斉藤薫はしばらく無表情に立ちつくし、 峰の目をじっと見つめていたが、 唇の端がみるみるつり上がり、 目は蔑むように細められ、 冷酷な微笑が浮かんできた。 「あら、あら、課長ったら、何をなさっているんです。!」 斉藤薫はアンニュイなマスクに淫らな笑みを浮かべ、 蔑むような声色で言い放った。 (え?) 薫の予想外の反応が理解できなかった。 斉藤薫はあまり驚いた様子はなく、 予想通りといった落ち着いた表情だった。 「ふふっ、ひどい格好。」 そう言って薫はクスリと鼻で笑った カンナと玲子も特に驚いた様子はなく、待ちかねた、といった雰囲気である。 「あら、薫、いいタイミング。 今、佳境にはいったところよ。みて、お宅の課長さん、すっかり出来上がっちゃってるわ。 もう、そろそろ、カタにはめるところだったのよ。 (こ、これはいったい?) 玲子が先ほど携帯電話でこっそりと薫を呼びだしたのだ。 3人は始めからグルだったのである。 薫の手引きによって、カンナと玲子は商談室に峰を引っ張り出し、 カンナと玲子が事に及ぶ際は薫が外部との接触を一切断ち切って 邪魔が入らないように社内から遠ざけていたのである。 そしてカンナの持参したケーキにはアメリカから取り寄せた特性の 媚薬がたっぷりと仕込んであり、自販機で買ってきたコーヒーには 強力な催淫剤が混入してあったのだ。 薬と三人の魔性の美女達による巧妙な罠に峰ははまったのである。 毒をたっぷりと注入され、抵抗しなくなった獲物は 丸飲みにされる運命にあった。 蛇に絡みつかれ締め上げられた獲物のように。 三人の女達の顔を混乱して見回す峰に玲子は、にんまりと峰の顔を覗きながら、 峰の心の底に話しかけるような低い声で 「私達のこの指はね〜〜男のまんこだけじゃなく 女のまんこも虜にしちゃうの〜〜 そうでしょ?薫。」 薫はなんのためらいも見せず、 「んふふふ、玲子お姉さまのおかげです。」 そう言って玲子に笑みを返した。 「さあー薫、 私たちに見せてちょうだい。 私たちが仕込んだ男殺しのテクを・・・ この奴隷をもっと深みに引き込んでやりましょう。」 カンナが薫を促した。 薫はそのつもりだといわんばかりに自信たっぷりに 「わかりました。」 そう言って薫は峰の方へ脚を進めると薫に軽く会釈した。 玲子はそれにこたえ、峰から離れると 反対のソファーに移動してしまった。 「ふふ、では失礼します。」 そう言って薫は後ろ手に縛られ、ぐったりと峰が横たわるソファーに 近づくと、峰に覆い被さるようにして、峰の顔を覗き込む。 そして、両手を峰の胸に軽く滑らせ、指を乳首に這わせた。 玲子と違い優しく慈しむような愛撫を加える。 しばらく峰の男根を弄んでいたカンナもスッと離れると 玲子の座る向かいの席に移動してしまった。 いよいよ、薫は峰に対面する形で峰に長身の蛇のようなしなやかな肉体を 覆い被せてゆく。 「ちょっと、素にもどったようですね。ふふ、大丈夫ですよ。 すぐに、気持ちよくなりますから。さあ、課長、リラックスして・・・」 薫は峰に催眠術をかけるように優しく峰を誘導してゆく。 一度沈んだら二度と浮かばれない底なしに快楽の世界へと。 「課長、気持ちいいですか?」 長身の薫が服を着たまま峰の身体に巻き付くようにまとわりつき、 峰を全身で愛撫するようにしなやかに服の下の柔らかい女体を押しつけてくる。 「こうしているとだんだん気持ちよくなりますよね。」 体温の上昇した、薫の身体からカンナとよく似た香水の混じった 体臭が漂う。この男を堕落させる薫りはカンナが調香師に特別に 作らせたもので、薫も商談室に戻る際、つけてきたのだ。 薫は峰の耳元に甘い官能的な声色で囁き、性的な妄想を 煽る匂いと、全身を使った愛撫で峰の思考を停止寸前の状態に引き込むつもりである。 薫が肉体をしならせるたびに、ボタンをはずした薫のブラウスの下から むせかえった女の体臭が噴き出す。峰はその薫りを肺いっぱいに吸った。 薫の体臭はスーっと吸い込むと肺の中から、熱く貫かれるような 強い酒のように、峰の思考を低迷させた。 だんだん、だんだんと峰の思考は薫の作った妖しい霧に霞んでゆき、 薫の愛撫に心身ともに支配されたいった。 薫の指が峰の堅い男根にその魔手を伸ばしてきた。 薫の指が撫でるように軽く男根を刺激する。 「あふ、あ、あ、あ、」 だんだん峰の快楽のボルテージはあがり始め、 喘ぎ声も大きくなってきた。 尿道からは前立腺液がチビチビと垂れ始め、薫の指先で竿から、 会陰部、アナルにかけてヌルヌルに濡らした。 「課長さん?ふふ、もう、何も考えられない?」 ボーッとして気持ちいいでしょう? 熱くなっていますよ。 ふふ、イイんでしょう? 二人のお姉さまに責められてイキそうっだったんですか? もう、気が狂いそうですか? 薫の指使いも気に入っていただけましたか? ここがイイみたいですね。 課長さんイキそうになってます。 ふふふ、まだ早いですよ。 これから薫が課長をもっと骨抜きにしてさしあげますから。 他の男達のように・・・ 私達の快楽の奴隷に・・・ 課長、ふふふ、覚悟してください。 課長の処女は私がいただくことになりましたから。 「ご覧なさい。」 そういって上体を起こし、薫はスカートをたくし上げた。 そこには艶めかしい太股に紺色のストッキングをガーターベルトで 飾り、その先の股間には真っ赤なディルドーと呼ばれる、 男根を模した器具が装着されていた。 戻る 進む