転 男転がし
ゴロッとベッドの上で転がすと、浩一の父は手は後ろで、脚は足首を縛られ、完璧ながんじがらめの惨めな格好になっていた。
後ろと前を責めやすくする為、膝は開かせておいた。
「あら、恥ずかしい、女に縛れて、こんなに興奮されて・・・」
ミサトは浩一の父を横向けに寝かせ、自分もその背後に添い寝してやるように寝そべった。
浩一の父は衣服をほとんど剥かれ、手首と足首を縛られている。
ミサトがここまでに脱いだものといえば、制服の上にかけていたエプロン。 厳密には、ナイロンのストッキング、シルクの黒いショーツ、仕事用の上履き、生足とはいえ、スカートの下がノーショーツだとは見るまでわからない。
浩一の父の背後にひんやりとしたサテンの制服の感触と、ミサトの生足がすり寄る暖かい体温が感じられた。 女のすねがネットリと、男の尻の狭間を擦り上げてくる。
膝が股間に割ってはいると、静かに突き上げてきた。
「フンン?」ズシッと重みの効いた突き上げである。
「ハグッ、ンッ」痛みはなく、股間の芯にまで響く振動だった。
痛みを感じるのは、突き上げられるたび、ビクビクと痙攣する肉棒と、きつく縛られて動きに不自由している関節の方であった。
肉棒を包むショーツが、ミサトの膝に合わせて、キュッ、キュッ、と食い込んできた。
「フッ!」ミサトが鼻を鳴らしながら、柔らかい会陰部を膝頭で突き上げてくる。
「ウッ!」ズン、ズンと、重い鈍器のような膝が股間に揺さぶりをかけてくる。
「ハァ〜・・・」突き上げられるたび、脚の付け根からスーッと何かが抜けたようにくすぐったくなった。 意志に関係なくだらしなく股が開いてしまう。
「フフ〜ン・・・」ミサトは鼻先でハミングした。
興奮した女の淫臭が強くなっている。
自分の顔も、シーツも枕も、周りにあるもの全てに、ミサトの匂いが感じられた。 息をするたび、ミサトの空気に染まってゆくような錯覚さえ覚えた。 匂いはミサトを拒もうとする全てをほぐしてしまう魔力を備えているかのようだった。 脚は力が伝わらず、ブルブルと震えている。
「はぁぁ・・・」
背後から股の間に、ミサトが腕をくぐらせると、更に膝を開かされる。 浩一の父は、がに股の無様な格好にくわえ、ミサトのショーツにちまき状に縛られた肉棒を握られてしまった。
「縛られているのに、興奮しているのね・・・」
ミサトが背後から首筋に唇を滑らせて囁く。
下半身にまとわりついている指が優しく表面をなぞるたび、ジンジンと痛みと甘い疼きが拡がる。
「ンンン・・・・・・」
「堅いわ・・・」ミサトはそう囁くと首筋に歯を立ててきた。
「ハッ!ア・ア・ァ・・・」キュッと皮膚を引っ張れると、疼くような快感があった。
ミサトの女の肉感が背中にピッタリと張り付いて、まったく身動きできない。寝返ることもままならなかった。
ミサトの毒牙が浩一の父の全身に毒を注ぎ、その太くしなやかな肢体が蛇のように、獲物に巻き付いてゆく。 身を反らして仰け反ろうとすると、キリキリと縛られたヒモが食い込み、関節が悲鳴を漏らす。 その痛みすら、官能の媚薬だった。
「何をされるのか・・・不安はないの?」
ここにきてミサトは、急に淡々とした口調で話しかけるようになった。 前後の責め方もソフトに、ゆっくりとしたテンポに変わった。
「ああ・・・」不安もとろけるような指使いに、喘ぎを漏らしてしまう。 尻の窄まりに沿ってなぞっていた指が、再び侵入を図ってきた。
「うう・・・」
同時に前を嫐る指もクネクネと竿にそって刺激し始めた。
前を巧みに責めながら、快感のうねりに合わせて、指は窄まりにそっと侵入を果たした。
「アァァ、アアア〜 」
縛られたシンボルがビクンと跳ねると、食い込んだヒモがメリッと、締め付けを加えてきた。
「ヒゲッ!」痛みが肉棒を甘く疼かせる。
「シ〜〜〜〜ッ・・・」
背後からゾクゾクとミサトの息が耳をくすぐる。
「ハグハグ・・・」
「ふぅ〜っ・・・」
甘い吐息が耳に吹き込まれると、頭の中が桃色に染まるようで、恥ずかしさも、屈辱も感じられなくなった。
ミサトの天女のような囁きが、鈴の音のように、頭の中に跳ね返る。
「恥ずかしくないの? こんな格好でメイドに責められて?」
天女は意地悪く諫めた
「ああ・・・・・・」恥ずかしさはある。が、辱められるのがたまらなく甘美な悦楽を生み出してくれることを知った。
前後を指が巧みに嫐り出すと腰が溶けそうなほどに気持ちよくなり、その痛みを伴う魔性の快楽に身震いが止まらなかった。
「恥ずかしいけど、気持ちいいんでしょ・・・」
言葉通り気持ちよかった。 いつのまにか痛みも苦にならなくなり、痛みが恋しく、物足りない刺激に焦れったさを感じるくらいであった。
「いかがですか?」
「アフアフアフ・・・・・・」
ミサトはゆっくりと優しく指を使い、じっくりと肉体をとろけさせるつもりだった。特に後ろの窄まりは、もう少しほぐしてやろうと考えていた。
「旦那様? いかが?」ミサトは二つの人格をもっているかのように、前後、同時にそれぞれ巧みに嫐ってくる。
「前も、後ろも、同時に責められるご気分は? 」応えようにも応えられない。 舌が痺れ、口がだらしなく開いたままになっている。
「いかがですか?」
「ほら、いかが? 痛みと快楽・・・同時に味わう気分は? 」決して、強い刺激を与えてこない。
「たまらないでしょう。 」
「セックスより気持ちいいでしょう? 」ゆっくりと腰が溶けていくような愛撫である。
「メイドにこんな格好で責められる快感は? 」
「旦那様は責められるのがお好きなんですよ 」
淡々と責めてはいるが、確実にポイントは稼いでいるようである。
ジワジワと射精の予感が感じられてきた。
「あぐ!ひっイク、イグゥ!」
「ンン・・・?、どうぞ・・・」
ミサトは小さくクスッ、と笑い、淡々と責め続けていた。
ミサトの許しに喜ぶと同時に、変わらないテンポに物足りなさを感じた。 このまま焦らされるのでは・・・と、思えてきた矢先、どこからか、奥深いところから、こみ上げてくる感覚があった。
それは、ミサトの淡々とした責めに煽られて、ゆっくりと浮き上がってくるようである。
「あ? アグッ!ファアア〜〜〜〜 」ぐぐぅっ、と、急激に快感が膨れ上がった。と、「痛っ、イイ〜ン、痛い、ヒィィィ〜」イこうとしても、ミサトが縛ったヒモがキリキリと肉棒に食い込んでイけない。 ミサトのショーツに包まれた肉棒は火がついたように、熱く疼いた。ひくつくたびに痛むが、痛みが甘い官能となって、いっそう肉棒は堅く膨張した。
肉棒の中は圧力が限界まであがり、迸りの通り道を押しつぶし、完全にカットされてしまった。 ヒモはちぎれんばかりに食い込んでいるのだろう。 食い込む刺激がどこまでも快感をつりあげていくようだった。
「ヒャァァ〜〜〜・・・」キィ〜ンと響く耳鳴りとともに、頭の中が真っ白になりそうな快感がずっと続いている。
「ァアァアアア〜」
「旦那様?」
ほんの一瞬だったのだろうか。 遠くからミサトの優しい声が届いた。
「イケましたか・・・?」目を開くと、ミサトがウットリした眼差しで覗き込んでいた。
「ハフ、ハァフ・・・」浩一の父は、ジンジンと股間を疼かせる甘い痛みに喘ぎ、一時的に失神状態に陥っていたことを知った。
ミサトがニンマリとほくそ笑んだ。
確かに絶頂に近いものはあるが、迸る快感が得られなかった。
股間の絹のショーツの中で肉棒は苦しそうに震えているが、なにも零れた様子は見られない。
それゆえ、何度でもイキたくさせる、習癖になるような刺激だった。しかも、その刺激の余韻の長さは射精よりも長く続く。 余韻の覚めやらぬうちから、次の快感がこみ上げてくるのだ。
ミサトの淡々としてソフトな責めが続き、ゆっくりと、シンシンと雪が降り積もるように全身を覆ってゆく。またくる。あの膨れ上がる痛みを伴う快感が・・・
「アフ・・・」
きた。 静かに、深いところから、それが浮上してくる。
すぐそこまで迫ると急激に膨らみ、全てを押し上げてくる。
「アッアアアアア〜〜〜」
ググゥッ、と全身を張り裂けそうにしながら、官能の塊が膨張する。
「フヒャァァ〜〜!」真っ白になる。
「たっぷり溜めておきましょう・・・そのほうが、気持ちいいですよ・・・最高に・・・気持ちよくイカセテ差し上げますから・・・」
(気が狂う・・・)失神からゆっくりと意識を取り戻す浩一の父に、ミサトが淡々と話しかけてきた。
「それまで、もうしばらくこのままでいてくださいね・・・」
「ハ・・・ハフ・・・」