転 男転がし
ミサトは昼下がり、浩一の父の書斎で、カウボーイチェアに寝そべって電話をしていた。 傍らに金庫室で見つけた証書の束を積み、一つ一つ、電話の相手と内容を吟味しているところだった。
「ミサトお姉様・・・」部屋の戸口から、きてれつな裏声が発せられた。 浩一の父は、上は紳士用のシャツにタッセルをひっかけているが、下は下着一つであった。 色はピンク、しかもそれは女性用、レースがエレガントな、シルクのショーツを履いていた。メイドから剃毛を受けた性器が、透けていた。 片方の手には、メイドのコスメボックスを、ずっしりと提げている。
「あら、旦那様、 」メイドは特に慌てたようすもなく、目線だけを合わせて電話を続けている。 人差し指を立て、シッ、と口を閉ざしておくように、身振りで指示した。
浩一の父は女性の声をまねたつもりであった。 腰をモジモジとさせ、ミサトの前でショーツに視線を落とし、頬を赤らめ、横目で目を反らした。 その仕草は恥じらう少女のようであった。
ミサトはニンマリと笑みを浮かべ、電話の相手に一言二言、話すと電話を切った。 小首を傾げて頬杖をついてニヤニヤと満面の笑みを投げかけてやった。
「どうなさったんです? フフフ、 なぁに、その格好。 何か御用でしょうか?」
「あぁー、あの、ンムム・・・」何かを訴えようとしている。
「また、お漏らしされたんですか?」
浩一の父は子供のように首を振った。ミサトの三日目の責めが括約筋をゆるめてしまった為、その翌日はしばしばトイレまで我慢できないことがあった。
「それは?」コスメボックスを指差して、はは〜ん、と、ばかりに口を大きく開けて笑みを浮かべた。
「フフフ、ひょっとして、アレですか? 昨日してあげたばかりでしょう? 」浩一の父は、責め具が入ったミサトの道具箱を、片手に提げていた。
「三日おきのはずなんですが・・・フ〜ン・・・フフッ、どうやら我慢できなくなったみたいね? 」
浩一の父は黙って恥ずかしそうに頷いた。ついに、その日がやってきた。 浩一の父は後ろに煩った疼きが我慢できなくなったのだ。
ミサトが開発した性器は、ミサトのシンボルを欲しがるようになったのだ。 ミサトは内心、小躍りして喜んだ。自分から責め具の入った道具箱を手にやってきた。 さぞかし迷い、悩んだ末のことだろう。 これでこの男も完全に支配できる。 改造に成功した明かしだ。 これからはもっとやりやすくなる。 何でも思いのままだ。 思わず笑みがこぼれるのを押さえられなかったが、ミサトは焦らしを楽しむことにした。
「だめですよ、旦那様? 毎回はお体に毒です、本当にクセになっちゃいますよ? 」こんな風にした当人は、白々しくも相手の体調を気遣っている。 浩一の父は納得いかないようだ。 ミサトに諫められ、拒まれたと感じて、その表情はみるみる赤く紅潮し、憤怒と羞恥心に痛く傷つけられた様子で顔を歪めた。
頬杖をついてニヤニヤと見つめていたミサトは、ムックリと上体を起こし、けだるそうに髪を撫でて、指先に絡めて弄んだ。
その仕草で流し目を送られると、ジュンッ、と後ろの奥が疼いた。
じっと浩一の父の股間に見入りながら、ニンマリと微笑んだ。
「フ〜ン、すっかり病みつきになっちゃったかしらねぇ? 」狡そうな声色で、小首を傾げ、楽しそうに笑みを浮かべている。
「まぁ〜、でも・・・」ミサトが言葉を継いだ。
「いいかしらね? もう、痛みはないようだし・・・」
浩一の父の顔がパッと明るくほころんだ。
いつもは、他人に内心を読ませない厳しい表情を見せている、この壮年の男に似つかわしくない、それは、ひどくだらしない笑顔であった。
「フフ、それにね、私もそれを期待していたの」
メイドは、浩一の父が吸わなくなって久しい葉巻をちゃっかりと手にしていた。 ドミニカ産メーカーズマークシガーの高級葉巻。 それを鼻の下に挟んでクンクンと薫りを楽しんでいる。
唇をつきだして鼻の下に葉巻を挟んでいる仕草は、鉛筆を鼻の下に挟んでいる子供のようであったが、ピンクの濡れた口紅に彩られたそれは、すぼめられると、なんとも淫靡な窄まりを連想させられた。
喫煙をやめた浩一の父には吸いたいという気持はあっても、我慢できた。 もちろんミサトも禁煙した者を誘惑しているのではない。
チュッ、チュッ、とおどけて口先を鳴らし、目で笑う。
男の親指よりも太い葉巻を男根に見立て、指を絡めて愛撫しているのだ。 そのつもりで唇をそっと這わしたり、指先を先端に絡めて弄んでいる。 指使いが淫らだった。 ミサトが敏感なポイントに指を添えると、少し離れている浩一の父の男根が、ピクリと反応する。 ミサトは男のそんな反応をニヤニヤしながら楽しんでいた。
ミサトは制服を何種類も持っていた。 どれも、採寸からあつらえたオーダーメイドで、高級な生地がふんだんに使われ、デザインも上品でありながら、体の線を美しく見せる衣装だった。今身につけているデザインも綺麗だった。 色はダーク系で色調を抑えてはいるが、素材は絹に違いない。 絹とレースをふんだんに組み合わせたそれは、立体縫製でミサトの肢体にピッタリと皮膚の一部のように、なじんでいる。
「癖になる、と申し上げた通りになりましたね・・・」舌先をとがらせて葉巻の先を舐めている。 浩一の父は黙ってミサトの言葉に耳を傾けていた。ミサトはすぐに、気が変わる。焦って衝動的な態度に出れば、おあずけをされてしまう。 ジリジリと焦れるのを辛抱するしかなかった。 ショーツに透けるシミが少しづつ拡がるのを、ミサトはうっすらと目を細めてほくそ笑んだ。
男を翻弄してあざ笑うのが楽しくて仕方がないようだ。
「ただ、慣れないうちから、やりすぎると、お体によくないんですが・・・しょうがない旦那様・・・」歯で端をビリッとちぎると、プッ、と大きな音を立てて切れ端を浩一の父に向かって吹き飛ばして見せた。 何も言えない。 言えばミサトはソレ相応の態度にでるだろう。 目で抗議するのもよくない。浩一の父は黙ってミサトの次の行動を見守っていた。ニヤニヤと笑みを浮かべながら、ミサトは大きな葉巻を指にはさむと、火を付けた。 金無垢のドルテェ。ミサトが喫煙するのは初めて目にした。 薄青い煙を貫禄タップリに吐き出しながらじっと見つめてくる。ポッとミサトが口を小さくすぼめると、きれいなリングが宙に舞う。 ミサトの吐き出した煙が空気を漂って浩一の父の体に絡みついてくるようであった。 ミサトの息が目に見える姿となって肌を愛撫されるような幻想的な雰囲気を高めた。 浩一の父の周りを、ミサトの息が包み込んでいくように、うっすらと白んでゆく。 漂う煙の向こう側から、ミサトは天女の笑みで微笑み、手を差し延べてきた。ショーツからはみ出したシンボルは熱く、ヒクついていた。 浩一の父は祈るような気持で目を閉じた。
「いいわ、いらっしゃい。してあげるか・ら」ミサトはカウボーイチェアに、上半身だけを起こして片手を差し出して、指先で虜に落ちた哀れな男を手招きした。 浩一の父はその一言に、パッと目を開き、フラフラとミサトの寝そべっているカウボーイチェアに歩み寄ってゆく。 顔を真っ赤に紅潮させ、微かに息づかいが荒くなっている。 ミサトは完全に上体を起こし、背筋を伸ばしてシャンと座っている。 差し出した片手の指を、端から順番に妖しく糸をたぐりよせるように蠢かして男を誘う。どこまで近づくことが許されるのか分からなかった。 ミサトに一歩、また一歩と近づく内に、浩一の父はだんだんと不安になり、歩調もたどたどしくなった。
ミサトは、そんな浩一の父の目をじっと見つめていたが、手の届く距離になって、浩一の父の股間に視線を落とした。
浩一の父はそこで、立ち止まった。
「そんなところにシミをつくって・・・」
ミサトが黙って指先を、太股に滑らせた。爪の先で触れるか触れないかの羽毛のようなタッチでゆっくりと、刺激する。
その指使いに、浩一の父は後ろと前がヒクヒクと疼くのを感じ、膝を震わせ、快感に身をよじらせ始めた。
「もう、殿方の下着は履けないでしょう?」ミサトの指がそっと脚の付け根、リンパをくすぐってくる。
「このすべすべの肌触り、とってもイイでしょう? 」はみ出したシンボルには触れず、シルクの生地に浮き立っている竿を指先でなぞってゆく。 「シミが・・・」ミサトの指使いではみ出した先端からジワジワと透明な汁が流れ出していた。それは、裏筋をつたって、ショーツのシミを拡げてゆく。
「はずかしい旦那様のシミが拡がってゆく・・・」シミを指の腹で優しくこすりながら、ミサトは浩一の父の顔を見上げた。
「ああ!」浩一の父はワナワナと震えながら、小さく頷いた。ショーツの脇から指が滑り込んできた。袋から、その奥まで爪の先でカリカリとくすぐられると膝が笑い、崩れ落ちそうだった。 「少しチクチクしてきたわね・・・」指の腹で、皮膚をチリチリとなぞる。
「後でまた剃って差し上げます・・・」股間に指を這わせ、うっすらと陰毛の伸び始めた皮膚をチリチリとなぞってゆく。
「また堅くなるのかしら・・・」ミサトは、ショーツの上から、指で竿を柔らかく揉みほぐしてやる。 焦らされて、浩一の父は息づかいが乱れ始めていた。 そんな浩一の父の心情を弄ぶかのように、ミサトはのんびりと股間を嫐っていた。これほど焦らされても、シンボルは完全な勃起には至らない。 先日、ミサトに激しく後ろを責められたあげく、腫れ上がった前立腺がシンボルの根っこを圧迫し、血行を阻害しているのだろう。 ショーツの上からはみ出した亀頭部分はヒンヤリと冷たかった。ミサトは火のついた葉巻を口にくわえ直すと、大きく吸い込んだ。ジジジッ、と先端のくすぶりが赤く光る。両手を使ってショーツを引っ張り、中を覗き込んだ。押さえを失ったシンボルはクタリと、下にたれた。「あらあら」
亀頭を指でつまんで、外に引きずり出してやる。ミサトが唇を窄め、フ〜〜〜〜ッ、と煙を吹きかけた。 もう一度、片方の手にもった葉巻を口にくわえ直し、ミサトは片方で先端を、もう片方の手で竿に手を添えると、ゆっくりとさすり始めた。
「あああ・・・」悲しんでいるような小さい悲鳴を漏らした
「もう、前のように感じないんでしょう?」ミサトは浩一の父が何を感じているのかお見通しだった。後ろを開発された男はみな、以前のように、前が感じなくなることに、不安を覚えているのだ。
「カチカチにならないんでしょう?」全て、予想通りに進んでいる、とばかりにミサトは言い当ててみせる。
「もっと、柔らかくなるわよ・・・そして、だんだん小さくなってゆく・・・」だんだん雌化してゆく、そう宣告してやる。
「萎びて干しぶどうみたいに、小さくなって・・・」淫らな指使いでシクシクと快感がこみ上げてくるが、まだまだ完全な勃起には至らない。
「アア〜」快楽に反比例して、男を奪われてゆく喪失感が膨らんでゆく。
「旦那様は雌になってしまう・・・」ジンジンと疼きがこみ上げてくるのに、シンボルは柔らかく、ミサトの指でほぐれてしまっている。 骨抜きにされたようにほぐれていた。
「ウゥ・・・」
「男でも、女でもなく、雌・・・」
「オケツマンコを掘られてよがり狂う雌に」クィッ、と後ろの窄まりを指が指圧する。
「オッ!」
「旦那様は淫乱な雌・・・」
「私に出会って目覚めた淫乱な雌犬・・・主人に従順で可愛がってもらう為なら、何でも言いなりになるワンちゃんよ・・・」
ミサトが口にくわえた葉巻の灰がこぼれそうである。
「受けてちょうだい・・・」ミサトが手提げを受け取ると、浩一の父は、すぐさま両手で灰を受けた。
ポン、と、灰が落とされると熱いのは一瞬でも、全身がカッと熱くなった。 ミサトは故意に火口を手のひらに当ててやった。
「はぐっ!」ウン? とミサトは片眉を上げて浩一の父の表情を見守る。「熱い?」熱さに歪む表情が胸に心地よい。
「気合いが足りませんよ・・・」そう低く呟いてミサトは、更にポンポンと灰を落とした。「く・・・・」鼻の下にびっしりと汗が滲んでいた。 「アラなんです?、これは・・・」冷たい声で言い咎めた。
「熱いと立っちゃうの? よだれがこぼれて?」見れば浩一の父のシンボルはヒクヒクとうなだれ、先から水飴のような粘液をとろっと、ぶら下げていた。
「何をされても感じちゃう?」カリの裏、包皮小帯をキュッとつねり上げてみる。
「ハァァ〜」痛みも快楽も、区別がつかなくなりつつあった。
ぷっくりと膨れ上がった先走り汁を、指先ですくうと、亀頭にクルクルとまぶしてやる。
「ピクピクしてますね」言葉通りシンボルは、指先から逃れようとするかのごとく、大きく上下に揺れている。
「今度二人で下着を見にいきましょうね」ひっぱったショーツを、離すと、パチンとシンボルを刺激した。無理矢理はみ出した先端に被せ、ポンポンと叩きながら、「旦那様にもっとお似合いの下着が見つかるわよ」
明らかに女装癖を植え付けられようとしていた。 最近はこれでないと、股間が落ち着かなく、前屈みになってしまう。紳士用の生地はもう、肌になじまなくされていた。 トリコロール地の紳士スリッパもやめ、今はミサトのすすめで、ナースサンダルを愛用していた。脚のむだ毛は、ミサトによって綺麗に脱毛処理が施されていた。 ツルツルになった男の、ゴツゴツとした脚にショーツとサンダルはあまりにも不釣り合いであったが、ミサトが気に入っているのでやめるわけにもいかず、お世辞でも褒めちぎられているうちに、自分もすっかりなじんでしまっていた。
責められながら、潜在意識にまで浸透したミサトの言葉が浩一の父の精神を虫食い状態にしている。ミサトが開拓した後ろの性器を責められる時は、女にスイッチさせられてしまう。 日常においても、何かの拍子に疼き出すと、勝手にスイッチしてしまうという、発作が見られるようになる。今のようにミサトが仕掛けなくても虜になった男の方からプレイの申し出があるのだ。 自ら、我が身を責める道具を手に、ミサトの前に跪くようになる。 メイドの嘲笑う声が耳に心地よかった。 自分を虜にした女の口から、羞恥心を煽る言葉をたまらなく聞きたくて仕方がない。
「スカートは履かなくていいの?」ミサトが意地悪に問いただす。
「このまま、早く・・・」浩一の父は首を弱々しく振って懇願した。
スカートは、どうせ後ろを責めてもらうときに、脱がされてしまうのだ。何よりもミサトに恥ずかしい格好を見てもらい、顔から火が噴き出すような羞恥の言葉を掛けられたかったのだ。しかし、ミサトはここで、手を抜く程甘くはない。
「これでは、肩手落ち。 雌なら雌らしくスカートを履いて犯されなくちゃ気分がでないでしょう? いいわ、私が許可します。 私のスカートを履かせてあげる」そう言ってミサトは腰の留め金をはずし、脱ぎにかかった。
「ああ、お願いします、早く・・・」メイドは哀れな男の懇願には耳を貸さず、スカートをずらし始めた。
「ツルツルのスカートを履かせてあげる。好きでしょう? 女になってほじってもらうのは? 」
「アアア・・・」浩一の父は、興奮のあまり、言葉にならなかった。
ミサトは体を起こすと、床につま先をつけて、見られるのを意識し、ゆっくりと焦らしながら、スカートを脱いでゆく。
スルスルとミサトの豊満なヒップラインが露わになる。 しわくちゃになったシルクの光沢を放つスカートを下ろすと、足首に引っかけたまま、その足を浩一の父の顔に突きだしてやった。 スカートを足首にひっかけ、ブラブラと揺らし、浩一の父の目線を弄んだ。
「どうぞ・・・お使いになってくださいませ」浩一の父は、スカートを脱いだミサトの股間が気になるようである。 チラリと視線を走らせるのをミサトは見逃さない。フンと鼻で笑うと、メイドは大きく足を組み直し、浩一の父を挑発する。 開かれた股間はガーターベルトだけで、ショーツはなかった。 ショーツは今朝の奉仕の際、ミサトが浩一の父に履かせたのだ。 浩一の父は言いつけを守り、それをずっと履き続けていたのだ。 黒いストッキングに包まれた、黒い光沢を放つ長い脚は、浩一の父の目の前を右に左にと揺れ動く。その振り子のような動きを浩一の父はウットリと目で追う。 目の前のスカートを両脚で左右にピンと引っ張り、目隠しにした。目の前に張られたスカートが浩一の父からミサトの股間を遮ってしまう。
「フフフ・・・」
目の前でグルグルとスカートが動き、ほのかな香水の匂い。
「いらないの? 欲しい?」ツイッと爪先を突きだしてやる。浩一の父は恐る恐ると手を近づけ、ミサトの目と、目の前の爪先にぶら下がったスカート、チラリと見える女の肉ビラを交互に見やる。 手にとろうすると、引っ込められるのではないかと、不安になっていた。 ミサトはそんな意地悪が大好きなのだ。
「さあ、いいのよ、何を遠慮なさってるの?」
手にすると、スカートの絹の感触に淫らな気分になった
プンと控えめではあっても、ミサトの香水の移り香がした。
両手に持って、浩一の父は恥も外聞もなくなり、匂いを胸一杯の吸い込んだ。クラクラする味わいであった。息を吐いている時間がもったいないとばかりに、浩一の父は激しく深呼吸した。ミサトは指を舐めながら、ニヤニヤとして眺めている。 既に浩一の父の股間は激しく勃起していた。 小さいショーツのゴムから先が覗き、ヒクツいている。
「自分で履けますよね?」雛が親鳥の真似をするように、浩一の父は大急ぎで、脳裏に焼き付けられたミサトの仕草で、スカートを履いてみせた。
「フッフッフ、アッハハハ、いやだわ、旦那様ったら、どうしてそんなに慣れていらっしゃるのぉ? アッハハハ」
ミサトの嘲りも、浩一の父には倒錯した刺激だった。
フルフルと肩を震わせ、天井を仰いでいる。
「フフフ、もっと側にいらっしゃい」クスクスと笑みを浮かべ、ミサトはスカートの裾を引っ張って男をたぐり寄せる。 ご機嫌の笑みを浮かべていた。
「フ〜〜ン・・・」大きく脚を開いてその間に浩一の父を立たせると、ネットリと淫靡な眼差しでスカートを改める。
皺を伸ばし、ウェストを少し下げてやる。
「フンフン・・・」首を傾げて片目をつぶってじっと視線を注いでいる。 後ろに両手を突いて、上体をのけぞらせて全体を眺める。
「これでいいわ。 お似合いよ、旦那様?」そう言って片方の足の指をそっとスカートの下に潜らせ、太股から、股間の袋に親指の爪の先を這わし、くすぐってやると、浩一の父は膝を震わせて身悶えした。クスクスと忍び笑いを漏らす、ミサトの足首が動くたびに、スカートの裾が太股に擦れ、羽のように、軽やかな感触が震えを増長させた。
「これなら恥ずかしくないでしょう?」足の甲に玉を載せ、コロコロと転がされると股間全体が熱い疼きに包まれた。
「萎びた情けない旦那様のオチンポ、隠れちゃった・・・」器用に足の指を蠢かして皮を引っ張ったり、つねって弄ぶ。
「干しぶどうみたいにちっちゃい旦那様のオチンポ・・・」足の裏でグニグニと踏みにじられる。
「前はご立派でしたわぁ〜デッカイ、男根!って感じ・・・」メイドの脚の付け根に剃毛された女の肉ビラが淫らに蠢いていた。
「だけど、今は・・・」真っ二つに割れた奥からキラリと銀色の金具が見え隠れする。
「ちっちゃい喉チンコかしら?」それは、ラビアリングと呼ばれる女性器の肉ビラを飾るピアスに違いなかった。
「フフフ、チンコじゃなくてクリチャンだったわね、ペニクリ・・・ペ・ニ・ク・リ・・・」トントンと会陰部を軽くキックした。
「悲しいわね・・・」ジジジッと葉巻を吸う。
「大きくして欲しい? 前みたいに?」トン、トンと足の甲で股間を蹴り上げてくる。思わずかがんで手で脚を止めようとすると、スルリと手をすり抜け、今度は両手がスカートの中に飛び込んだ。
「痛いの?」両太股をそれぞれ人差し指の爪がなぞり上げてゆく、それは、ショーツの生地に軽くタッチすると、また遠ざかってゆく。
「もう痛みも快楽のうちよ、でしょ?」浩一の父の手が行き場を失い空を掴む。
「イ〜タァ〜ミィも、快楽の、う〜〜ち! 」太股の肉を爪を立てた指先がキュッとつねり上げる。
「あ・・・」キュンと締め付けられるような切ない気持にさせられた。
「でしょ?」そんな浩一の父の心の奥底を見透かしたように、ミサトは返事を促す。コチョコチョとくすぐって、またつねる。
飴と鞭のような刺激だった。
「両方好きでしょ? 痛いのも・・・」キュゥウ、と、つねる。
「気持いい〜のも・・・」コチョコチョとくすぐられると直接、快感を神経に送られるような心地よさがあった。繰り返されるたびに感度が鋭くなるような刺激だった。
「どうなの?」
「好きです・・・」浩一の父は目を閉じて答えた。
つねったり、くすぐったりしながら、ミサトは時々爪でなぞり上げてくる。そして、チョンと袋の下に触れて、指は離れてゆく。
「大きくして欲しい?」キュッとつねられる。
「ビンビンになりたい?」コチョコチョとくすぐられる。
「私なら、その願いをかなえて差し上げられますよ・・・」
ミサトの指先が股間をクルクルと這い回る。スカートに手を潜らせてゴソゴソと動かしている様子は、手の感覚だけで、指先に触れる男の性感帯を捉えているようだった。
スカートの内側をミサトの魔性の指先が進んでくる。 その爪の先が微かに脚の付け根に感じられた。 わずかに細かく震えている。 その虫が這うような感触が股間全体を熱く疼かせる。 触れるのではなく、指先から出るオーラを感じさせるような指使いだった。
「このペニクリを、堅くて、太〜い、チンポにして欲しい?」親指だろう、太い指の腹が袋を押し揉んでくる。 片方の手の平が優しく脚の付け根を後ろから前へと滑るようにさすっている。
「は、ハヒ! しれ欲しいです!」
「熱くてビンビンに反り返りたいの?」袋に触れていた手が、脚の付け根からショーツの下に潜り込んでくる。 竿を探り当てると、ゆっくりと這い上がってくる。 指先はひどく熱く感じられ、スベスベとした蛇が、竿に巻き付いてくるような妖しい違和感を覚えた。
「ヒュッ、お、お願いします」うめきに近い声を吐き出した。
「痛いくらい勃起させて欲しい?」そっと力を込めて、竿を締め付けてくる。「ハイ、ヒイ、フゥ!」
「それを扱いてもらいたい?」ゆっくりと上下に絞るように扱かれた。「ハイ! ハイ! ハヒ! ハヒィィィ!」
「メイドさんにくわえさせたい?」亀頭の先を、手のどこかでヒリヒリさせるように刺激される。
「ハァ、ハァ・・・ハァァァ、オォ・・・」
「メイドさんのオマンコにぶちまけたい?」不安そうに浩一の父は小さく頷いた。
「私をヒイヒイよがらせてみたいのね?」黙って何度も頷いた。
大きく脚を開いたミサトの股間が革張りの座面をヌルヌルに濡らしている。その光景と、ミサトの甘い猫撫で声、指の刺激に、もう、気が狂いそうだった。
「じゃあ、お願いしてごらん? メイドさんに願いをかけてごらん? その願いはきっと叶うはず・・・」
「お、お願いヒます、元に戻してください・・・」
「大きく?」コクリと男は頷く。
「太く?」ミサトの指使いに頷く
「堅く」ミサトが柔らかい竿を揉みほぐしてくる。
「熱く?」浩一の父は黙って頷き続けた。
「ナァニ? 私に全部言わせるの? 旦那様は頷くだけ? 」
「ちゃんとおっしゃってくださらないとぉ?」
「お、み、ミサトお姉様、お願いです、私のチンポ、ぺ、ペニクリを元に戻してください、元のように、太く、堅く熱くしてください、お願いします、」浩一の父は目をつぶって懇願した。
しかし、浩一の父が耳にしたのは、ミサトの冷たい声だった。
「そんな必要あるのかしら〜? 旦那様はもっと気持ちいいことして欲しくないの? ここは? ここワァ〜〜? こっちの方を気持ちよくして欲しいから、ここへ来たんじゃなくて?」
カウボーイチェアに座ったミサトが、下から、ウン?と、見上げてくる。 同時に、ミサトの指が後ろに回り込み、引き寄せた。 後ろから手が尻の割れ目に沿って、ヒクヒクと穿つ窄まりを擦り上げてくる。 痺れるような快感がジワリと背中に拡がった。
「アアアゥゥゥ・・・・」浩一の父は混乱した頭を抱えこんで、呻いた。 なぜここに来たのか分からなくなった。ミサトの言うとおりなら、確かにソノ必要は、もう、ない。
後ろが疼いて仕方がないのだから、ミサトの言う通りなのだろう。
しかし、ミサトの巧みな誘導に目的をはぐらかされてしまう。
いつのまにか、最初の目的は目の前のシンボルをどうするかにすり替えられている。
そして、今、今度は懇願を突き返されつつあった。
何がなんだか分からなくなってきた。自分が論理的に考えられなくなったのか。 ミサトが論点をすり替えてしまったのか。
そうやって自分は弄ばれているのか。
ここに来たのは間違いだったのか。 後悔の念がこみ上げてきた。
ミサトが次に何を始めるのか、さっぱり分からなくなった。
「アラアラ・・・どうなさったの?」
浩一の父は知らないうちに、泣いていた。
天井に向かってオイオイと声を上げて泣いていた。
泣けばなくほど、泣きたい気持がこみ上げ、止まらない。
壮年の男が、メイドの前で、恥ずかしい姿で泣く姿は見るに耐えない光景だった。
「まぁ〜〜、意地悪が過ぎましたかしら・・・」ミサトは立ち上がって大泣きする男の肩を抱いて背中をさすってやる。
「ハ〜〜イ、泣かない、泣かない・・・」
浩一の父を抱きしめてやりながら、顔にキスを降らせ、頬を伝う涙をどさくさ紛れにすすってやり、残酷に口の端をつり上げてほくそ笑んでいた。 ミサトの大好物、男の苦悶の涙。してやったりの笑みだった。
「わかりました、旦那様の願い、かなえて差し上げます」
「だから、もう泣かない、ね?」ミサトが垣間見せた、メイドらしい優しい慈愛に満ちた態度に、浩一の父は、なだめられた幼児のように、えづきながら泣きやんだ。しかし、メイドのその慈愛の眼差しの奥では、犯す時にも味わう分が減るのは困る、と、思っていた。 ミサトにとって、後ろを突かれてよがり狂う男の涙も捨てがたかった。
「それじゃ、優しいミサトお姉さんが、元に戻してあげる・・・」
ミサトは指を胸に滑らせ、男の乳首をつまんで刺激した。
片方の手の爪を皮膚の上に走らせ、股間に滑り込ませた。
「アウゥ・・・」うってかわって浩一の父は、だらしない笑みをこぼした。