転 男転がし
「え〜っと・・・」
ミサトの頭脳は、邪悪な反応炉。
灰色の脳漿には、人を狂わせる邪悪な快楽の拷問がうずまいていた。
「確か・・・」
ミサトは楽しそうに含み笑いを漏らしながら、アイの周りをゆっくり旋回する。
おまえは・・・と、低く。
それは腹の底からわき上がるような声だった。
ミサトは、トゥーシューズのような上履きを脱ぎ捨てると、つま先をユラユラとアイの周りでゆらし、チョンチョンとつついた。
「どの辺だった、かなぁ〜?」
最初は、軽く触れるか触れないかのタッチだった。
「フ〜〜〜(あ〜)」
「ねぇぇ? 」
アイの体は、ミサトのつま先に、静電気を伝えているようだった。
より感じるポイントを脚が感じ取り、ミサトの頭脳は集めた情報を整理してゆく。
「フフフ、このあたりみたいねぇ〜」ひときわ艶めかしい声が聞こえた。
ミサトのつま先が、ゴイサギの長いくちばしのように、ひっくり返った丸虫の柔らかい肉、アイの下腹部にねらいをつけた。
一瞬だった。
「ここ! 」哀れな丸虫の卵管を、鋭いつま先でつまんだ。
「(イッ!)」
アイはミサトに、知り尽くされた急所、クリトリスをつま先でつままれた。
「ここでしょう! どう?」
「ム〜〜〜!(ヒ〜〜〜ッ!)」アイの顔は真っ赤に染まり、火を噴きそうだった。
「フフフ、ずばり!でしょ?」
勝ち誇ってミサトは、研ぎ澄まされた突起を、足の親指と、人差し指の間で、器用につまみあげた。
「ウゥ〜〜〜〜!(アアアアッ、ヒッ!) 」つま先を小刻みに震わせてやれば、アイは、ミサトの意のままに嘶いた。
「フッフフフ・・・ 」
浴衣のはだけた、アイの華奢な背中に、汗腺からびっしりと脂汗がふきだていた。
太もも、額、テラテラと浮かぶ脂は、ミサトの瞳にキラキラと戯れ、銀色の蛇のようだった。
ミサトの鳶色の瞳に、艶めかしい銀色の蛇がくねり、妖しい輝きを放っていた。
アイはこんじきに光る、ミサトの瞳に閉じこめられたのだ。
「が、いいのよねぇ?」不自然に丸められた窮屈な体勢で、アイは動くまいと必死にこらえた。
が、ミサトがクイッと、足首を動かした。
(ヒイ!) アイの頭の中で、火花が散っていた。
クックックッ、と、ミサトはいやらしく笑った。
「うん? フフフ、イイみたいねぇ〜」肉芽を離すと、ミサトの足は、浴衣をグイグイと引き剥がしにかかった。
ミサトは立ったまま、足だけを使っていた。
縛ったまま、追いはぎのように、乱暴に浴衣をひっぱる。
紐と肉の間を、浴衣がちぎれそうになりながら、ズルズル引き出されてゆく。
紐と皮膚の間で浴衣がすれると、火傷のようにヒリヒリと痛み、赤くなっていた。
「ここも・・・」終始、両手を腰にあてて、尊大な姿勢で床にころがったアイを剥いてゆく。
「ウウ〜〜・・・ 」アイは力が入らず、唸るだけだった。
浴衣が引き抜かれると、ミサトはかがんで、ゆるくなった紐を引き絞った。
「それに、ここも・・・」アイはバターになり、ミサトの熱いナイフをパックリと受け入れてゆく。
「んん〜〜〜!」絹の組紐がシュルシュルと乳房を滑り、柔らかい脂肪に深く食い込み、筋肉を拘束してゆく。
「フン!」(んんっ!)メリッ、と、柔らかいアイの体が更に丸まった。
「んん〜〜〜〜!!」シュルシュルと、肉の間を絹の組み紐がくぐりぬけてゆく。
更に絞って、堅くもやい結びで固定してやると、アイの両乳房は鬱血し、乳首が飛び出した。
「んんん!(イッタいよぅ!)」
「あらあら、乳首ちゃんがこんなに勃起して・・・」ミサトは両手で両方の乳首をつまんだ。
(ハァャ、触らないで!)
「ン!」グミのような弾力を確かめ、一転、爪の先でつねりあげた。
「ンングゥ〜〜〜! 」アイはギュッと目を閉じた。
「痛い? それとも・・・」(痛い!イタイヨゥ! ヘァハ、でもイイ・・・ )アイは、痛いのか、気持ちいいのかわからなくなってきた。
「イッチゃうんじゃないでしょうねぇ?」そうなるかもしれない、だが、アイは何度も首を横に振っていた。
「アイ?」キリリ、と、指先に力を加えた。
「ウ〜〜〜〜ッ!(イッチャ! イッチャフッ!)」
フン、と、鼻で笑うと、ミサトはつまんだ乳首を、爪をたてて引っぱり上げた。
(あ・あ・あ・あ・ )
頭の中が真っ白になった。
「ブグッ!(アグッ)」大きく目を見開いたが、アイは何も認識できなかった。
「ウウッ!(ア〜〜!)」落ちてゆく感覚の中、目の中にフラッシュの閃光がまたたいた。
(アア〜〜いいっ〜〜〜〜〜)
アイはブルブルと震えながら、イッた。
(ハゥッ、ハアアアアァゥッ! ハァハァッ!)
「イッたのね? 」誰の声なのか分からなかった。
(ハァッ、ハァッ、)
呼吸が乱れ、激しく胸が上下していた。
(フゥフゥフゥ! クッ、くるッ、ハァッ、苦しい!)
もっと吸おうとしても、窮屈な体勢を強いられている上、口の中は媚薬のつまった小袋が詰められ、充分な呼吸がままならない。
アイは窒息しそうだった。 肺が痙攣する。
喉をゴクゴクさせ、窒息しているのはミサトの目にも明らかだった。
ミサトはアイのみぞおちに膝を押しつけていた。
「・・・」ミサトは少し迷った。
可愛くて仕方がなかった。 このまま、更に膝で鳩尾を圧迫してやれば、死ぬかもしれない。
そのときこの子は期待通りの表情を見せてくれるのだろうか。
愛くるしい瞳の奥を全開に開き、その奥にミサトを焼き付けてくれるのだろう。
見てみたい。 ミサトはその誘惑と、抜き差しならぬスリルを楽しんだ。
一瞬の迷いが、取り返しのつかない事態を招く。
アイは口角に泡をこぼし始めていた。
「ブハッ!」アイの口から媚薬袋を引き出してやる。
「ヒュ〜ッ!ヒュ〜ッ!」アイは、笛のように、喉を鳴らしていた。
「世話のかかる子・・・」残酷な笑みを浮かべ、ミサトはアイの腹部にふたたび膝をつき、ゆっくり体重をかけた。
「アッ! アゥアゥ!」たちまちアイは呼吸困難におちいった。
(ワァァァァァ! )
(ああっ、アイ、いい顔よ)ミサトは甘い痺れを下腹部にはらませ、内ももを熱くつたう蜜に酔いしれた。
我慢できず、ミサトはアイの口にむしゃぶりついた。
開いた口をパックリと合わせ、息を送ってやる。
アイの息は媚薬の匂いがプンプンしていた。 媚薬の成分に全身が侵されている状態である。
「アゥアゥッ! 」
パニック状態からアイは、何かを喋ろうとするが、言葉にならなかった。
「ハァハァッ! アアッ!」ミサトが膝をあげると、呼吸が楽になった。
思いっきり新鮮な息を吸おうと肺をふくらませた、が、口はミサトにふさがれている。
しかもミサトがアイの息を吸い取る。
まだ充分酸素を取り込めないまま、息がミサトに吸い取られてしまう。
(あわぁぁ! アワアワゥ!)
「ぷは!」ミサトが口を解放してやると、アイはゼエゼエと息をとりこんだ。
ふたたびミサトの顔が覆い被さってくると、アイはおびえた。
その目は、泳げない子供が水を怖がるようだった。
が、ミサトは、アイの顔にそっと手を添えただけだった。
「しぃ〜〜〜〜っ、しぃ〜〜〜〜〜っ!」 ミサトの優しい指が、アイのほほを撫で、ゆがんだ表情をほぐしてゆく。
「ヒィヒィヒィ!」
フゥ〜〜〜ッ・・・ ミサトの息吹が優しく頬を撫でている。
(ハァ〜、ハァ〜・・・ )アイの中で暴れていた不安がなだめられ、おとなしくなってゆく。
「苦しかった? ん?」
(う・・・)やさしい言葉をかけられ、ミサトが涙ににじんで見えない。
アイはブルブルと首を振った。
今、ミサトに責め殺されるところだった。
命乞いをしたくても、言葉が出なかった。
苦しいのに身体は正反対に反応する。 苦しいのに、それ以上に気持ちいいのだ。
怖かった。 ミサトの快楽に潜む魔物がアイの命に触れてきたのだ。
「苦しくなかったの? そ〜う、気持ちよかったのぉ? 」
これからどうなるんだろう? そんな気持、アイは期待と恐怖でいっぱいだった。
これ以上責められたくない、が、それを伝えるのが怖かった。
気持ちよすぎて拒めなかった。
本心をつたえられず、アイは半泣きだった。
「ひぃ〜〜〜んヒヒィ〜〜〜ん」自分は何を間違ったのだろう。 どうして今こうなっているのだろう。
もはや、泣いて許しを乞うしかなかった。
「おまえは痛いのでイくのが大好きな変態看護婦、」
否定できなかった。アイはポロポロと涙をこぼしながら、うなずいた。
ミサトはニンマリと満足の笑みを浮かべ、責めつづけた。
足の指で、赤くとがった乳首をひねりあげた。
「ヒッ!」
目が眩んだ。
「だったわよねぇ? 」
「ヒィ、ヒィ〜」
「キヒィィッ!」普段のアイからは想像もつかない裏返った奇声があがった。
「あ〜〜〜ン? イ〜ぃイお声ねぇ〜」
ミサトは片手も使って、両方の乳首を同時に責めた。
「キヒィィ! ヒィィィン! 」
ここでミサトはアイから離れた。
アイがあまりにも高い声で鳴くようになったからだ。
ミサトは窓にいくと、戸締まりを確かめ、分厚いカーテンを閉じた。
アイの所まで引き返しながら、髪をくくり直した。
きっちりと後ろに引っ張って結んでいる。
激しく責めるときは、いつもそうしていた。
「さて、」ミサトはスカートのファスナーを開くと、歩きながら優雅に腰から床に落とした。
クシュ、と、からまった生地を足先で脇に蹴った。
アイの顔は涙と汗、鼻水とよだれでクシャクシャになっていた。
対してミサトは、はつらつとしており、目はギラギラと輝き、口元には残酷な笑みを浮かべていた。
浩一との時間を過ごすために、めかし込んだアイの浴衣、今は、無惨にも剥かれ、しわだらけになっている。
はりのある若い肢体は、香の匂いのする汗でテラテラとぬめり、深く食い込んだ組み紐で自由を奪われていた。
ミサトはスタスタと裸足で戻ってきた、
「アイ・・・ 」そして無惨に折りたたまれたアイをまたいだ。