転 男転がし


 「ねぇ、イッテくださいな! どこを、ど〜して・欲・し・い・の・か?」 言葉を句切りながら、これ以上ない程膨張した肉棒をゆっくりと嫐る。

 「ああああ、扱いてくれ! もっと激しく! 」

 浩一の父を組み敷いたミサトは、女の股間に顔を埋めて喘ぎを漏らす男の有様をウットリと見下しながら、ゆっくり、ゆっくりと肉棒を扱いてやる。ときどき柁をとるようにグルグルとかき混ぜるように回したり、ヒップを臼を挽くように回して男の顔を嫐る。
 熱い女の肉汁が浩一の父の顔面をヌルヌルに汚していた。
 股間の一番敏感なスポットを男の鼻に擦りつけてやると、加虐な征服感と肉体的な快楽が同時に満たされる。
 程々にしておかないと、相手は文字通り昇天と相成る。 程々にしておきたいのだが、ミサトにとってはやめられない楽しみであり、危険な段階のギリギリまで味わう誘惑には逆らえなかった。
 溺れる者をいたぶりながら、得られる悦楽ほど甘い蜜はない。ミサトの大好物である。

 「ホラホラ〜」歌うように声を上げ、ミサトの腰が臼を挽くように、回る。
 呼吸を止められ、耳鳴りがしてきた。
 頭の中がガンガンし、胸の中で悪魔が足踏みしているような音が響く。胸の中一杯に満たされたミサトの臭いが、行き場を失い、官能のエッセンスとなって、血液に溶けだし、内臓を侵してゆく。
 心臓が張り裂けそうだった。
 暴れるが、ミサトの体勢はがっちりと男の体を両腕ごと締め付け、両脚はずらされたズボンが足首に絡まる上、いつのまにかベルトを締められている。

 メイド姿の女に組み敷かれ、浩一の父は、芋虫のように、体をくねらせて悶えるだけだった。
 股間で押さえつけた獲物の感触を、ミサトは時々、ウットリと目を閉じて味わった。
 もがけば、もがくほど狂おしい快楽が全身に行き渡り、歓喜の合唱が脳内に大音響で響き渡る。 このまま昇天させられる気がしてきた。
 (墜ちるのはまだよ!)パンとミサトの足が浩一の頭をはたいた。

 「ぶわぁっ、ハァ!」気を失う寸前でミサトはヒップを浮かせた。
 溺れる水難者のように、浩一の父は顎をのけぞらせ、ハァハァと喘ぐ。
 「イッテください、メイドにどこを、どう! されたいのか! 具体的に! 」溺れる者を突き放すような仕打ちに興奮し、思わず声を荒げる。

 「ホンジョ! 何だこれはっ、ハ〜〜ン! ブワッ!」少しだけイキを許し、すぐ塞いでやる。助けを乞うべきであった。

 たまらない、とばかりミサトの口はだらしなく開き、舌にたっぷりと溢れる唾液を感じた。 自分に溺れる男をさらに溺れさせ、苦しめるのは最高の気分だった。 こうやって、全て我がの意志で快楽を支配するのはミサトの生きがいである。 子宮全体が熱く疼き、力が抜けるような解放感に酔いしれそうになる。
 子宮がこの男の精液を欲しているが、これはセックスではない。
 今からこの男を更に快楽の地獄にたたき落とすときなのだ。

 ミサトは半眼のうつろな目で天井を仰ぎ、快楽に自制を失わないよう、呼吸を整えにかかる。
 下半身に拡がる女のサガに必死に耐え、快楽に溺れないよう、胸の中で印を九つ結んで唱えた。
 すぐに、ミサトの表情に変化が表れ、口元に理性が戻ってきた。
 何人もの獲物を確実に墜としてこれたのも、体力と精神力の鍛錬のたまものである。 ときには、媚薬を口移しで獲物に与えることもある、が、自分が毒されてしまっては元も子もない。 獲物を休ませずに責め続けるのは尋常でない体力と集中力を要する。
 もともとの資質にくわえ、ミサトは鍛錬に余念がない。
 特に相手を翻弄する強い精神力はさまざまな訓練を独学で修めた。
  
 どんな淫らな状況に及んでも、自制を保ってこられたのも、この修練の成果あってのことである。

 「ほら、ほら、早くイッチャッテください」強い刺激を送りながら、ミサトは威勢よくまくし立てる。
 「ホンジョッ、ホンジョッ・・・」熱にうなされるように顔をゆがめ、弱々しく訴えている。

 フフン、とミサトは鼻で笑い、再びヒップでその鼻を押しつぶすそぶりを見せてやった。

 浩一の父は、ビクッと顎をのけぞらせ、逃れようともがく。
 「い、言うっから! 約束も守る、い、言うからやめてくだたい!」誰も聞いたことのない泣きそうな声で訴え出た。

 「フ、そうよ、イッテごらん!」厳格な口調で迫る。

 「アアア、そ、そこを、」目をむきながらミサトの指を求める。
 「そこ? フフン? どこですか? そこってどこですか? 旦那様? ねぇ? どこ?」 あざ笑うように問いつめてやる。

 「ここ? ここはなんと言うんですか? おっしゃってください」
亀頭の裏、皮膚の弛みを爪の先でつねりながら、問いただす。
 ミサトの背中で見えないが、指の感触を必死に感じながら、ここ、と問われる箇所を口にした。

 「う、うらす、時!」裏返った声で叫んだ。

 「裏筋でしょう! ここがどうしたんです? 」正解、とばかりに、ピンと爪で弾いてやる。
 「アフッ」

 「この裏筋をどうされたいの? 」
 「お、親指で、」どうなるのか分からないが、親指が頭に浮かんだ。

 「親指、で、ですか? 」間違ったか、ミサトの口調に不安になった。

 「親指で、こうですか? フフッ、それとも、こ〜ぉ〜〜・・・・・・」
 言葉通り敏感なツボを、傷口に塩を擦り込むように刺激してやる。

 「・・・んな風にですか? 」
 「ひえ、そ、それ〜、それです〜〜〜うぅ 」バタバタとシャツで拘束された腕を動かして悶える。

 「これがいいんですか? 」ネットリとした淫らな音が規則正しいリズムを刻みだした。

 金魚のようだった。
 浩一の父は口をパクパクと開いて頷くだけである。
 「これだけで、イケるんですか? 」顔をしかめ、頷きながら、必死に最後の瞬間に備える。
 「本当に?」
 テンポがどんどん落ちてゆく。
 「はぁぁ、はぁはぁぁ」
 「フフフ」テンポが即興のような思いつきのリズムに変わった。 ぐっと、腰を突き上げ、なんとか最後の瞬間に近づこうとするが、ミサトにはお見通しである。 封じ手を打たれた。 クイッと小動物の首を絞めるように、指が肉棒を締め上げた。
 「グ・・・」
 「こんなに、ヌルヌルになってるのに、」手を伸ばし、悶絶する浩一の父の鼻面に指先をなすりつけ、猥褻な香り嗅がせてやる。おまけだとばかり、粘り気たっぷりの卑猥な音を聞かされる。

 「コレはまだまだ満足していないようよ?」不規則なリズムでクチュ、クチュ、と扱く音を聞かせてやる。 
 「ああぁぁ〜、やめるな〜〜〜〜むごいぃ〜」

 「イケない子ねぇ〜」
 唾をトロ、と天辺に狙いをすましてタラしてやり、クッチュ、クッチュ、クッチュ・・・・・・・と更に大きい音を立てて扱く。  
 一回、一回、恥ずかしいほど大きな音を立てて、ゆっくりと扱いてくる。それは、根っこから抜き取られるような刺激だった。

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メイド 魔性の快楽地獄