転 男転がし

 (ご褒美よ、いつもよりもっとよがらせてやるわ)
 (まずは、もっとトロけてもらいませんとね! )
 薄暗い寝室は例の香の香りでむせかえっており、その効能は雄と雌を異常に高ぶらせる。
 女は雄を嫐りものにすることに、忘我し興奮している。
 男の方は欲情し、嫐られる隆辱の快楽に溺れていた。

 女性上位の体勢で、ミサトがシンボルを持ち替えながら、グルッと、体の向きを変えた。 浩一の父に背中を向けて肩越しに見下ろしてくる。
 「ほぉら、」すぐさま、肉棒に軽い扱きをお見舞いする。
 「アヒ。 」ミサトが打てば、響くような従順な反応である。

 「フンン? これくらいで? フフ、旦那様ったら、すっかり性感の虜ね、ん?  」
 ミサトの言葉にある通り、浩一の父はもう、ミサトの虜だった。

 日常でも、表面では自分の意志を保っているつもりであっても、全てミサトの手拍子のままに踊らされている。 今、溺れている快楽も大半は自分が感じているのではなく、ミサトによって感じさせられているのだ。
 指使いだけではない。 ミサトの声、仕草、匂い、言葉によって精神そのものが快楽で犯されてきている。 精神そのもので感じるようにし向けられている。 じわじわと、ミサトの暗示が浩一の父をグルグルと巻き取り、強力な洗脳でがんじがらめにしてゆく。
 自分の感覚そのものも奪われ、どう感じるか、感受性も全て支配されてゆく。 失神するような激しい痛みも、狂おしい快楽だと甘い言葉にくるんで与えられれば、その通りに悶絶するのだろう。
 SMでは、これを「調教」と呼んでいる。
 自由自在に相手の精神を操って、自分の好みに染め上げることができる。 手管に長けた者は、どんな猛獣も番犬のように飼い慣らしてしまう。

 分泌物で滑らかに滑る指先が、膨張した肉棒をシャフトを磨き上げるように上下に扱きだす。その手つきは刀を鞘から抜いては戻す動作と似通っていた。

 「ああ、ホンジョ、ホンジョ〜」
 「ほら、ほら、もっと、もぉ〜っと、気持ち良くしてあげる」
 反対の手は、爪の先が、袋からその奥を這い回り、時折、軽く引っ掻く。 ミサトが本格的な責めにかかると、浩一の父は激しく身をくねらせ始めた。
 「アッ、アッ、アァッ、アアァ〜」

 「フフフ、感じているのね〜 旦那様ったら。 どこがそんなにいいの? ね? どこがよろしいの? 」背中を向けているのでどんな表情で訪ねているのかは、分からない。
 今日はすんなりとはイカせてもらえない、そんな予感が確信に変わった。
 

 「おうっ、」
 下半身が時折見せる強い快感に反射的にくねる。

 ミサトが前屈みになり、腰をくねらせながら、豊満なヒップを浩一の父の顔面に向けて擦りあげてきた。
 「う、う、」

 「聞きたいわぁ、お聞かせくださいな? 」黒いサテン地のスカートを張り裂けそうにしながら、二つの丸い肉の丘が迫り、その彼方から甘い声が投げかけられる。
 
 プンと嗅覚をとろけさせるようなミサトの匂いが強くなった。
 下半身にミサトの髪の毛がサラリと触れる。
 「フフフ、くすぐったい? 」
 
 「じ、焦らすな、」

 「フ〜〜ン」(まだそんな口がきけるのね・・・)
 ミサトが体をのけぞらすと、黒いメイド服に包まれた、女の背中が浩一の父の顔面にそそり立った。

 「さぁ、さぁ、さぁ、旦那様〜? 」豊満な臀部が更に迫る、浩一の父の顎を押し上げながら、ミサトがスカートの裾を指でつまんでパタパタと扇いでいる。
 ミサトがクィッとスカートの裾を鼻に被せてきた。 
 「フブ!」

 「フフフ!」
 香水の匂いに混じった、ミサトの女の臭いが感じられた。

 「どこが、気持ちいいの? 」
 スカートの裾に顔半分を覆われ、ミサトの匂いを思わず胸一杯に吸い込んだ。 何でも答えよう、そんな気分にさせる匂いだった。

 「チンポが、チンポが・・・いい! 」

 「フフッ」ミサトが鼻で笑った。
 ヒップをズルリと浩一の父の顔に擦りつけてきた。
 「ふぶ!」女の肉ビラを覆う、小さな黒い絹の下着のあて布が鼻を塞ぐ。 興奮した女の活動的な性臭が鼻を貫き、脳髄に突き刺さってくる。
 
 下半身からミサトの指が淫らな快感を流し込む。 同時に頭の先から、ミサトの匂いと柔らかいヒップの圧迫に呼吸を支配される。
 上下を支配する快楽の波紋に、身をよじれば、よじるほど、被服が体にくいこみ、ミサトの脚もきつく締めつける。
 全身から快楽が噴き出しそうな気分であった。 

 「チンポはわかっているわ 」(ムググググ・・・)
 「チンポのどこ? 」(ど、どこだと? ふざけおって!)遠く霞みだした意識の中で浩一の父はむかっ腹を立てた。

 「ね?」
 ミサトが腰を少しだけ浮かせて喋らせてやる。

 「ほ、本上! 早くイカせろ! 」発狂寸前の焦らしに苛立ちと怒りが爆発した。

 「ハイ?」 ズシ、とミサトは口を塞いだ。
 「うぐ!」息継ぎの暇を奪われてしまった。
 (ウググググ・・・・・・)思わず口を出た暴言に、浩一の父は深く後悔させられた。 責め殺されるかもしれない。 この女なら本当にやりかねない。 両脇ににピッタリとそろえられた手を、バタバタとシーツに打って、許しを乞う。

 「フンン? タップ?」スッと腰を加減してやる
 「ブワッハァァ〜! い、イイ、イィィ、いいかげんにしないか!
て、手当に納得したんじゃないのか! あ? あ!ハブ! ムグウゥゥウ 」 ミサトはユサユサと腰をゆすりながら、腰に手を当て胸を張って振り返る。

 「あ〜らぁ? イカせてあげるのよ! 」涙でゆがんだ視界に悪魔のようなミサトの笑みが見える。上から見下ろしてくるその眼差しは心を射抜くほど強烈に突き刺さる。

 「イカセテもらう時は、そんなお口は、きけないはず・デ・ス・ガ?」一句ずつ言葉を切りながら、そのテンポに合わせて下半身を強く刺激した。
 (ア、ア、ア、ア、し、死ム・・・)

 「イカせてくださーい、じゃないの? ねぇ? フッフッフッ 」
 圧迫されながら、必死で頭を立てに振る、ミサトがビクッと、顎をのけぞらせ、官能の喘ぎを漏らし、腰を浮かしてくれた。

 「ドヮッハァ〜! ハァッ! キッ、気が狂いそうだ! 」
 振り返ったミサトがウットリとした目で、唇を小さく動かして次ぎの言葉を促す。乱れて顔半分にかかる髪が悩ましい。

 「逝かせて・ムぶッ!」言葉の途中でミサトがニンマリと笑みを浮かべながら、再び圧迫してきた。
 浩一の父の鼻先が女の敏感な性感帯に当たるように腰を振っている。 浩一の父の顔面を擦るショーツのあて布が熱く、湿りを帯びてきた。

 「わからないわ〜、具体的に指示していただかないとぉ・・・ 」
 とんだ性悪女のような投げやりな口調で突き放しながら、ミサトも感じ始めていた。 目が霞がかったように潤み、トロンととろけた表情を見せ始めていた。
 腰を臼を挽くように回し、くねらせると、尻の下に感じる男のプライドが粉々に挽かれてゆくようで、やめられなかった。
 浩一の父の顔は女の滴でドロドロにされ始めていた。

 

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メイド 魔性の快楽地獄