転 男転がし
シンボルの持ち主は息があがり、苦しそうに口元をゆがめ、何度もミサトに頷いてみせた。
「もう少し楽しんでからにされては? 」ミサトが立ち上がり、浩一の父を正面から見据えてくる。 両手首を浩一の父の肩に乗せ、小首を傾げて微笑した。
(まだよ、まだ早いわ)
「じ、焦らすな。 早くしてくれ!」
「焦らす? とんでもありませんわ」ピクッと、ミサトの耳が動く。 意地悪に口をつり上げて笑う時は、耳も動く。
「こ〜やって、たっぷり堪能していただきたいだけですが」
ミサトはニヤニヤとしながら、禁断症状に苦しむジャンキーの眼前に餌をぶらさげるように、性感を煽ってやった。
親子ほど年の離れた女の手管に翻弄されているのだが、どう抗っても、喘ぎが押さえられない。
「イキたくなったら、いつでもどうぞ」喘ぎをよそに、ミサトは独り言のように、呟いた。
ミサトにはシンボルの奥で、煮えたぎる迸りの吹き上がる前兆が手にとるように分かっていた。 奥から吹き上がりそうなる寸前を、巧みなさじ加減で維持している。
「そ、そうやって、焦らして、ハァ!いるでは、ないか!」
「焦らしておりません、旦那様がだんだん強い刺激でないと、感じなくなっているのでは? 」
「ムムム」目を堅く閉じて浩一の父は、ベッドの上で、のけぞったり腰をひねろうとして、なんとか、いこうとしているが、そんな思惑を、ミサトには全てお見通しだった。 ひょいと、余裕で一線を阻んでやる。
(フフフ、苦しそうね、そうよ、おまえは、感じやすくなったけど、だんだん強い刺激がないとイカない体になってきているのよ)
「フフフッ」ミサトがベッドに腰掛けさせた浩一の父の太股に、大胆に跨ってきた。 乱暴にシャツの前を開くと、そのまま下に引き下げた。広げられた襟口が腕を拘束し、アンダーシャツをまくりあげると、胸に舌を這わす。 そのまま上体を密着させると、浩一の父は、ベッドに押し倒されてしまった。 ミサトの顔が迫り、艶やかな唇で濃厚なキスを仕掛けられると、もう、何がなんだか分からなくなる。 舌を下品に使い、顔全体を舐め尽くすようなキスだった。 ミサトが両手をついて体を起こし、乱れた髪を払いもせずに見下ろしてきた。 それは魔女のような妖しい面立ちで、黒目がちになった瞳がじっと見据えてくる。
ずらされたシャツが拘束着のように、両腕の自由を奪っている。
ミサトの豊満なバストをつかもうとするが、やりにくい。
触ろうとすると、ミサトは余裕の笑みを浮かべながら、肘で払った。 ミサトにがっちりと上に乗られ、体を起こそうと力を振り絞るが、ミサトが巧みに性感帯を嫐り、力を吸い取られるような快感で悶絶させられ、それも叶わない。
息が届く程に覆い被され、ミサトが低い声で淫らな行為を言葉にすると、組み伏せられた男は呆けた目をして快楽に身もだえした。
(特に頭の中も刺激してやらないと、イケない変態にしてやっているのよ)
二人きりになると、ミサトはだんだんと想像もつかなかった本性を現しだし、癒すにはほど遠い、拷問のような責めを繰り出すようになった。
誰もじゃまの入らなくなったこの館で、浩一の父は、ミサトに集中的に責め嫐られるようになったのだ。朝、昼、晩とその責めは欠かされことなく、毎日続いた。
午前の日差しの緩い中、薄暗い寝室でこの館の主人は、メイドによって、抗えない快楽責めを受けている。
履かされたばかりのズボンは足下に下げられ、シャツは胸より下までずらされ、乳首には女の口紅がベットリと染みついていた。
シャツの襟口が肩から腕にずらされ、両手を動かせなくされていた。 部屋の中はミサトの匂いと、雄と雌の淫らな淫臭がいっぱいにふくれあがり、息がつまるほどであった。
二人の関係は、この頃から、愛人関係ではなくなった。
ミサトによる、浩一の父の調教が始まったのだ。
ベッドに横たえられた浩一の父は、服を着せられて寝室を出ないうちから、もう、脱がされつつあった。
まるで、着せ替え人形にされたように、ミサトの気まぐれで服を着せられたり、脱がされたりと、意のままの扱われようである。
浩一の父は、この部屋で自由を奪われ、魔性の女から快楽というのは名ばかりの拷問を受けて変わってゆく。