舌先が、濡れた唇の間から、ヒラヒラと挑発するようにくねった。 焦点の定まらない、男の目に写った舌が、キラリと踊る。 欲望が唇から吹き出すようにあふれた。

 「や、ほ、本上、く、くわえてくれ!」
 ム、と、返事のかわりに、ミサトは浩一の父の怒張したシンボルを口に含んだ。
 「ふおぉぉ!」生暖かい、粘液に覆われた女の舌が、唾液の中を妖しく踊り出すと、浩一の父は、下半身を震わせ、周りをはばからない歓喜の声を漏らした。

 (だいぶ感じてきたようね。すっかりこちらのペースよ)
 
 さあ〜、ぼぉちぼちと、シメてやろうかしらね。
 ふふふ、たっぷりいじめてあげる・・・

 ミサトは、骨抜きにした男に、ずる賢い流し目をくれてやると、くわえ込んだシンボルを強く吸い上げた。
 「オオオ!」魂まで吸い上げられてゆくような快美感に、男が悶絶の声で嘶く。
 そのまま、舌を蠢かしながら、ゆっくりと口から抜き出してやる。
 ズルズルと卑猥な音とともに、太い肉の幹が引きずり出てくる。
 女の唇が作る、肉欲の出口からヌラヌラと光る肉の幹が出てくるのはたとえようもなく淫らな光景だった。 快感の湯気に包まれた熱い肉の棒は更に膨張した。
 ンパ!
 ミサトは浩一の父が、絶頂の近いことを感じ取ると、口中にくわえ込んだ怒張をはき出し、苛つかせるかのように、ゆっくりと焦らしにかかった。 舌の先を堅くとがらせて、怒張したシンボルの表面を掃くようになぞった。

 「ほ、本上! や、やめるな!」
 ミサトは片眉をつり上げ、とぼけるように小首を傾げた。
 浩一の父の目をじっと、のぞき込みながら、ゆっくりと、舌先でシンボルの血管をなぞってゆく。長い舌を出しながら、口の端をつり上げ微かに笑っている。

 「う、うう・・・」
 じりじりと、ミサトの堅い尖った舌先でシンボルをなぞられると、気が狂いそうな焦れったい快楽に、浩一の父は悶絶した。
 浩一の父が腰をせり上げると、ミサトはひょいと、シンボルに手を添え、押さえつけた。

 そして、浩一の父にニヤリと微笑みかけ、軽く開いた唇にそっとシンボルを含ませてゆく。カリの下で、唇を軽く締め付け、歯をかけてやると、シンボルは、苦しそうにヒクヒクと震えた。同時に、暖かい口中で、舌先が敏感な尿道に突き立てられ、穴をこじるように、刺激していた。

 「アグッ、そ、そう、それだ! いい!」
 シンボルを含んだまま、ミサトが目で笑った。尿道をせわしく突いてやると、熱いシンボルが、一回り膨張した。

 「ウォッ!」浩一の父は、顔をしかめてのけぞった。
 スゥっと、息を吸い込み、ミサトが一気に深くくわえ込んだ。
 股間が溶けてしまうような快美感に、浩一の父は、鳥肌を立てて悶えた。
 そのまま、舌を幹にぬらつかせ、ゆっくりと、抜き差しを始めると、自然と、浩一の父も腰を動かして従った。
 唾液でヌラヌラと光る幹をミサトの艶やかな唇が往復する。
 魔法の肉の輪がシンボルに填められ、ゆっくりと、根元から、先へと、往復している。だんだんとそのピッチが早くなり、浩一の父は、嗚咽ともつかない、声を漏らして絶頂に達しつつあった。
 「い、いく! 本上、出すぞ!」

 浩一の父が腰をこわばらせ、射精を迎える瞬間、ミサトは竿に絡めた指先に力を込め、ピタリと口の愛撫を中止した。

 「本上!」思わず、浩一の父は、地団駄を踏んだ。

 パッと、口から真っ赤に怒張したシンボルをはき出すと、ミサトは意地悪な流し目をくれながら、舌全体で唾液をたっぷりと竿にまぶすように、ねぶった。指でゆっくりと扱きながら、包皮小帯をペロリ、ペロリと舐めてやる。快感は絶頂寸前で平行線を描いて延々と続く。片方の手で会陰部から袋にかけ、くすぐるように指先を滑らせ、片方の手は、竿を根元から先にかけて魔法をかけるように愛撫する。 滑りがいいように、唾液をたっぷりと注ぎながらの、シンボルを溶かすようなテクニックだった。
ミサトは狡猾な笑みを浮かべていた。

 「もう、イカれるんですか? 」クスクスと笑いながら、ミサトはシンボルを焦らしている。

 

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メイド 魔性の快楽地獄