転 男転がし

 「ほら、ワンちゃんになるのよ」
 深い谷間を何度もすくい上げるように撫でさすられると、そのしなやかな指使いを求めて、魔法をかけらたように腰がせりあがり、部屋の奥にある大きな姿見に、淫らな指使いに飢えた、恥知らずな痴態が写っていた。

 「うっかりしてましたわ、ここもお好きでしたよね?」
 浩一の父はミサトの意図を知り、モゾモゾと腰をくねらせた。
 「ハッフ、ほ、ホンジョ、 も、もういい、十分だ! 充分だぁ〜!」

 哀れな喘ぎ声を漏らし、浩一の父はミサトの指から逃れようとするが、力が抜け、肉体はミサトの指使いを渇望しているので、思うままにならない。 心と体がバラバラだった。 加えて、絡まった服が輪をかけ、ミサトの思うままにしかならない状態に陥っていた。

 シーツを汚した迸りが冷たく腕に感じられた。

 「も、もう、起きないと・・・き、着替えを・・・」のろのろと体を起こそうとしている浩一の父をミサトは手でやんわりと押さえつけた。
  
 「まぁ〜、遠慮なさって〜、今は私達二人だけじゃありませんか〜」
 すぼまりは柔らかくほぐれ、ヒクヒクと痙攣している。
 いつもは指の第一関節を軽く突き立てる程度であったが、今日のミサトは、ゴムサックを装着して、ローションを手にしていた。

 「今、とっても気分がいいの。 フフフッ、旦那様がお手当を倍にしてくれたからよ。 この気持ちをお返しさせていただかないと、気が済みませんわ〜」

 「こ、き、気持ちはうへひいが、も、もう・・・」
 トロリとそれを手に取り、辞退しようとする浩一の父をよそに、ヌルヌルとヌメリを指先になじませる。

 「フフフン・・・」色香を漂わせた流し目を、チラリとくれる。

 「ほ、ホンジョッ」
 「気遣いは無用、よ。フフフッ」
 グィッと腰を引き寄せると、片手は手のひらで尻全体を撫で回し、もう片方の手が、人差し指で、クルクルと渦巻きを描きながら、窄まりの周りをなぞりながら、柔らかくほぐしてゆく。
 「ひぁ・・・」指先がトントン、トントン、と、窄まりをノックする。

 「フフッ・・・」そっと、爪の先を少しずつ押し込んでやる。
 「ウ・・・」
 一拍で、指がツルリとすぼまりを広げ、押し入ってきた。
 冷たくてしなやかなミサトの指が、ヌルリと体内に入り込んできた。

 
 「ああっ」

 「ンッフフフッ、ユルユルにほぐれちゃって・・・」
 今回は深い、第二関節まではいっているのではないだろうか。
 いつになく深い。 不安を伴う異物の侵入を、拒もうと反射的に括約筋は収縮を試みる、が、ミサトは心得たとばかり、反対の手の爪の先で、巧みに袋から会陰部をくすぐり、それを阻止する。

 ミサトが爪の先で、股ぐらをカリカリとくすぐってやると、抵抗がゆるむ。 括約筋がうっとりと弛緩したその合間を狙って、更に侵入を図るように指が突き進む。 一気に奥を突くのではなく、お得意の焦らしの呼吸で、じっくりとジワジワ侵攻してゆく。 綱引きのように、窄まりの収縮に対して巧みなフェイントを仕掛け、抜いたり、挿したりと緩急織り交ぜ、緩んだ隙を確実に突いてくる。

 「あぐ!や、やめ・・・」
 トトッ、小刻みに抜き差しを喰らわせると、窄まりが降参とばかりに、穿った。

 「アハァン!」抵抗もむなしく、女のようなか細い喘ぎを漏らして、後ろの門が、ミサトの指の侵攻に屈した。

 クチュ・・・後ろからなんとも聞くに堪えない音が漏れる。
 フフン、とミサトから鼻で笑う息が漏れた。

チュッ、と指が引き抜かれる。後ろの門は開いたままになっている。

 「開いたわね・・・パックリよ、旦那様?」
 フゥッ!とミサトが息吹きを吹き込んだ。
 「ハァッ!」
 
 ブチュッ、と恥ずかしくて失神したくなるような音が聞こえた。
 ミサトが指を再び突き刺してきたのだ。
 「うあ、うあ、止め・・・」妖しい指のくねりがジワジワと食い込んでくると、窄まりは、痴態を穿ちながら、その甘い悦楽に酔った。

 「やめないわ。 ンフフ、今度は更に気持ちよくしてあげますからね」 ミサトがピシャリと遮った。

 ズズッと、ひねりがかけられて、引き抜かれてゆく。
 「あ・・・」クッ、と動きが静止した。

 プチュ・・・何度聞いても耳を覆いたくなるような音だった。 快感に酔う暇もなく再び進んでくる。 一進一退をゆっくりと繰り返しながら、ジワジワと指は突き進んでゆく。 細く、しなやかな、女の白い指が、抵抗を放棄した肉筒の内側へとツルツルと滑るように呑み込まれてゆく。

 「だらしなく開いちゃってぇ・・・」
 さざ波がうち寄せてくるような一進一退の快楽のリズムに、むき出しの精神が浸食されてゆく。 
 トッ、トッ、トトト、と、またもや、小刻みな抜き差しを喰らわされる。

 「ハァァアアアア〜」
 素っ頓狂なソプラノで壮年の男は歌った。

 「ほら、どうなさったのかしら? 締まりがなくなっちゃったわよ〜? どんどん入ってくわよ? 旦那様? ほら? 」
 ボゾッ、ボソッと少し乱暴に抜き差しを送ってやる。

 「アァァ〜〜ン!アッアッ、オオ〜」

 「まぁ〜、旦那様ったら、ガバガバで、指が全部入りそうよ〜」

 「フフフ、深ぁ〜く、」気が遠くなるほどジリジリと焦らしながら、指が突き進んでくる。
 「ハガガ・・・」
 
 「フフッ、浅ぁ〜〜〜〜く・・・ 」さざ波が砂浜をさらうように、スルスルと指が引き抜かれてゆく。
 「オ〜〜〜ォォ・・・」

 「深く・・・浅く、深く、浅く、フカクアサク! どう? 旦那様? もう、私の思いのままってところかしら?  」猫が一心にミルクを舌で掬っているような、品のない淫らな空気の振動が鼓膜に響く。
 「イイイ、キモヒイィィ〜〜」

 「ンフフ、そぉうでしょ〜、いいでしょ〜?」

 「ここには男が壊れちゃうくらい気持ちい〜い性感帯があるのよ。
 ここを味わったら、はまるわよ〜」

 「オ、オ、オ、オォ〜」

 「はまったら最後ね〜、病みつきよぉ、病みつきぃ。 男はみぃんな癖になるからぁ、 ここはね〜、癖になるほど気持ちいいのよ〜」
 ミサトのテクニックは初めて出会った頃より、日増しに上達し、与えられる快楽も強く、永くなってくる。 そう思っているのは浩一の父で、ミサト自身は特に上達したからだとは、考えていない。
 浩一の父が、以前にも増して、ミサトの指になじんできたのだ。
 ミサトが責めれば責めるほど、狂おしく淫らな快楽になじんでゆくのだ。

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メイド 魔性の快楽地獄