転 男転がし 

 「ハッ、ハッ、ハッ!」
 ミサトがつま先を、ユラユラとアイに向けて揺らしてやると、
 アイは腰を振り、ミサトに、はやくはやく、と、責められることをせがんでいだ。
 アイは、発情期の雌猫になりきっていた。
 その淫蕩な低落ぶりに、ミサトは満足そうな笑みを浮かべ、長い脚をまっすぐに突き出した。 
 「ひゃ!」長いミサトの脚がアイの股間に届いた。
 フフン、とミサトは鼻先で笑った。

 「ほらっ、浩一に聞こえるくらい泣いてご覧なさいな! 」
 クチュクチュと、つま先でアイの股間を嬲りだした。
 アイの肉ひだは、柔らかく熱かった。
 足の甲に乗せて前後に嬲ってやれば、その感触はくすぐったくもあり、ミサトの花心にもジワリと響くものがあった。
 「うぅ〜〜〜〜〜ん! 」たちまちアイは甘えるような声で鳴き出した。

 「ヒィ〜ん、って鳴かないの?」ミサトはもっと鳴かせてやるつもりだ。
 「前はヒィ〜ン、ヒィ〜ンって鳴いたわよ? 」
 足の甲でアイの股間を擦ってやる。アイも自分から股間をすりつけ協力的だった。

 部屋の温度があがっても、ミサトはおかまいなしだった。
 髪の先まで汗がしたたってきていた。
 (ヒィ・・・ン・・・ ヒィ〜ン・・・)シクシクとすすり泣くようなか弱い声だった。
 アイの口からミサトの希望通りの鳴き声が漏れだした。
 アイの花びらは、トロリとヌメり、熱くなっていた。

 「ほら。 それ。 その声。 もっと聴かせて? 」
 両手は拘束され、あぐらをかいたような格好でうつぶせにされると、さながら手足をもがれた亀のようだった。

 「あ。 ヒィ〜ン・・・ ヒィィ〜〜ン・・・」
 ツボをつつかれて促され、あがる悲鳴は、主人から罰を受ける農耕馬のようだった。

 「どうして最初から鳴かないのかしら?」
 「アヒャッ!」隅っこもつつくような執拗な責めだった。

 アイには、自分の恥ずかしい股間をこきおろしているミサトの足を見ることもできない。
 ただ、部屋の隅の暗がりだけが拡がっていた。

 「この恥ずかしい有様を誰かに観てもらいなさい」そうなじられても、アイは自分の前、部屋の隅に首を向けたまま、どこも見ることができなかった。

 パーン、と威勢のいい破裂音が響いた。
 「ぎゃっ!」
 愛らしい曲線を描くアイの臀部に、ミサトの蹴りが、勢いよく入った。

 平手打ちのように軽く、よくしなる鞭のような一撃だった。
 「ヒャハッ! 」体の芯からゾクゾクと快感がわき起こり、アイの口元は笑っていた。
 アイの羞恥心は、ここにいたって鈍感になっていた。
 ミサトは責めが単調にならないように、予想外の刺激を与えたのだ。

 「あらら・・・」ミサトは呆れたとばかりに声をだした。
 アイの花びらが淫らにヒクヒクと痙攣をおこしていた。
 「アフ、アゥフ〜・・・」
 口元を緩ませ、トロンと惚けた眼差しで、宙を見つめていた。
 アイはもう、これくらいの痛みは、痛みとして感じなくなっているのだ。

 「痛くないの? 猫ちゃん?」
 「イタ〜イゥフフフ・・・」完全に痛覚が混乱していた。

 「どうしようもない、ド・ヘンタイ猫ね・・・オマOコ濡らしたりして」
 「ハ〜〜〜〜フフフ・・・」
 ミサトに卑猥な言葉で嬲られると、肉体は淫欲に暁色に染まり、肉体の奥底でじんわりと、潤滑汁が湧き出すのがわかった。

 精神状態が媚薬の影響下にくだりつつあった。
 ヌルヌルとミサトの足の甲が股間を滑る。

 「ホラホラ〜、パックリ開いちゃってるわよ! 」うつぶせにされ、伏せた鍋のようなアイを、後ろ向きにまたぐと、ミサトはアイの後ろ側に手を伸ばした。
 プスッ、と指を挿し、軽くひっかけて釣ってやる。
 「あっ!」
 「フフフ、どうでしょ、ココ。まっかっかよ・・・」
 ピンクからバラ色に、色濃く染められてゆく肉ビラが、人差し指と中指で無惨に広げられた。
 ピタン、と、指ではたいた。
 「アフッ! えぇ〜」奇声だった。 アイはミサトの淫らな指先がつづる渦巻きに、すべてを解き放たれてよがり狂っていた。

 トロッ、と大粒の透明な蜜が花弁を離れ、ポタ、と絨毯に吸い込まれてゆく。
 「アゥ、も、そ、そこぉ〜」アイは、蠢く指先の快感を、よだれをたらしながらむさぼっていた。
 折檻を受けているはずが、獣のように、ひたすら快楽をむさぼっていた。

「フフン・・・」ミサトはアイを褒美を与えているつもりはない。
 むさぼりつくせない快楽に、アイを窒息させてやるつもりだった。

 それには、アイをもっと恥ずかしめてやる必要があった。
 アイはもっと恥知らずになってゆく。 媚薬には辱めることで高まる快楽があるのだ。
 恥知らずになったら、更に恥ずかしい目にあわせて、身をよじるような狂おしい羞恥心に、もっと鳴かせてやるのだ。

 快楽でとらえ、毒をたっぷりと注いでやる。
 人の精神を蝕む甘い毒だ。
 幾度も繰り返してきた常套手段を順々にこなしていた。
 肉体の快楽から、ジワジワと心の快楽に重点を移行させて、操り人形にしてしまうのだ。

 「フヒャ〜・・・・」
 クチュクチュとかき混ぜられたアイの股間が、再び熱く疼いてきた。

 「イクの? イッちゃうのアイ?」
 ピクピクと、ミサトの指先にもその兆候が感じ取れた。
 「ヒゥゥ!」
 ミサトの口元がニタリ、と、つりあがった。

 アイのグレーゾーンを、ミサトの指がすばやく擦った。
 「んぁっ!」
 その瞬間、アイは手に負えな痴態を晒すこととなった。

 シャーッ。
 それは、おびただしくほとばしった。
 「ああっ!」
 突然わきあがった感覚に、自制は効かなかった。
 むしろ、ほとばしることによって快楽の出口が拡がったような開放感を味わっていた。
 「ヒヤ〜ッ!」取り返しのつかない失態、魂が抜けるような脱力感に襲われた。

 「あら!」ミサトは目を輝かせ、素っ頓狂な声をあげてやった。
 アイの粘膜は、外気にさらされ、トタトタとこぼれる蜜に、羞恥心が灯った。

 湯気すら立ち上りそうな愛液が、高級絨毯にボタボタと吸い込まれてゆく。
 「ヒ〜! (いや〜〜!)」アイの顔が醜くゆがんだ。
 絨毯を濡らすほとばしりは、バシャバシャと跳ね返るほどの量だった。

 「あ〜〜〜らあら! まぁ〜」ミサトの口調はふざけているようで、上機嫌にもとれた。

 「ちょっとぉ!(クスクス、) かぁ〜んごふさん(看護婦さん)、ここぉ、」と言ってミサトはアイの耳をクイクイと引っ張った。

 「く〜〜〜っ! 」
 耳を引かれ、どうにか振り返ると、ミサトの意地悪な笑みが視界の隅に感じられた。
 歯を見せて笑っているようだ。

 「あなた、ポタポタ何をおもらししているの?」
 わざと、滴がはねんばかり指をピタピタと打ち、愛液の分泌を促す。
 いったん萎えかけた勢いが再び生き返った。
 シャーッ!
 「ひ〜〜〜っ!」

 「ほらほら、ちゃんと説明しなさいな。アイ! なにをこぼしているの! 」 
 ピタピタピタピタ、と、ミサトは容赦なかった。

 「ヒ〜〜〜〜!」
 痺れるような脱力感に為す術はなかった。

 「あっ、また! アイ、いいかげんにしなさい! 高い絨毯が汚れるじゃない! いやらしい汁が、あっ! ほら、またぁ!」あざ笑っているようなミサトに、声を張り上げられれば尚更、痺れるような震えが下半身を緩ませる。
 (止められない!)肉ビラが自然にヒクヒクに収縮し、ほとばしりを一滴残らず絞り出そうとしている。

 「なんて恥ずかしい子でしょう!」
 叱責しながらも、ミサトはアイの失態を煽るように、更にほとばしりを促す愛撫を繰り返した。
 「ヒャ〜ッ!」
 クルクルとくすぐったり、性器全体を手のひらでさすってやったりもした。
 最も敏感な感覚器の突端を細かく震わせてやる。
 しかし、簡単に絶頂は訪れてはこなかった。
 生殺しに近い刺激だった。
 イキそうになると、核心を遠巻きにして、巧みにリンパ腺を指圧された。
 イクよりも先に、気が狂いそうになる刺激だった。

 指圧は親指や、人差し指、ときに指の関節をもって施され、それは、ほぐすのではなく、アイの体から膿みを押し出すような手つきだった。
 「あ〜あ、ネバ〜ッとしたヌルヌルッ、ほらっ、こんなに濃い、いったいなぁに、これは? 」
 「ヒィ〜〜〜!ヒィ〜〜〜!」アイは言葉のわからない赤子のように、泣きじゃくった。

 「いってあげましょうか!」キュッ、と強く耳を引っ張られる。
 アイにとっては唯一、顔を変える前の自分が残っている部分だ。普段の状態なら絶対に触らせたりはしないが、ちぎれそうな痛みも、今は心地よかった。

 「ヒィ〜、イワナイデ! 」
 アイは首を振ってミサトの言葉を振り払おうとした。

 「いいえ、言ってあげる! 」
 「アアッ!」
 グィッ、と、耳を引っ張られ、その言葉は息吹と同時に吹き込まれた。

 「ア、」ボソッと耳の中になま暖かい息が吹き込まれる。

 「イ、」湿った息吹だった。

 「エ、」くすぐったくなる手前の、心地よい刺激だった。

 「キッ、」唇の奥で、桃色の舌の蠢く音も聞き取れた。
 ヒュッ、ヒュッと一語ずつ区切って吹き込まれた。

 耳から入ったミサトの息に、頭の中をくすぐられているようだった。
 ジ〜ンと芯を痺れさせる言葉だった。

 「ア・イ・エキ、でしょう! ああ、恥ずかしい! びちょびちょのオマンコからアイエキが!したたっているわよ! アイ?」
 ミサトの指先でピチャピチャと滴がはねた。

 「オサネ汁って言ったほうがいい?」
 「はぁぁおっ!」ミサトに抱えられるように

 「おまえの愛液」まるで快楽の弦をはじかれているようだった。 
 「おおっ!」分泌は次から次へと治まることがなかった。
 
 「あは〜ん、なんて、ねばっこいの。」粘液にネットリと包まれた指先を、ミサトはためらうことなく口に含んだ。
 媚薬の味だった。
 「ほら、こんなに糸ひいてぇ〜」
 ミサトも媚薬に狂った頃があったが、それも今は遠い過去。

 「ヌルヌルにして 」熱くドロドロに溶けていた。

 「こんなによくすべるわ」つかみ所がないほどだった。

 「ほらほらほら」すばやく擦ってやれば、すぐにでも絶頂に舞い上がるに違いない。
 「ああああ〜!」
 麻薬に溺れているような耽美な表情だった。

 「これなら、どんなチンポだってすばやく出し入れ出来るでんでしょ」
 「ああっ!」ジュポ、と、聴くに堪えない音をたてさせられていた。

 「雄はたまらないんじゃないかしら、こんなにヌルヌルで、そのうえ締め付けられでもしたら、」
 「ウンンッ!」上下に、ゆっくりと擦っていた肉ビラを、じっくりと真ん中に寄せ、渦巻きを描いてやる。

 「アッというまにイッちゃうんじゃないかしら? 」
「ひぁっ!」だんだんとリズムを早めてゆく。

 「おまえも、気持ちいいんでしょう? 」
 「ヒッ、イッ、イグッ!」興奮の度合いを煽るように、どんどんテンポをあげてゆく。

 「中に雄の精がぶちまかれると感じるんでしょう!」たて、横、斜め、前後と複雑に刺激を駆使した。
 
 「イッヂャ・・・」アイが目をつぶってのけぞった瞬間、ミサトの指はツルリ核心をそれた。

 「ああああっ!」
 アイはいっそ気が狂ってしまえば楽だったろうが、ミサトは楽にはしてくれそうにない。
 「アアアアアアゥッ!」

 「どうなの!」ミサトの叱責がとぶ。
 「ひぃ〜〜んっ!」子供のような泣き声だった。
 「雄犬のちんぽくわえ込む時はいつもこうなんでしょう! 」
 アワビのような肉ビラを ヒクヒクとふるわせていた
 「ひぃ〜〜んっ!」腰を震わせミサトがくれる、何か、をねだっていた。

 「いやらしい子になったわ〜!」
 「ほんっといやらしい!」ミサトの指がヌルリと深くに滑り込んできた。
 アイは涙を浮かべながら、口をパクパクさせてねだった。
 その表情に対してミサトは、
 「ほらっ、イけ!」スポッっと鈎状にまげた指で敏感な出口に強い刺激を与えた。
 一回、ひとこすりだった。
 「ンッ!」
 ピクピクと痙攣しながら、アイは絶頂を味わった。

 「浩一とやったんでしょ」頭の中で、囂々と耳鳴りにまじって、ミサトの声が聞こえた。

 「何度も」
 (何度も)
 「何度も」
 (何度も)
 アイは今長い絶頂のまっただなかで答えられる状態ではなかった。
 さんざん焦らされたあげくの絶頂ほど甘美な快楽はほかにない。


 イクイク!っていいながら、浩一はイカせてあげなかったんじゃないの?
 猫ちゃんは残酷よね〜・・・・・・

 ・・・いたぶって興奮するんだから・・・
 ・・・おまえは好き者だからァ?・・・・・・自分ばっかり逝ってイカせないのがスキだったんじゃないかしらァ?
 「アゥフ、フフ・・・」

 ゆっくりと、アイの快楽曲線が下りにさしかかり、ゆっくりと大きなカーブを描きながら醒めてゆく。

 「フフフ、まだよドスケベアイ。終わってないわ」
 ドスを効かせた声色でミサトが毒づいた。
 ミサトは何度で快楽地獄に引きずり込む。
 無数の舌がはい回る感触が下半身に向かって集まってきた。
 アイの愛液にまみれたミサトの指が、ザワザワと巧みに性感を紡ぎだした。
 「アアッ!アア〜ッ!」
 一度とらえられたら最期、何度でも快楽の地獄に引き込まれるのだ。
 
 「痛みばっかり与えるのもスキよね〜 もちろん、」
 ミサトは二本の指でアイの乳首のピアスをつまみあげると、ちぎれんばかりに引っ張り上げた。
 「キ、キャ〜〜ッ!」

 「自分がされるのも!」
 「イタッ!イタゥッ!」熱いほとばしりがアイの股間からふきだした。

 「大好きよねっ!」ミサトの指の間で赤くなった乳首がみるみるドス黒く変色してゆく。
 「いっ、イタッヒッ!オネエタマ!アァッ!」

 「フフン、ばちみそれ!」 
 ピクピクとつま先をヒクつかせてアイは痛みをこらえた。

 「イイお顔してるわよ。オメメの周りが真っ黒」涙と汗、ミサトに嬲られ、化粧はドロドロに流れていた。

 「泡までふいて」何度も絶頂の寸前で焦らされた後に味わう絶頂は、体力の限界まで続く。

 「よだれこぼして。」汗と同時に、ありとあらゆる体液が全身から流れ出してゆく。

 「オサネ汁、こんなに垂れ流して、」媚薬の影響も否定できない。

 「ほらっ!」
  ほらっ
ミサトが声をかけると、アイは宙を見つめたまま、腰をつきだした。

 「どう? 自分で腰つきだして、」
 「・・・・・・」パクパクとアイは何かを訴えていた。

 なに? もっと?
 「ウ・・・」
 ミサトは両胸からリングを更にひっぱりあげてやった。
 「!!・・・・」
 
 もっとなにィ?
 もっとなんなの?

 「アゥ・・・ウ・・・」
 ほら。
 ほら、イッちゃいなさい。イッていいわよ
 今度は優しく促した。 しかし、指先につまんだアイのリングをねじった。

 「・・・・!!!!」今度は両胸から快感が全身に拡がった。
 ピーンと四肢をこわばらせて、アイは再び絶頂を味わっていた。
 窮屈な状態から四肢がふわりと解放され、全身の感覚が世界の果てまで拡散してゆくようだった。
 どこまでもどこまでも拡がってゆく。
 「ウグ、ウグ・・・」
 

 ゆっくりと絶頂から醒めてゆくアイにミサトは意地悪く尋ねた。
 「よかった?」
 アイの目からポロリと涙がこぼれた。
 フフフ アハハ、そんなに喜んで〜

 「とても人にみせられたもんじゃないわよ?」
 「そんな格好でイキまくって」
 「見てみたいでしょ」
 「どんな顔になって、」
 「おまOんこ、どんなことになっているか」
 ミサトが話している間も、アイはボーッと惚けて返事がなかった。


 「そうはいってみたものの、鏡がないのよねぇ〜」
 ミサトは汗を落としながら立ち上がると、部屋を見回すそぶりをみせた。

 五感の鋭いミサトは、先ほどからアイ以外の気配を感じ取っていた。
 よく知っている気配だった。
 ミサトはニヤリ、と口の端をつりあげ、、ドアに振り返った。
 「誰かしら? 入りなさい!」
 ドアの向こうで、人のうろたえる気配があった。

 しかし、返事はない。
 ミサトはサッとドアに駆け寄ると、一気にあけ放った。
 ドアの向こうに立っていたのは谷川だった。
 白衣はしわだらけで、相変わらず髪は乱れ、顔は紅潮し涙目になっていた。
 ズボンの前を押さえ、前屈みになっていた。
 
 「あら、先生、何か御用でしょうか」
 谷川は鼻の下に玉のような汗をかいていた。
 ハァハァとイキが荒い。
 ずっと覗いていたようだ。
 「ぼっちゃまは?」
 「休んでます・・・」部屋に入りたがっているようだった。

 ミサトは入り口に立ち、ミサトより背の低い谷川を見下ろした。
 胸を突き出し威圧的に見下ろす。

 「ちょうどいいわ、アイがあんなだから、私がかわりに命令してア・ゲ・ル」

 「廊下の突き当たりにある姿見をここに持ってきてちょうだい!」
 「・・・」
 「先生はあとでいいことがあるわ」
 「・・・鏡、ですか」

 「ねぇ先生?」のろのろと廊下を歩いてゆく谷川に、ミサトは声をはりあげた。

 「急いで!」谷川は小走りになった。
 「あと、私の部屋から化粧箱を持ってきてくださらない? 」
 谷川はミサトの言いつけ通りに動いた。
 谷川は姿見をはずして持ってきた。
  
 「はやく運び入れなさい」
 「そこがいいわ。そう、」クルミ材でできた鏡を、ソファの正面の壁に立てかけさせた。

 「ご苦労様」谷川は思わぬ重労働に汗だくだった。

 「さて・・・」ミサトは胸を張り、谷川を威圧するように、向かい合った。
 「チップが欲しい?」モゾモゾと居心地悪そうだ。
 しかし、既に前屈みになり、四つんばいになりそうになっていた。
 谷川の両足の間にミサトが一歩踏み込んだ。
 長い脚が、谷川の両足の間を割った。
 太ももにあたる感触は、既に期待にふくらんで張り裂けんばかりだった。

 がめつい子ね・・・ 谷川の肩に頭を乗せ、いい匂いとともに、囁いた。
 飼い主同様・・・・
 ご褒美ばかりほしがるのよねぇ〜〜
 歌うようにつぶやきながら、ゴシゴシと股間に膨らむ期待を刺激してやる。
 「おまえはアイの家来でしょう?」ミサトの膝頭が巧みに期待を弄んだ。
 「ハァウ・・・ハァ・・・ハァ・・・」聞くに堪えない呻きだった。

 「誰にでも可愛がられたいのね!」谷川の体が震えだしたところで、ミサトはガラリと声を変えた。
 ミサトは膝頭で谷川の股間を渾身の力で蹴り上げた。
 「グァッ!」夢から覚めたように谷川は悲鳴をあげた。

 「おまえを可愛がるのはいつかある日よ!」
 そう言って、うずくまろうとする谷川の肩を掴むと、そのまま廊下に押し出した。
 谷川は丸くなって後ろ向きに廊下に転がった。

 ミサトはドアを閉じると鍵をかけ、アイに振り返った。
 アイは自分の正面に立てかけられた鏡をじっと眺めていた。
 「さて、」ミサトは満面の笑みだった。

 「フフフ、さ〜てさて、」つま先立ちで歩いた。

 「ちょっと中断しちゃったけど、大丈夫よ〜、アイ」ごろりとアイを転がす。
 「ウゥ〜〜フ」
 ミサトに転がされたのに、アイはむずがったりせず、むしろ喜んでいるようだった。
 口を開けて喉の渇きを訴えているように見えた。

 「フフフ、な〜にすぐに、元通りにしてあげる」アイをかかえこんだ。
 「ワッ!」
 よいしょ、とミサトが腰を抱え上げると、アイは、おまるに座らされる幼児のようだった。
 アイは窮屈な格好でメイドのなすがままだった。 

 「元通りの天国に連れ戻してあげるからね〜〜〜」どすんと、ソファにのせてやる。  

 「ほらっ、前の鏡をみてごらん」
 ラブソファーに載せられたアイに、後ろから寄り添い、一緒に鏡をのぞき込んでやる。

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メイド 魔性の快楽地獄