転 男転がし
「どう? イケそう?」肩越しに振り返ると、クックッ、と歯を見せて笑う。
「し、扱いて!」クィッ、クィッと亀頭のカリの部分に指を巻き付けひねってやる。
「あああっ!」
小動物の首をひねっているような手つきだった。
「至極? フフフ、何を? 」
少しだけもったいぶった扱きを食らわせると、浩一の父は喘ぐように歌った。
「は〜、は、激しく、しご、扱いて、くれ! 」
「ナ〜ニぉお? 」振り返らず、性悪な笑い声が聞き返した。
「お、おれの、チンポ! 竿! ペニス! ん〜〜、マラ! 本上〜〜」速くしたり、遅くしたり、まるで生殺しを楽しんでいるような指使いであった。テンポに合わせて、浩一の父は喘いだ。
「フフフ、扱いてますよ、さっきからずっと扱いてるじゃありませんか」
両手を使って手の平に包み込んで、そっと扱いてやる。
「ああっ!」
「旦那様の、あっつっ、うぅ〜〜いチンポ、扱いてあげているでしょう?」今度はスポスポと、亀頭の先だけを指でつまんで、軽く扱いている。ミサトのヒップが目の前でくねり、熱い股間が迫る。
「ヒェ!激しく!」顔を背け、腰を必死に突き出すが、ミサトの手は無情にも、軽くかすらせるような刺激しか与えてくれない。
「トロけて?」クスクスと笑いながら、ミサトがヒップを擦りつけてきた。
むぶっ! ドロドロに濡れたミサトの股間が鼻先にトントンと当たる。息がつまりそうな強烈な匂いに目眩を感じた。涙腺が緩み、鼻水、唾液の分泌腺が刺激され、ダラダラと溢れてくる。
「気持ちいいでしょ? 狂いたくなるでしょ?」
「ブッ、や、約束らろう! ムブッ! う・・・」舌がもつれてきたところへ口を塞がれた。
ミサトはニコニコと上機嫌で、乗馬を楽しむように、腰を揺らした。 浩一の父は、女の股間の下で溺れるように喘いでいた。
「ウップ! ウォップ! た、助け・て・ブッ!」
「裏筋はもういいの? さっきから何をおっしゃっているのか分からないわ」裏筋を親指の腹でソフトに擦ってやる。こんな状況でこの刺激は、図らずもイッテしまいやすいので、片方の手で根元をきつく握り、封じ手をかけながら行った。
ムグググゥ・・・
「旦那様!」ミサトが腰を浮かしてやる。
「ブワッ、ハァ〜、な、へ、なで焦らす!」女の股間の間で青息吐息で訴える。
「初めからキチンとおっしゃらないと、イケないわね〜 」
「ハァ〜ハァ〜・・・」こんなに焦らされたことは今までなかった。
淫靡な悶絶地獄のなかで、浩一の父は必死に正気を保とうとした。なにか企んでいる。 企んでいるぞこの小悪魔は! 何を望んでいるのか・・・まさか俺を殺すつもりでは、くそっ、ああ?
「うぶ!」
ミサトが口元をヒップで押しつぶしてしまった。
スカートの裾を直し、顔全体を覆われた。
真っ暗で頭の中がピンクに染まり、酸欠で危機を認識できない。 思考力は、砂の城が波にさらわれてゆくように、崩れてゆく。ざらざらと快楽の波が浸食してゆく。
ああ・・・い、息が・・・
ミサトは先程からイケナイとか、イケナイ子と繰り返すが、自分に言っているのか、ミサトの手の中にある肉棒をさしているのか分からなくなってきた。頭が混沌とし、なぜこんなに苦しんでいるのかさえ、理解できない。 いつか手当の値上げの話しがあったが、何か気に障ったのだろうか。 分からない。
手足の感覚が軽くなってきた。風が吹いたら舞い上がりそうな感触で、異次元の世界に浮遊しているようでもある。
少し苦しいが、それがいい。
幻想的な色彩が視界一面に拡がる世界を、果てしない空に向かって風船のように、どんどん上昇していくような気持ちよさがある。
もっと気持ちよくなりそうな予感がしてきた。
ミサトがもっと気持ちよくしてくれそうな気がする。
ただ、ミサトになんとかイカセテもらいたい、浩一の父の頭の中にはそれだけがグルグルと堂々巡りを始めた。
イカされたい、その望みだけがミサトの責めによって、拍車をかけられたようにグルグルと回り出した。
下半身からゾク、ゾクと、大きな快感の波が打ち寄せてきた。 流される! そう感じた浩一の父は、あっという間に、快楽の波にさらわれた。 岸から離され、どんどん沖に向かって流されてゆく。
「はぁぁ〜」
無我の快楽の大海原へと流され始めた。
ミサトの声が天上から響く。
「ほら、ほら、キチンとおっしゃって! 」
震えが来た。 悦楽の震えが止まらない。
ひえ、ひえ、ひえ、
ミサトの声に、浩一の父はブルブルと震えながら悶えている。
白目をむいて失神寸前のところで、浩一の父に呼吸を解放してやった。
「ブワッハァ!、ハァ〜、ハァ〜・・・」
「ほら? 」
「ヒャッ」
「言わされたいのかしら? 」コチョコチョと人差し指が乳首を弾く。
「イっていただきますから。 言ったら、フフッ、楽になりますよ・・・ 」
ミサトの指は堅くしこりのある突起を爪先でカリカリとくすぐった。ツンツンとつついてやると、それは、取ってくれ、と言わんばかりに勃起した。
「ほ〜ら」乳頭を二本の指につままれ、引っ張られる。 その刺激に、肉棒は激しく叱咤されたように、仰け反った。
ちぎれんばかりの痛みが下半身の快感に拍車をかけた。
火に油を注ぐような刺激でだった。 痛みが快楽に甘さを添え、次の瞬間、亀頭の先から白い迸りがプツリと吹き出した。
「あぐっ、」と、浩一の父の視界が白く曇る。
(あっと!)
「スト〜ップ、」冷たい声でミサトが水をさした。
「プッ、プゥ〜、ウフフ、アッハハハ」ミサトは肉棒に絡めた指先に力を込め、そこから先をカットした。
ポト、と白い滴が亀頭をつたいミサトの指に紛れた。
「む! ぐぅぅ〜!」絞り出すような悶絶の声に、ミサトがユサユサと肩を揺らして高笑いをした。
「ハァ、可笑しい・・・も〜ぅ、早く言っていただかないとぉ・・・」
ヘラヘラとあざ笑いながら、ミサトが振り返った。
頬を赤らめ、歯を見せて笑うその顔は、ゾクゾクさせる妖艶さをたたえていた。
「フフフッ、さ、聞かせて? 」ギリギリと指で堅く締め上げる。
絶対イカせない、つもりのようだ。
暴れるシンボルを指で締め上げながら、片方の手は、クイクイと乳首を引っ張ってやると、甘美な苦しみは、まっすぐな平行線を描いた。 指でシーツをクシャクシャにかきむしって、浩一の父は悶絶していた。
「さ? 言わないとイケませんよ」ミサトの綺麗な爪は袋にきつく食い込んだ。
「さぁ? どうせ、言いたくなるんですから・・・」
キュッと爪を突き立て、袋の中身をグリグリと嫐った。
「アヒィ、ゆ、ゆでて、ゆ、ゆびで、指で堅くなった激しくチンポ、扱いてくだだい!」
「はぁ? 何ですって? 」
「誰でもいいの? 誰が扱くの? 自分で扱きます? 」
「ホンジョッ!」
「旦那様、もう終わりにしますか? お昼になってしまいます。せっかく気持ちよくしてさしあげているのに・・・」
「ふぉっ、フォンジョ、ホンジョ! た、頼むから! 」
腰を持ち上げかけたミサトのスカートに思わず噛みついた。
「あら、イケナイワンちゃんね、お行儀の悪い子はこうよ」
顔全体をドッシリと押しつぶした。
「グムム・・・」
「も〜うじゃあ、、扱いてあげるわ! 激しくっておっしゃいましたっけ? ほ〜らどう? どう? ほらほら! これでいいですか?」いかにも、しょうがないのでやってやる、とばかりに投げやりに扱きだした。
ゴシゴシとモップを扱うように乱暴に力一杯扱きだした。
敏感に開拓された股間には強すぎた。
「い、いや!違ふ、そじゃない!や、やえろ!」
別人のような容赦のない乱暴な扱きに、浩一の父は怯えた。
「あら、よくないの? お望みだったんでしょ? 違った? 激しく扱いてあげているわ、ほら、ほら、いいんでしょ? 」
折れる! そう恐怖しても、股間の逸物は膨張したままである。
折れる! 海綿体は血管が詰まったように、堅く張りつめている。
「旦那様、気持ちよさそう・・・」
「ぶぐぐ〜」突然、ミサトの言葉に、痛みが快感に転化した。
「い、いぐ!」ドッと絶頂が沸き上がる。
が、パッ、とミサトの扱きが静止した。
「アラ?いいの? これでいいの? もっと気持ちよくイキたいんじゃなくって?」
「あっ、イキだぐありません!」
ミサトが手の動きを再開した。今度は先ほどより優しく扱く。
すると、あっという間に絶頂がこみ上げてきた。
「でもイキそうよ? あっ、あっ、イク、イッちゃいそうヨ!」
ミサトの手の動きがいっそう滑らかに素早く上下する。
「止める? 止めて欲しい? どっち? イク? イクの? どっち? 旦那様?」ミサトが選択を迫る。
「あぉお〜、お願ひしまふ! イギたくあでぃばせんん!」
しかし、ミサトの指使いはいよいよ加速してゆく。
「好きにすれば? 」ミサトがピタリと動きを止めた。
「へ?」
「我慢すればいいでしょう?」言い終わらないうちに、再び扱きだした。
「ング!、ング! フン!フッ、あ、アァァ〜!」
弄ばれているとは考えも及ばず、浩一の父は、はかない抵抗を続けた。
「フッフ〜ン、いつまで我慢できるかしらネェ〜っと」
皮膚がヒリヒリするような痛みと快楽に絶頂が迫る。
心の快楽が伴わない。
これではミサトの快楽とはいえない。
心が歓喜に溢れるような快楽と同時にイッテこそ、ミサトが与えてくれる快楽なのだ。これは違う。
「あぁぁ〜!ああ〜、み、ミヒャト! ミサト、頼む!」
断末魔の悲鳴にも近い声で嘆願した。
「ミサト? 呼び捨てにするのかしら? お願いするのに、呼び捨てにするのかしら? お願いするときに呼び捨てでいいの? 」
浩一の父の訴えにミサトは冷たかった。
「ねぇ?」不満気に問いただす。
「あ、あなたに!」可能性に賭けた。
「私は誰?」ミサトが腰に手を置き、愛撫を止めてしまった。
「ほ、ホンジョ〜〜頼むぅ〜〜〜」どうやら光明が差してきた。
ミサトは、クルリと体を反回転すると、浩一の父に正面から対座した。 ミサトは小さくタメイキを漏らし、子供に諭すような口調で助け船を出してやることにした。
「ミ・サ・ト、ミサト、それに、お姉さま、でしょう? 」
ミサトの助け船に感激の涙を見せながら、浩一の父はミサトの望む言葉を口にした。
「み、ミサトお姉さまの指で、指で、指で扱いてください」
「フッフ〜ン、私にどんなふうに、扱かれたいの? 」
「んん?」子供に問いただすような声だった。
ミサトが上から、魅了するような眼差しで見下ろしてくる。
ゾクリと不安がこみ上げた。
先程もこの展開から悶絶させられたような気がする。
「どんなふうに?」ミサトが唾を手の平に受ける。その手を、そっと肉の棒にかざしてやった。手のひらでまんべんなく潤滑をよくしてやり、指が一本づつ絡みついてきた。
スローからアップテンポへと、ゆっくりと滑らかに扱きだした。
亀頭を指が巧みに滑るように、つるつるに磨き上げていく。
「やさ〜しく、いやらしく、しなやかに・・・フフッ、こんな感じ?」
ミサトの導くような言葉に不安が歓喜にかわった。
「あああああ、そうです!、そのまま、扱いてください! 」
「ハハ〜〜ン? こう? こうね? ん? 」
「あああああ、そうです! 」
わかる、ミサトの望む言葉がわかる。 浩一の父は感動した。
「い、いやらしくしなやかなミサトお姉様の指で、おえの、熱いチンポ、かったいチンポ、マラを、め、めちゃくちゃに気持ちよく扱いてください! 」
素では顔から火が出そうな恥ずかしい言葉が雪崩のように、溢れる。
「それから?」
「く、くっさいちんぽ! 」
「ドスケベチンポは?」
「です!」ミサトの眉の動きに気づいたときは遅かった。
ギリギリギリッ、とミサトが肉棒をねじる。
「ぎゃあぁ!、ど、どすげべじんぼ! どすけべじんぽもおながいじまずぅ」
「そぉ〜〜〜う、よ〜〜くわかったわ。めちゃくちゃに気持ちよくされるのがいいのね。いいわ! お望み通りにしてあげる! 」
「壊れるほど滅茶苦茶に気持ちよくイカせてあげる!」
「死ぬ程たっぷり気持ちよくしてあげるから、一滴残らず出すといいわ」